地図好きの市川紗椰が気になる、北米の「地理的中心地」を争う3つの町

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2020年10月02日 06:31  週プレNEWS

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写真地図を眺めすぎて、メロンの網目模様まで等高線に見えてきた
地図を眺めすぎて、メロンの網目模様まで等高線に見えてきた

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、彼女が地図を眺めて気になった地理の話題について。

* * *

先日の飛び地に続き、地図を眺めていて見つけた地理の話題、今回は「中心地」です。

米バッファロー大学の教授が編み出した最新の算出法では、北米の地理的中心地はノースダコタ州の「センター」、すなわち「中央」という名前の町。北米のセンターはセンター! しかもセンターは1.2平方kmしかない小さな町。

算出された位置がちょっとでもずれていたら、隣町になっていました。なんというミラクル。名前の由来は、ノースダコタ州オリバー郡の中央周辺にあるからで、北米全体でもセンターだったのは完全なる偶然の、完璧なネーミング。

この奇跡の発覚まではどんな場所が中心とされていたか調べると、北米の地理的中心地だと自称していた町はふたつありました。ひとつはノースダコタ州の「ラグビー」という町。ラグビーは1931年から地理的中心だと豪語しており、「Miss Geographical Center」を決めるミスコンまで開催してました。

Geographical Center Dayなる祝日も制定し、その日にはなぜかバスケとロデオマシン大会が行なわれているもよう。中心とどう関係あるのか、「ラグビー」という町なのにバスケでいいのか、そもそも北米の中心地がラグビーという北米では人気薄のスポーツの名前でいいのか。掘れば掘るほどモヤモヤが募る一方でした。

もうひとつの地理的中心と言い張っている町は、同じくノースダコタ州にある「ロビンソン」。2015年に市長が発表し、立派な看板を建て、「Geographical Center of North America」のフレーズの商標登録までしました。

緻密な計算を施した結果、地理的中心地はちょうどとある老舗バーの位置。そしてこのバーのオーナーは、市長さん。計算も、このバーで仲間と飲みながら方式を生み出したそうで......。きなくささ満点の話ですが、この市長の名前が「酒浸り」の意味も持つ「Bender」さんなので、「センター」に匹敵する完璧な名前。

現在、この3つの町は北米の地理的中心地の地位を競い合っているそうですが、何かとネーミングが秀逸すぎて私の中ではどう転んでも結果オーライです。

翻って、日本はどうかと調べました。オフィシャルの算出法がないため、やはりいろいろな町が「日本の中心」と名乗っています。

例えば、コンパスで描くように北海道から九州を円で囲んだときに中心になるのは、群馬県の渋川市。さらに、渋川市にあるお地蔵さんのおなかの出べそが中心(文字どおり、日本のへそ)だと定めており、毎年夏にはへそ祭りが開催されているそう(今年は中止)。

ほかにも、日本一海岸線から遠い地点である長野県佐久市の旧臼田町(うすだまち)や、昔、国土地理院が「日本の重心」と定めたけど誰も理由がわかっていない石川県珠洲(すず)市など、さまざまな言い分で日本のヘソと主張してます。へーそー。

センターのように、ぴったりど真ん中な地名はありませんでしたが、真逆なら、大阪の西中島南方でしょう。西なのか南なのか、どこかの真ん中なのかはたまた島なのか、まったく位置がわからないネーミングで存在感を放ってます。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。北米の地理的中心地をめぐる対立を「センター争い」と表現したかったが、うまく文章に組み込めなかった。公式Instagram【@sayaichikawa.official】

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