久々の舞台で「生きている感じ」 元宝塚歌劇団娘役トップ・花總まりが新境地

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2020年10月21日 11:30  AERA dot.

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写真舞台「おかしな二人」は10月25日まで東京・シアタークリエで公演中、11月5〜8日に大阪・梅田芸術劇場で公演予定(写真/東宝提供)
舞台「おかしな二人」は10月25日まで東京・シアタークリエで公演中、11月5〜8日に大阪・梅田芸術劇場で公演予定(写真/東宝提供)
 花總(はなふさ)まりさんが舞台「おかしな二人」に出演中だ。元宝塚歌劇団娘役トップ、舞台では複数の受賞歴を持つが、意外にもコメディーは初挑戦だという。AERA 2020年10月26日号では、花總まりさんに舞台再開の喜びや意気込みについて話を聞いた。

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 劇場に観客の笑い声が戻ってきた。舞台「おかしな二人」は政府によるイベント規制緩和により、これまで前後左右を空けていた客席を開放した。

 物語は花總さん演じるフローレンスが夫に離婚をつきつけられ、大地真央さん演じるバツ1でいまは独身生活を謳歌するオリーブのアパートに転がり込むことで始まる。

 花總さんは宝塚歌劇団の娘役のトップを最長の12年3カ月務め、その後はミュージカル「エリザベート」「マリー・アントワネット」などのヒロインとして活躍してきたが、コメディーは初挑戦だ。

 史実に基づく物語は、みなさんのなかにそれぞれイメージがあるので、それはそれで難しいんです。その点、フローレンスは自由に演じることができる楽しさもありますね。初めてのコメディー作品なので、楽しさとともに、セリフの多さや間の取り方などに難しさを感じています。最近ようやく心地よいテンポ感をつかめてきたかな、弾むような会話のキャッチボールができるようになってきたかな、という感じですね。

 フローレンスはきれい好きで神経質、用心深くて慎重派。対してオリーブはおおざっぱな楽天家。二人の性格の違いが巻き起こす騒動や、共同生活における女同士の本音のぶつかり合いが見ものだ。

 大地真央さんの間の取り方やテンポ感をものすごく勉強させていただいています。フローレンスはいろいろな面で極端なキャラクターなんです。でも演じているうちに日常のいたるところで「あれ? 私ってフローレンスっぽくなってきた?」と感じることがあります。掃除を妙に細かいところまでするようになったり、これまで「まあ、なんとかなるかな?」とやり過ごしてきたことも「いやいや、そこはキッチリしておこうよ」となったり。完全に影響されていますね。

  花總さん自身は、共同生活の経験はほとんどないという。

 結婚していませんし、宝塚での寮生活くらいですね。あとは友達と旅行に行ったときとか。そこまで細かい性格ではないので、相手にイラッとすることはないです。女性同士でうまくやるコツは「聞き上手になること」。そう言いつつ、実際はけっこう自分がしゃべっちゃうほうなんですけど(笑)。

 昔はもし結婚するなら、その前に一緒に暮らしておかないといやだな、と思っていました。いろんな面が見えてくると思うので。いまもそう思ってはいますが、もう結婚自体があまり頭になくなりました(笑)。

 共同生活で絶対に譲れないことは「早く寝ること」。睡眠時間は最低8時間。夜10時には就寝し、24時間のうち睡眠以外の16時間はすべて舞台のために費やすという。コロナ禍でも自宅での筋トレやヨガなどを欠かさなかった。アスリート並みのストイックさが、トップを走り続ける秘訣に違いない。

 久しぶりの舞台であきらかに自分が「生きている」という感じがしています。どんなときでも歩き出すことの大切さを実感しますね。それに舞台はお客様がいらっしゃるからこそ成り立つもの。コロナ禍で窮屈な思いをされている方も多いと思いますので、ぜひ日常を忘れて楽しんでほしい。一緒に作品に参加する気持ちで、劇場に来ていただければと思っています。

(フリーランス記者・中村千晶)

※AERA 2020年10月26日号

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