大黒摩季が語る「コロナ禍でのライブツアー完走の秘策」「三浦春馬さんとの思い出」

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2020年10月22日 17:00  週刊女性PRIME

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大黒摩季は“50歳で50個のトライ”を宣言するも「達成したのは13個ほど」。新しい恋にも挑戦しようとしていたが、コロナ自粛でいまだかなわず

お客さんたちが本当に愛おしくて。コロナで、自分たちの意志とは関係なく引き離されてしまったじゃないですか……まるでロミオとジュリエットみたいに

 かみしめるように話すのは、シンガー・ソングライターの大黒摩季。新型コロナウイルスの猛威がおさまらない中、10月7日から全国14都市を回る有観客のライブツアーを開始した。

「スタッフは2週に1度、私は本番前に必ずPCR検査をしています。ホントは私も2週間に1度くらいでいいんですけど、自分が嫌なんです。ファンの方たちと会うときに、絶対にうつす側にはなりたくないから」

 感染防止対策を専門家からレクチャーしてもらい、1600人入る会場でも観客を500人に減らすなど、ライブは万全の対策をとって行われている。

私のファンはお母さん世代から上の世代が多いですから、子どもや自分の親にうつしたらどうしよう、なんていう不安感や恐怖感をできるだけ取り除いてあげたい。やりすぎぐらいの感染対策をすることで、初めてライブを楽しむっていう気持ちになってもらえると思ったんです」

できることを見つけていく

 大黒自身、感染防止マニュアルを熟読。専門家とディスカッションして、できることを増やしていった。

「マスクをして、フェイスシールドをつけたらスタンディングもOK、タオルを振り回すのはダメだけど、持って左右に揺らすのはOKって、専門家の指導を受けて、それをMCでお客さんに伝えたら沸き立ったんですよね。それが可愛くて(笑)。規制はいっぱいあるけど、その中で“できること”を見つけていくことで、制約の中でも楽しみを増やせるんじゃないかって。何もかもダメ、って全部縛ってしまったらいけないと思うんです。今回は特に、昔から校則の隙間を縫って、遊びを編み出してきた知恵と経験が活きましたね(笑)」

 ステージに立って、初めて感じた思いもあったという。

「舞台からみなさんを見ているときは、本当に複雑で微妙な面持ちでした。それでも、お互いに会いたかった気持ちが舞台と客席の間でギュッと集まって、手をつなぐ、みたいな。やっぱり私って、ファンの方たちにキャッチされた瞬間に大黒摩季になるんだなって思いましたね。リハーサルや練習では出たことがない声が本番で出せるんです」

 ツアーの一番の目的は、長引く自粛の中においてアーティストとしてポジティブなメッセージを届けていくこと。今回のツアー名は『PHOENIX(フェニックス)』―不死鳥を意味する言葉だ。

火の中に突っ込んでいっては、そのたびによみがえる。私の人生と同じ。生まれ変わったら、より一層パワーアップする。スタッフにも言われました。“フェニックスって、大黒さんぽいね”って」

 子宮疾患の治療で2010年から6年間活動を休止。その後、病気からまさに不死鳥のような復活を果たしている。

「復帰してから明日があると思って生きてないんです。だから常に全力になっちゃう。じゃないと後悔しそうで……」

三浦春馬さんへの思いをこめた曲

 コロナ禍においても精力的に活動し、今年3月からは8か月連続で新曲をリリース。8月発表の『Pray for you 〜7月のelegie(エレジー、1番目と3番目のeにアキュート・アクセントがつく)』には、7月18日に亡くなった三浦春馬さんへの思いがこめられているそうだが……。

「7月はずっと豪雨で悲しい思いをしていて、この歌は全部その気持ちを書こうとしていたんですが、その月の半ばに春馬くんが亡くなられて。胸が石でつぶされたような気持ちになったんです。声も出ないくらいショックで、しばらく歌えないくらい。そのときはまだ、2番の歌詞はできていなかったけど、メロディーを口ずさんでいたら《美麗しい人ほど 何故 先に逝くの?》っていう歌詞が自然と出てきたんです」

 三浦さんとは、イベントで一緒になって話したり、食事をしたりすることもあった。

私もサーフィンが好きで、“一緒に行こうね”って約束していたんですが、何回も延期になって結局、実現してないんです。歌のことをいつも聞いてきてくれて、舞台の『キンキーブーツ』を見にいったときも“摩季さん、どうだった?”なんて聞かれて。“今日は苦しかったね、よく声出したね”“こうすると、もっと楽に声が出せるよ”なんてアドバイスをしました

 自身はコロナで気持ちがふさいだりはしなかったという。

「基本的に音楽オタクの引きこもりだから、私自身は全然、大丈夫でした。ただ、 “ダメ”って言われるとやりたくなる性格だから外にはすごく出たかったですけどね(笑)。でも、周りの方々ほど疲れてはいなかったと思います」

 大黒は、加藤浩次が発起人の、北海道出身の芸能人が集まる『北海道会』のメンバーでもある。

「(北海道会は)まったくやってませんよ。若手はリモート飲みとかしているようですけど。加藤さんもニュース番組のMCをしてるから、そんなうかつなことはできないって」

みんなコロナが悪いんだ

 コロナ禍で多くの人が心に不安を抱えているが……。

「自粛でみんなすごく時間ができて、自分と向き合う時間がありすぎたことが理由かなと思ってます。まじめな方ほど自分を責めたりして、深い闇に行ってしまったんではないのかなと。私が近所に住んでいたら、ビールでも持っていって、あなたが悪いわけじゃない、みんなコロナが悪いんだ、って励ましてあげますね。私が最近リリースした曲って、歌詞に“悪くない”という意味のフレーズがすごく多いんです。誰ひとり傷つけたくはないという気持ちで作っています。みなさん、自己否定が多い日々ですから」

 今後の意気込みを聞くと、

今回のツアーは、会場からも舞台からも絶対に感染者を出さない、クラスターを起こさない。そのうえで、ありったけのエナジーを届けに行く。それだけです。お客さんがいるとすごいパフォーマンスを出せるんだって改めて気づかされたんです。それに音楽業界のためにも、今回のツアーをやりきる必要があると思っています。今までわりと責任を持ったりとか使命感がない感じで蝶々みたいに生きてきたんですけど、このツアーばかりは強い気持ちで臨みたい。だから、ひたすらやり抜く。それだけですね

 不死鳥の歌姫がコロナも吹っ飛ばしてくれそうだ!

MAKI OHGURO 2020 PHOENIX TOUR
〜 待たせた分だけ100倍返しーっっ!!!〜


今後のツアー予定


10月24日(土)福岡県・福岡サンパレス


10月25日(日)熊本県・熊本城ホール


10月28日(水)宮崎県・宮崎市民文化ホール


11月  1日(日)埼玉県・川口総合文化センター・リリア


11月17日(火)北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru


11月19日(木)北海道・旭川市民文化会館


11月27日(金)東京都・LINE CUBE SHIBUYA


12月  9日(水)大阪府・フェスティバルホール


12月11日(金)岡山県・岡山市民会館


12月18日(金)神奈川県・パシフィコ横浜

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