ホンダF1田辺TD予選後会見:風に翻弄される難コンディションで3番手「メルセデスに近づいたが追い越せていない」

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2020年10月25日 11:51  AUTOSPORT web

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2020年F1第12戦ポルトガルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「今までにない、変わった予選でした」。予選終了後の囲み会見で、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは開口一番、そう語った。難しい状況のなか、それでもマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はメルセデスとの差をかなり詰め、初日にパワーユニット(PU)トラブルに見舞われたピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)もQ3進出を果たした。

 一方、レース現場では、ホンダ撤退後の2022年以降のレッドブルとアルファタウリの動向が、大きな話題となっている。ホンダはどんな見解を持っているのか。山本雅史マネージングディレクターが答えてくれた。

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──各チームが、手こずった予選になったのではないでしょうか?

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):今までにない、変わった予選でした。タイヤ温度をいかに作動域に入れるか、最適なコンパウンドはどれか、各チームがいろんなトライをしていました。

 メルセデスとフェラーリの1台がミディアムで予選Q2を通過するなか、レッドブルは終始ソフトで戦った。スタートの際に履くタイヤがどこまで保つのか、次に何を履くべきか。見えない部分が多いです。そこは策を練りながら、ドライバーと情報交換しながら、いつもと同じですが4台完走、4台入賞を目指します。

──ガスリーのトラブルに関して、その後わかったことはありますか?

田辺TD:あまりにダメージがひどく、消火剤もかかっているために、確認作業は全然進んでいない状況です。そんなひどい損傷を負ったマシンを、チームメンバーは頑張って修復してくれ、それに応えるようにガスリー選手もいい走りをしてくれました。ただQ2までは非常にいい感じだったのですが、Q3ではクルマがまとまらなかった。風の影響もあったようですね。

──今季最もメルセデスに接近できた予選だったと思いますが、田辺さんはどう分析してますか。

田辺TD:コンパウンドも違ったりしていますし、単純な比較はできない。日々の開発が結果に結びついて、メルセデスに近づいているのかなと思います。ただし追いついて、追い越せてはいない。まだ、いっそうの努力が必要です。

──モニター表示では風向きが非常に変わりやすかったようですが、現場ではどうでしたか。

田辺TD:ドライバーもチームも、そこに翻弄されている印象です。「ストレートスピードが伸びない」と言っていたのが、風向きや風速が大きく変わったからだったり。ひどい風ではないのですが、180度風向きが変わるところもあって、出走タイミングで影響を受けたようですね。

■2022年以降の協力は、技術レギュレーション次第

──ポルトガルGP後の会議で2022年以降のエンジン凍結の議題が出た場合、メルセデスは賛成したいと、トト・ウォルフ(チーム代表)が言っていました。

山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):トトはホンダに対しても、非常に大きな敬意を持ってくれてますね。ニュルブルグリンクの会見の際にも、その前の雑談で「自動車メーカーとしては、理解できる決断だ」と言ってくれたり。なので今回も、いい話をしてくれてるなと思いました。

──現時点でレッドブルからホンダに、具体的なリクエストなどはあるんでしょうか。

山本MD:これはレッドブルも言っていることですが、2022年の技術レギュレーションがどこに着地するか、それが大前提です。それによってレッドブルからホンダへの要望も正式に出てくると思います。そこがクリアにならない限り、来年末に終了するホンダとしては2022年以降の開発はできないわけで。それをするのなら、撤退する必要はなかった。レギュレーションの方向性が決まらないと、正式な話し合いに進まないでしょうね。

 もちろんヘルムート・マルコ博士やクリスチャン・ホーナー代表(レッドブル・ホンダ)、フランツ・トスト代表(アルファタウリ・ホンダ)から非公式な相談事を受けたりもしてますが、正式には何も動いてません。

──会議次第ということですね。

山本MD:そういうことです。

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