「天高く馬肥ゆる秋」は不吉な予感!? 気象予報士・蓬莱大介の【お天気ライブ ほうらい屋】【11】

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2020年10月26日 13:02  TVerプラス

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秋になり、日中も涼しく過ごしやすい季節となりました。秋の季節のすばらしさを表現する言葉に「天高く馬肥ゆる秋」とあります。皆さんはどういう光景が浮かびますか?空は澄み渡って秋晴れ。食欲の秋、太った馬がおだやかに寝転んでいる様子。なんて浮かびませんか?この言葉、なぜ“馬”なのか考えたことありますか。一文字ちがいで、「天高く"妻"肥ゆる秋」ではどうですか?おお!リアル!・・・って、コラ!奥さんに怒られますね。「天高く羊肥ゆる秋」でもなく、妻でもなく、ここは馬なんです。なぜか・・・「天高く馬肥ゆる秋」という言葉は、元々は中国から来たのですが、なんと今とは逆の意味合いで使われていたのです。つまり、秋の穏やかなイメージではなく、不吉な予感をイメージさせる言葉だったのです。紀元前206年頃、中国の王朝前漢時代。北方の遊牧騎馬民族、匈奴(きょうど)との争いが激しく、たびたび万里の長城を越えて攻めてこられていたそうです。特に秋は、肥えて強くなった馬に乗って匈奴が攻めてくる。遊牧民族は冬の前に食料を調達するために、秋の実りの時期中国へと奪いにくるんです。だから「天高く馬肥ゆる秋になったら、警戒しなければならない」という言葉が生まれたのだとか。それが、時代が過ぎて匈奴の脅威もなくなり、言葉が変化し、今の穏やかな意味合いになったそうです。「天高く馬肥ゆる秋」自分の仕事も台風シーズンが過ぎて落ち着き、空も空気も気持ちよく穏やかに暮らしています。食欲の秋とも言いますので、「天高く"我"肥ゆる秋」にならぬように気をつけます。プロフィール蓬莱大介(ほうらい・だいすけ)気象予報士・防災士。1982年兵庫県明石市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年読売テレビ気象キャスター就任。 現在、読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」「かんさい情報ネット ten.」「ウエークアップ!ぷらす」の3番組にレギュラー出演中。読売新聞(全国版)で連載記事「空を見上げて」を執筆。著書 「クレヨン天気ずかん」(2016年主婦と生活社)「空がおしえてくれること」(2019年 幻冬舎)「蓬莱さんのスケッチ予報Calendar2020」(2020年 読売テレビエンタープライズ)
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