コロナ禍で高齢者ホーム選びにも「オンライン見学」が登場。意外な利点とは?

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2020年10月26日 17:00  AERA dot.

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写真オンライン会議アプリ「Zoom」を使って、遠く離れた施設でも顔を見ながらやり取りが可能に(写真/株式会社メドレー提供)
オンライン会議アプリ「Zoom」を使って、遠く離れた施設でも顔を見ながらやり取りが可能に(写真/株式会社メドレー提供)
 高齢者ホーム選びに欠かせない見学。自分の目で見て、スタッフと話すことで得るものは大きいはず。しかし今はコロナ禍で「見学に行きづらい」「見学できない」という悩みも。そんな中、無料の「オンライン見学」が注目を集めています。現在発売中の『高齢者ホーム2021』(週刊朝日ムック)で取材しました。

【写真】施設各所を案内してくれるオンライン見学の様子はこちら

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■新型コロナの影響で、施設が見学できない!

 高齢者ホームを探すにあたり、まずはインターネットなどで情報収集をします。ある程度しぼれたら、その施設を見学して総合的に判断していきます。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、施設見学を中止しているところが少なくありません。見学者の受け入れは、施設入居者や職員の感染リスクにもつながるためです。
 
 老人ホーム検索サイト「介護のほんね」(運営:株式会社メドレー)では、2020年7月から全国各地の介護事業者と連携した「オンライン見学」サービスを開始しました。

 「新型コロナ陽性者が少しずつ増え始めた2〜3月から、介護施設での見学制限が始まりました。そこで、私たちにできることはないかと考え、『オンライン見学』を思いつきました」

 そう話すのは、株式会社メドレー介護のほんね推進グループの吉田晃之さん。早速、つながりのある介護施設にアンケートをとってみたところ、約6割が「興味がある」と回答。迅速に導入でき、操作性の簡便さも考慮し、オンライン会議アプリ「Zoom」を採用。パソコンやスマートフォンを使い、「Zoom」のビデオ通話によって施設担当者とやりとりできるようにしました。

 約500施設からサービスを開始し、2020年9月現在、約600施設が参加。登録施設全体の5〜6%で、首都圏の施設が多いものの、導入検討中の施設もあり、今後は全国的にさらなる増加が見込まれます。

「ただビデオ通話で話すだけでなく、施設パンフレットを画面共有したり、施設について説明する担当者とは別のスマートフォンを持った担当者が、施設内を歩き回ることで居室や共用スペースを見せたり、入居者や介護スタッフと直接話す機会を設けたりしているところもあります」(吉田さん)

 施設側もまだ手探り状態ですが、「介護のほんね」では、「オンライン見学」を利用した見学者や施設側から意見や感想を聞きとり、それを各施設にフィードバックすることで、「オンライン見学」のさらなる充実を図っています。

■離れて暮らすきょうだいと同時にオンライン見学も

 利用者の中心は、親の入居を検討している40〜50代の人たち。「施設の人の顔を見て話ができるので、安心できる」などと反応も上々。親と離れて暮らす人も多いため、本来であれば時間や交通費をかけて現地に赴くところを、自宅で見学できるという手軽さに魅力を感じているそう。

 「複数の施設を見学したい場合、1日に何軒も回るのは難しいですが、オンラインなら可能です。仕事の合間に職場から見学することもできます」(同)

 利点はほかにもあります。異なる場所に暮らすきょうだいがオンライン上で同時に見学したり、入居希望者のことをよく知るケアマネジャーやソーシャルワーカーに同席してもらい、施設が本人に向いているかどうかを一緒に見てもらったりもできます。

「コロナがきっかけでしたが、施設見学の効率化が図れますし、オンラインならではのメリットが多いことがわかりました。『うちも始めたい』という施設も増えています」(同)

 緊急事態宣言という特殊な状況下ではあったものの、オンライン見学のみで入居を決めた事例もあったとのこと。「オンライン見学」は、コロナ禍の一時的なサービスにとどまらず、大きな可能性を秘めています。

(文/吉川明子)

「介護のほんね」オンライン見学のサイト
https://www.kaigonohonne.com/theme/online

※「高齢者ホーム2021」より抜粋

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