激戦のMoto3で待望の表彰台を掴み取った佐々木歩夢と鳥羽海渡/MotoGP第12戦テルエルGPレビュー(2)

0

2020年10月30日 13:21  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

写真2020年MotoGP第12戦テルエルGP Moto3クラス:2位の佐々木歩夢、3位の鳥羽海渡
2020年MotoGP第12戦テルエルGP Moto3クラス:2位の佐々木歩夢、3位の鳥羽海渡
 テルエルGPのMoto3クラス決勝では、佐々木 歩夢(KTM)が2位、鳥羽 海渡(KTM)が3位に入賞。佐々木はグランプリ初表彰台、鳥羽は2019年開幕戦カタールGPでの優勝以来となる表彰台登壇となった。

 佐々木、鳥羽共に2000年生まれで、今年20歳となるATC(アジア・タレントカップ)出身のライダーだ。ATCはMotoGPを運営するドルナ・スポーツが2014年に創設したライダー育成シリーズで、アジアから未来のMotoGPライダーを発掘することを目標としてスタート。ホンダNSF250Rとダンロップタイヤのワンメイクで争われ、マシン差がなく、ライダーの技術向上を第一の目的としており、アルベルト・プーチがシリーズダイレクターを務めていた。

 鳥羽と佐々木はその第一期生で、2014年に鳥羽が初代チャンピオンとなり、2015年には佐々木がチャンピオンを獲得。その後、二人はアジア・タレントチームからMoto3ジュニア世界選手権に、並行してレッドブル・MotoGPルーキーズカップに参戦し、ヨーロッパでのレース経験を積んだ。

 Moto3ジュニア世界選手権では、2016年には鳥羽がランキング4位、佐々木がランキング6位を獲得、ルーキーズカップでも共に優勝を経験するなど活躍を収め、佐々木は2016年にルーキーズカップチャンピオンを獲得。2017年より、ふたりは世界グランプリのMoto3クラスにレギュラー参戦を開始した。

 佐々木は参戦初年度の2017年にMoto3クラスのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。鳥羽は3年目の開幕戦カタールGPで初優勝を達成するなど活躍。2020年には鳥羽がレッドブル・KTM・アジョに、佐々木がレッドブル・KTMテック3に移籍し、長年、乗りなれたホンダからKTMのマシンに乗り換えてMoto3クラス4年目となるシーズンに臨んだ。

 Moto3クラスはマシン差が少ないため、フリー走行からタイム差も僅差で接戦が展開されている。決勝レースでも序盤から終盤まで、20人ほどのライダーが集団で周回を重ね、優勝者から入賞圏内の15位までのレースタイム差が2、3秒ということも珍しくない。2、3秒の間に15人ものライダーがひしめき合い、数コーナーで順位が大きく変動することもある。

 また、他のライダーの強引な走りで接触転倒を余儀なくされたり、ポジションを下げるなど、自分自身の走り以外の要因で結果が左右されることも多く、ライダーの戦略と状況を観察する能力も問われるクラスとなっている。また、最後の勝負に向けてタイヤの性能をキープすることも重要で、そのためのセットアップをフリー走行からできるかどうかもカギとなる。予選で最速だったライダーが決勝で中団以下に沈むことも、決勝中のファステストラップが、中団以下のライダーによって記録されることも珍しくない戦いの厳しいクラスだ。

 テルエルGPでは佐々木が予選6番手を獲得。鳥羽は予選Q1を3番手で通過すると、Q2では予選8番手を獲得した。決勝でも序盤からトップ集団の前方で戦い、ふたりとも常に優勝をねらえる位置で周回を重ねた。

 最終ラップまで接戦の戦いとなり、チャンピオンシップをリードするアルベルト・アレナス(KTM)がトップで最後のバックストレートに入るが、2番手で立ち上がったジャウマ・マシア(ホンダ)がスリップストリームから抜け出し、アレナスをパス。佐々木と鳥羽も続き、最終コーナーにマシア、鳥羽、佐々木の順で進入。マシアが僅差のトップでチェッカーを受け、最終コーナー鳥羽のインを差したで佐々木が2位、鳥羽が3位に入賞した。最後までトップを争った4人は、Moto3ジュニア世界選手権時代からのライバルでもある。

■2021年シーズンも継続参戦が決定している佐々木、鳥羽


「厳しい4年間を過ごして来ましたが、ようやく表彰台に立てました。今シーズンはKTMにマシンを乗り換え、シーズンのスタートから簡単ではなく、運のないレースもありましたが、どう改善すればいいのかが分かり始め、ここまで来ました。レースで勝負できることは分かっていたので、最終ラップに向けて集中していました。この結果はハッピーですが、常に勝ちたいと思っているし、優勝は目の前でした。残り3レース、まだまだ改善の余地はあります。大変な時も僕を支え信じてくれたみなさんに感謝したいです。ようやくここまで到達しました。来年に向けて戦うためにも、このパフォーマンスを続けることが重要だと思います」と佐々木。



「今日のレースはトップ集団が大きく、ポジションを維持するのが困難でタフなレースでした。しかし、今日はブレーキングに自信があり、集中力も切らさず落ち着いていました。バトルも楽しかったし、とても素晴らしい日曜日となりました。表彰台に再び立つことができてうれしいです。残り3戦も同じように仕事を続け、今日のような結果をめざして戦います」と鳥羽。

 表彰台に立てそうで立てないレースが続いていたふたりの日本人ライダーがそろって表彰台に立った。2021年シーズンも佐々木はレッドブル・KTM・テック3からの継続参戦が決まっており、鳥羽もテルエルGP前にCIP・グリーンパワーに移籍してMoto3クラスに継続参戦することが決まっている。
    ニュース設定