浜崎あゆみや華原朋美も!「夫は不要」“未婚シングルマザー”の芸能人が増えるワケ

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2020年11月03日 13:00  週刊女性PRIME

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浜崎あゆみ

 今年1月2日に、公式ファンクラブサイトで、「2019年末に出産していた」と発表した浜崎あゆみ。10月に再びファンクラブサイトで第2子妊娠を発表したことは記憶に新しいところだろう。

 また、昨年5月には、華原朋美が自身の公式サイトで、外資系企業に勤める一般男性との第1子妊娠を発表し、8月に男児を出産したことも話題を集めた。

 平成を代表する歌姫が、40歳を過ぎて、あえて未婚の母であるシングルマザーを選んだということになる。

 厚生労働省による平成28年度『全国ひとり親世帯等調査』(2060世帯を対象)によれば、母子世帯になった理由の約80%が離婚。未婚の母は、全体の約9%だが、時代を経るにつれ微増傾向にあるのだ。

 平成5年度では母子世帯全体の約5%にすぎなかったが、平成23年度になると約8%へと上昇。そして、28年度は先述の約9%というように、約20年間で倍近く増えている。

 シングルマザーといっても自主的にシングルを選んだ人もいるわけで、一概にくくることができないといえそうだ。浜崎と華原のケースは、まさにそんな時代背景を表しているのかもしれない。

「結婚」という形にとらわれない

「芸能人ともなれば経済的に自立しているため、自ら未婚の母を選びやすいでしょう。今後、こういった家族の形を選ぶ女性芸能人は増えるのではないか」

 と語るのは、芸能に詳しいメディア評論家の宝泉薫氏。たしかに、金銭的余裕がともなえば自分ひとりで育てるという選択肢は現実的だろう。また、自身のバックボーンが影響しているのではないかと言及する。

「浜崎は、母親について“この人と同じような間違いは犯したくないと思った”とも語っているほどです。彼女の母親は自由すぎて離婚してしまい、父親が蒸発。シングルマザーとしての子育てをせざるをえなくなった。それならば結婚という形にとらわれず、父親に頼らずに初めから自分だけで育てようと考えても不思議ではない」(宝泉さん)

 華原も、小室哲哉や明治天皇の玄孫として知られる竹田恒泰といった男性たちと浮名を流してきた。「もう男性はこりごり」、そんなふうに考えてもおかしくないだろう。

 歌手の山下久美子も布袋寅泰との離婚後、2000年に旧知の男性と未婚のまま、双子の姉妹を出産。今井美樹に略奪される形で離婚を余儀なくされた山下だったが、40歳で出産しシングルマザーの道を選んでいる。

 コラムニストの吉田潮さんは、「同じ女性として、産んでおきたいという気持ちもわからなくない」と話す。

「浜崎、華原、山下の3人は高齢出産。自分の中で結論を下したすがすがしさを感じます。夫がいることによって失われることもあるでしょうし、存在自体がストレスになることもある。

 生活をしていくうえでは人手があるほうがいいけど、今はベビーシッターなどがアウトソーシングできる時代。経済的に自立できているなら夫に頼らなくてもいい。だったら、最初から父親は“必要ない”という選択もある」(吉田さん)

 “失われること”の一例として、「著作権などの権利関係」と話すのは、前出の宝泉さん。

「自身の分身である子どもに幸せになってほしいと願うわけです。夫がいて揉めようものなら、自身の財産はもちろん、権利関係がもともと他人である夫に奪われてしまう可能性もある」(宝泉さん)

 そういったリスクを考慮したとき、酸いも甘いも嚙み分けた彼女たちがわざわざ結婚するか─と考えると自発的に未婚の母を選んだこともなんだか腑に落ちる。

「浜崎は顕著ですが、20代の人気絶頂期にこういった決断はできない。彼女はエイベックスの株価を左右するほどの人気者でしたから、彼女の一存で決めることは難しかったはず。

 ですが、今は年齢を重ね事務所内での立ち位置も変わった。自由な決断ができる立場にある。さまざまなタイミングが重なっての選択だったのではないか」(宝泉さん)

未婚の母ではなく夫不要婚と呼ぶべき!?

「“未婚の母”という響きが、いかにも“かわいそう”とか“気の毒”という印象を与えているように思う。シングルマザーといっても人それぞれ。多様なケースが存在する今の時代に、未婚の母と呼び続け、くくってしまうのはいかがなものか」

 そう吉田さんが指摘するように、未婚の母と聞くと「ワケあって結婚できなかった不憫な女性」というイメージがいまだある。だが、2013年7月、『報道ステーション』に出演し、女児を出産していたことを公表した安藤美姫の姿は、そんなイメージを払拭するほどのインパクトだった。

「彼女は世界を転戦するアスリートでしたから、欧米の結婚事情などについても明るかったのでしょう。マスコミのおもちゃにされないように、未婚の母が社会的選択であるという印象を与えたことは大きかった。自らオープンにすることでプライバシーを守ることができる」(宝泉さん)

 メディアは安藤の父親探しに躍起になったが、その様子はかえって世間のひんしゅくを買い、「家族の問題。余計な詮索はするな」といった論調が高まっていく。

「沢田亜矢子のときは、父親を特定しようと周囲を嗅ぎまわるマスコミの動きに同調するように、世間も面白がっていた。しかし今は、シングルマザーがスキャンダルにならない、できない時代。ひとつのライフスタイルとして確立している」(宝泉さん)

 たしかに、未婚の母だろうが、おめでたには変わりはない。生き方の自由が尊重されるべきであり、子どもを自らの意思で産む女性たちを称えることはあっても、非難されることはあってはならない。

 さらには、詮索すればするほど子どもを巻き込んでしまう。自らの意思でなった未婚の母は、ある種アンタッチャブルな存在と言えるかもしれない。安藤美姫の爆弾公表は、彼女たちに対する世間の目を変えた出来事だった。

 国際事情に明るいという意味では、3姉妹全員がシングルマザーという道端3姉妹も同様だ。長女のカレンは、'04年に長男、'07年に次男を出産した未婚の2児の母。先の宝泉さんの言葉を借りるなら、彼女らもまたシングルマザーの母親に育てられたバックボーンを持つ。

 カレン自身、「最初からシングルマザーでいこうと思っていた。結婚した人だけが子どもをつくるとか、そういう順番が必要というようには感じていなかった」と、ひとりで育てるつもりだったことを明かしているように、未婚という選択に戸惑いはなかったという。

 さらには、三女のアンジェリカから「大変だったことは?」と聞かれた際には、「電球を換えるのに天井に届かないとか。男の人の手があったらいいだろうなと思うことはあるけど」と語っている。彼女にとって“夫”とはその程度のものなのだ。

「シングルマザーと呼ばずに、夫不要のライフスタイルを選んだ─“夫不要婚”という言い方があってもいいんじゃないか。シングルマザーではなく、ノーモアハズバンド(笑)。“夫いませんけど何か?”くらいの感じで、当たり前のように言っていいはず。

 もちろん、芸能人と一般の方では環境や状況は違いますが、“シングルマザーはかわいそう”“そろそろ再婚したほうが”などと、後ろ指をさされる時代ではない」(吉田さん)

 ここに挙げた5人の女性は個性が強く、経済力もあるため未婚の母のモデルケースにするには極端な例かもしれない。だが、家父長がいて母親が家事を担うといったかつての家族モデルが崩壊している現代。多様なライフスタイルが広がる中で、家族の構成員の中に夫がいないという生活を特別視する必要などない。

多様化し複雑化するこれからの家族の形

「フェミニズムを研究されている心理学者の小倉千加子さんが『結婚の条件』(2007年)という本の中で、女性が結婚する条件を学歴別でカテゴライズしています。

 当時は、“高卒の女性は生存のために結婚する”“短大卒の女性は依存のために結婚する”“大卒の女性は(自分の仕事や生活を)保存するために結婚する”といったことが書かれています」(吉田さん)

 結婚には、生存、依存、保存があると分析し、当時は学歴(収入)によって夫との関係性が変わる─。時代は進み、今は夫すら必要ない層が登場。「年収300万円のシングルマザーだったとしても、子どもと楽しく暮らしている家庭もある」と吉田さんが話すように、多様化している=複雑化していることを意味する。シングルという言葉とは裏腹に、ひとりで育てる理由は十人十色だ。

「多様性を語るのであれば、アンタッチャブルな話題にするのではなく、オープンに話せる状況にならなければいけません。

 芸能人はアイコンでもありますから、未婚を含むシングルマザーのポジティブな面を語る人が出てきてもいい。そういう人が登場することによって、より理解も深まるはず。スキャンダルにする必要はないが、フタをするように語られないのも不自然」(宝泉さん)

 ママタレならぬシングルマザータレントが台頭したとき、“ノーモアハズバンド”は当たり前になっているかもしれない。

人それぞれの“シングル事情”

 一方で、破局を原因にシングルマザーになった女性芸能人、ワケあってシングルにならざるをえなかった女性芸能人もいる。例えば、草刈正雄を父に持つ紅蘭は、事実婚相手だったラッパーとの間に第1子女児を出産したものの、ラッパーの男性が知人男性への暴行容疑で逮捕され、事実婚を解消する事態に。

また、2001年には、元光GENJI山本淳一との結婚と妊娠を発表した遠山景織子だが、そのまま入籍をすることなく長男を出産。そのときすでに山本とは破局し、シングルマザーへと。

 その後、ナチュラルフードコーディネーター資格を取得し、愛息のために作り続けたお弁当のレシピを公開した『遠山さんちの明日のお弁当』を出版するなど、こんなご時世だからこそ、彼女の奮闘はもっと語られてもいいはず。

 未婚の母を選び、第1子女児を出産した浜田ブリトニーは、自身のお腹にいた娘を残して破局したお笑い芸人の岩見透と復縁、結婚という紆余曲折を経ている。“元・未婚の母”というレアケースだが、今年8月には第2子妊娠を公表するなど順調のようだ。

 そして、'00年にギタリストの弥吉淳二との“不倫略奪できちゃった婚”が話題になった椎名林檎も忘れてはいけないだろう。2年後に離婚し、その後は シングルマザーとして長男を育ててきたが、'03年に第2子を極秘出産。

 しかし、その男性とは結婚せず、“事実婚”のまま出産。離婚のシングルマザーと未婚のシングルマザー、双方を経験─。さすが唯一無二の世界観を構築する椎名林檎らしい選択かもしれない。

「経済的に豊かな未婚の母の成功例だけを見てしまうと、ゆがんだとらえられ方になりかねない。結局、お金さえあれば何とかなるんじゃないか、という結論になってしまうと、間違ったシングルマザー像が先行してしまう。

 先の5人に加え、紅蘭や遠山景織子のような例もあるわけで、シングルマザーや未婚の母を十把一絡げに解釈するのは短絡的と言えるでしょう」(宝泉さん)

《取材・文/我妻アヅ子》

吉田潮(よしだ・うしお)…コラムニスト、イラストレーター、テレビ評論家として『週刊新潮』で『TVふうーん録』を連載中。『幸せな離婚』(生活文化出版)『親の介護をしないとダメですか?』(KKベストセラーズ)など著書多数

宝泉薫(ほうせん・かおる)…アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)

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  • 親も離婚し、その子も離婚…シングルマザーを褒め称える気にはなれない。「夫は不要」も思い上がり。あなたの子にお父さんはいらないのか。
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