ETRC:最終戦ミサノがコロナの影響でキャンセルに。2020年選手権は不成立、来季再始動へ

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2020年11月16日 17:01  AUTOSPORT web

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ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップは、11月14〜15日にイタリアのミサノで実施予定だったイベントのキャンセルを発表
10月17〜18日にWTCR世界ツーリングカー・カップとの併催による第2戦を実施していたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップは、11月14〜15日にイタリアのミサノで実施予定だったイベントのキャンセルを発表。これにより、2020年はドライバーとチームのタイトルを授与しないことが決定し、2021年のチャンピオンシップ再開に向けリソースを集中することとなった。

 この世界的に困難な時期にあって、欧州の物流を支える企業、労働者層とその家族、そして多くのファンに支えられ、8月の開幕に漕ぎ着けたETRCは、度重なる大会中止やカレンダー変更のあおりを受けながらも10月に第2戦を実施していた。

 その間も、オーストリア・ザルツブルクやスペインのハラマ戦ともども2021年シーズンへの開催延期がアナウンスされ、2020年は急遽全3戦に縮小されることが決まるなど、厳しい要件でのレースウイークが続いてきた。

 そして最終戦ミサノを前に、選手権プロモーターのETRA(トラック・レーシング・アソシエーション/Truck Racing Association)とFIA、そして地元のレース主催者が協議し、第3波到来で感染拡大が止まらない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮し、症例数の増加とヨーロッパ全土での旅行制限に続き、イタリア政府によって課された最新の制限にも基づいて、この週末のイベントをキャンセルすることを決断した。

 この結果、シリーズ・コミッションは2020年シーズンのドライバー、チームの両タイトルを「授与しない」ことも決定し、チャンピオンシップは事実上“ノーゲーム”に。

 貴重なレースウイークを失ったミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリを含め、既存のすべてのレース主催者は来年のコミットメントを表明しており、ETRAはその仕事を2021年のカレンダー策定とシーズン基盤を確立する方向へとシフトしている。

■「2021年カレンダーは間もなく発表できる予定」とマネージングディレクター
 FIAトラック・レーシング・コミッション(Truck Racing Commission)会長のマヌエル・ビダルは、この決定に際し「このように非常に困難で、状況が刻一刻と変化する情勢にも関わらず、FIA ETRCイベントを主催することができた選手権プロモーターや大会主催者、そして協会の努力と決意に感謝したい」と語った。

「今年、チャンピオンシップのタイトルが授与されなかったのは本当に残念だが、状況の深刻さを理解する必要があるだろう。こうして物事の焦点が早めに2021年へと移ったことで、来年は強力で競争力のあるFIA ETRCシーズンを迎えるのに良い位置にいる。ここから充分な準備が進められるはずだ」

 一方、このチャンピオンシップのマネージングディレクターを務めるロルフ・ウェルナーは「仕方のないことだとは言え、シーズンが早期に終了し、チャンピオンシップの最終結果がないことに非常に失望している」と、その正直な胸の内を明かした。

「それでも、これらのツラい時期を乗り越えてくれたチーム、パートナー、ファンに感謝したい。私たちのファンのほとんどは、この2020年はトラックと一緒に楽しいときを過ごすことができなかったが、我々の#onetruckfamilyはこれらの困難な時期にも本当にサーキットへと集まり、皆の努力によってモストとハンガロリンクの、少なくともふたつの成功したイベントを開催することができた」と続けたウェルナー。

「過去数週間にわたり、2021年にイベントを主催することを約束している既存のレース主催者と、非常に前向きな会話を交わしてきた。2021年カレンダーは間もなく発表できる予定だ」

 2020年はハンガリー出身のノルベルト・キス(レベス・トラック・レーシング/MAN)が好調を維持し、地元戦で3勝を挙げる大活躍を演じてランキング首位に。6点差で2017年王者のアダム・ラッコ(バギュラ・ゼロ・マイレージ・レーシング/フレイトライナー)、20点差で前人未到6冠王者のヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イヴェコ)が続く展開となっていた。

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