FIA-F4富士:今季10連勝を記録した平良響がシリーズチャンピオンを獲得

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2020年11月30日 22:11  AUTOSPORT web

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平良響(TGR-DC RS トムススピリットF4)
2020年シーズンのFIA-F4の第4大会(第10戦〜第12戦)が11月28〜29日に富士スピードウェイで開催され、第10戦で勝利を手にした平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が念願のシリーズチャンピオンを獲得した。平良は第11戦も勝利し、連勝記録を10勝にまで伸ばしたものの、第12戦は平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)が制し、最多勝記録更新とはならなかった。

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 ここまで猛威を振るい続けた平良に対し、もはやストップをかけられる存在は平木だけとなっていた。しかも、3連勝が絶対条件であるのに対し、平良はあと2ポイント加えれば、つまり9位でゴールすればチャンピオンを獲得できる。

 予選で第10戦のポールポジションを獲得したのは、前大会もてぎで2戦連続2位の小川颯太(WARMTECH Skill Speed)で、セッション終了間際の記録は「狙いどおり」という。

 一方、平良はラスト10分の赤旗中断直前に「セクター1とセクター2でベストタイムをマークしていたんですが……」と、チームメイトの野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)に続く3番手となった。平木は5番手と大逆転に赤信号が灯る結果に。

 ただし、平良はセカンドベストタイムではトップとなり、第11戦のポールを獲得。2番手に小川、3番手に平木が続いた。

 第10戦決勝レースでは、平木がクラッチトラブルでスタートに大失敗。小川が1コーナーへのホールショットを決め、平良が続いていく。このふたりが後続を引き離しかけた2周目のダンロップコーナーでアクシデントが発生。3周にわたってセーフティカーが導入される。

 そしてリスタートは、完全に小川が失敗。1コーナーでの逆転はかなわなかったが、コカコーラコーナーで平良がトップを奪う。その後も小川は遅れず平良に食らいつき、最終ラップのダンロップコーナーで仕掛ける。しかし、平良は冷静にポジションをキープし、今シーズン通算9勝目を挙げ、同時に2020年シーズンのFIA-F4選手権シリーズチャンピオンを獲得した。

「残念ながら勢いはなくて、ドライバー的にもマシン的にも、あんまりバシッとしていなかったんですが、その中でも最善を尽くして、ミスなく終えられて本当に良かったです」

「チャンピオンが獲れて本当に嬉しいんですが、メンタルが強くなったことの方が実は嬉しくて。最終ラップの小川選手に対し、冷静に対処できたのは自分の成長だなぁ、って本当に思います。以前ならば、あそこで冷静になれず、被せちゃってぶつかったりしていたんですが、そこで引けたのが良かったです」と、平良は王座獲得以上に自身の成長を喜んでいた。

 3位は9番手からジャンプアップの澤龍之介(BJ RacingスカラシップJSS)が獲得。セーフティカー導入まで18番手だった平木は、6位までポジションをあげてチェッカーを受けた。

 第11戦決勝レースは、2周目に小川をかわした平木がポールスタートの平良を追う展開となったが、終始スリップストリームを使えない間隔を保たれては、手も足も出せず。平良が今シーズン10勝目を手にした。

 2位は平木、3位は最後まで続いた伊東黎明(OTG DL CHALLENGE)と野中の追撃を振り切った小川が手にしている。

「離せなかったけど、そんなもんです(笑)。次はコンディションも変わるでしょうが、その変化にドライビングでアジャストできれば、また勝てると思います」と平良。

 第12戦決勝レースは、第10戦でファステストラップを記録していた平木がポールポジションを獲得。これに小出峻と太田格之進(VEGAPLUS DOME F110)がチームメイト同士で続き、チャンピオンを決めた平良は4番手からスタートとなった。

 苦手としていたスタートをそつなく決めた平木は、1コーナーで迫ってきた小出が立ち上がりで失速したことからトップをキープ。代わって太田が2番手に浮上するが、2周目の1コーナーで平良が逆転。あと1台抜けば、佐藤蓮が持つ最多勝記録に並ぶ平良だが、伊東、太田、荒川麟(ZAP SPEEDスカラシップ)らを背後に置いて応戦一方の状態となる。

「前を追えるような展開ではなく、後ろからやられるぐらいの感じだったのですが、落ち着いてミスをしなかったのが良かったです」と、平良は振り返る。

 一方、平木はそのまま逃げ切って開幕戦以来となる2勝目をマーク。「今日はいい形でレースを終えることができました。レースペースも悪くなかったので、背後とのギャップを保つことができて。最初と最初だけ勝てて、間は何していたんだって言われそうですね」と苦笑い。

 3位は初の表彰台獲得となった伊東が獲得、「セクター3で(平良に)離されたのは、自分の力不足です」と嬉しさも半分なりといった様子だった。

 インディペンデントカップでは第10戦、第12戦を制した佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が通算6勝で、インディペンデントカップ2連覇を達成している。

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