「愛の不時着」「梨泰院クラス」『パラサイト』…2020年一大ブームの韓国映画&ドラマを振り返り

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2020年12月04日 12:33  cinemacafe.net

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写真「愛の不時着」Netflixにて配信中
「愛の不時着」Netflixにて配信中
激動の2020年も、あと残すところ1か月。12月1日に発表された今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」には、年間大賞の「3密」をはじめ新型コロナウイルスの影響を反映した言葉が並んだ。そんな中、流行語トップテンの1つに選ばれたのが、今年Netflixで配信され、緊急事態宣言中の“おうち時間”にSNSの口コミから大人気となった韓国ドラマ「愛の不時着」。これを機に、いままで“縁遠い”と思っていた韓国ドラマを見始め、すっかり夢中になってしまったという人は少なくない。


また、ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』が韓国映画として初となるアカデミー賞作品賞を受賞して歴史を作ると、日本でも15年近く破られなかった国内韓国映画の興行記録を大きく更新する大ヒットとなった。1年前には想像もつかなかったコロナ禍で、一大ムーブメントとなった韓国エンタメをドラマと映画から改めて振り返った。


「愛の不時着」「梨泰院クラス」などNetflix韓ドラに魅せられた年

12月1日時点ではNetflixの日本国内「今日の総合TOP10」のうち5作品が韓国ドラマと韓国映画だった。「愛の不時着」(2月配信開始)、「梨泰院クラス」(3月配信)は長きにわたりTOP10圏内に君臨、11月には“韓ドラ沼”(K沼)にハマった日本のファンに向け出演者のヒョンビン、ソン・イェジン、パク・ソジュンらから感謝を込めた特別映像が公開されて話題を呼んだ。


ちなみに現在、韓国観光公社では「梨泰院に不時着したけど大丈夫」という名のイベントキャンペーンを行っている(12月13日まで)が、上の2作にキム・スヒョン&ソ・イェジ共演の「サイコだけど大丈夫」が加わり、ほんの数か月前なら何のことやら意味不明な、絶妙なキャッチフレーズが生まれた。もちろんこれら以外にも、“韓国のゴールデン・グローブ賞”こと百想芸術大賞で大賞ほか4冠に輝いた「椿の花咲く頃」は感動ヒューマンドラマ×サスペンス…と言い切れないジャンルレスな魅力があり、これもまた大いに泣かされた。


さらに、ペ・スジと引っ張りだこのナム・ジュヒョク共演「スタートアップ:夢の扉」、高校の保健教師が特別な能力で悪霊を追い払うチョン・ユミ主演「保健教師アン・ウニョン」、現在兵役中のパク・ボゴムと『パラサイト』パク・ソダム共演「青春の記録」、俳優たちが歌うOST(オリジナルサウンドトラック)も魅力の「賢い医師生活」、海ドラ好きも必見のチョ・スンウ&ペ・ドゥナ「秘密の森」や世界的ヒットのKゾンビシリーズ「キングダム」のシーズン2など、多彩な作品が登場してきた。


いずれも、韓ドラといえば即イメージするようなメロドラマだけではない、家族や仕事、人生に対する価値観を問いかけ、自己肯定やフェミニズム、SNSの誹謗中傷など今日的なテーマを含ませて、描かれる女性たちの姿も立体的で魅力的だった。

「トッケビ」「キム秘書」など過去作も人気!ブームは一過性じゃない!?

また、「新語・流行語大賞」ノミネート段階では「愛の不時着」とともに「第4次韓流ブーム」という言葉も併記されていた。中高年の女性を中心にした「冬のソナタ」の“ヨン様”フィーバーに象徴される2000年代中頃を“第1次”、「少女時代」「KARA」など2010年前後のK-POPグループの台頭を“第2次”…と位置づけていくと、今年のNetflixなどの動画配信サイトから火がついたブームは第4次ということらしい。


とはいえ、今回の韓国エンタメの人気ぶりは「愛の不時着」でソン・イェジン演じるユン・セリが身につけたファッションやコスメ、登場したチキンや焼酎をはじめとしたグルメ、物語を彩るOSTなど、幅広くライフスタイルの一部として浸透しており、もはや一過性のものとはいえないだろう。


K沼にハマった人たちが「不時着」「梨泰院」ロスを埋めるべく“次に観るもの”を求め、コン・ユの「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」や、ソン・イェジンの「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」、パク・ソジュンの「キム秘書はいったい、なぜ?」など、過去作も注目された。名作・傑作を取りそろえた専門チャンネル「韓国ドラマ・エンタメChannel K(チャンネルK)」もAmazon Prime Videoチャンネルに登場している。


そのほか、韓国で大きな話題となった英国ドラマのリメイク「夫婦の世界」、「昼顔」のリメイク「平日午後3時の恋人たち」、胸キュン時代劇「100日の郎君様」なども早々に上陸し、「恋愛ワードを入力してください〜Search WWW〜」のようなお仕事ドラマも人気に。タイ発のヒット作品の影響もあり、ボーイズラブドラマ「君の視線が止まる先に」は映画化もされた。


女性監督の映画が次々公開!パク・ソジュン、マ・ドンソク主演作も

「愛の不時着」や「サイコだけど大丈夫」、「トッケビ」や「秘密の森」も実は製作会社は同じ、韓国を代表するエンタメ企業CJグループの子会社「CJ ENM」のドラマ部門が独立した「スタジオドラゴン」。親会社の「CJ ENM」といえば、興行収入46億円、累計動員330万人を超える記録を作った『パラサイト』の製作会社としてもお馴染みだ。


今年はほかにも、『神と共に』ハ・ジョンウ×『パラサイト』イ・ソンギュンのサバイバル・アクション『PMC:ザ・バンカー』や、クォン・サンウ主演のバイオレンス・ノワール『鬼手』などが日本に上陸。ちなみに韓流ブームを牽引してきたクォン・サンウは『ラブ・アゲイン 2度目のプロポーズ』『ヒットマン エージェント:ジュン』と合わせ3作品が連続公開され、関係者から“奇跡の年”と言われたとか。


韓国で歴代興行収入NO.1となる大ヒットとなった『エクストリーム・ジョブ』も映画館を湧かせ、『サニー 永遠の仲間たち』カン・ヒョンチョル監督とD.O.(EXO)主演の『スウィング・キッズ』ではハリウッド級の広大なセットやステージシーンが圧巻だった。


コロナ禍により、予定通りに公開されなかった作品は多いものの、日本での知名度と人気が急上昇した「梨泰院クラス」パク・ソジュン主演『ディヴァイン・フューリー/使者』、マーベル映画にも抜擢されたマ・ドンソクが強烈な個性をスクリーンで見せつけた『悪人伝』や『スタートアップ!』、チュ・ジフンファンが待ち望んでいた『暗数殺人』などが公開された。


そんな中、“これぞ韓国映画”というようなバイオレンスやアクションばかりではなく、本国で活躍目覚ましい女性監督の作品が日本でも高い評価を得た。キム・ドヨン監督『82年生まれ、キム・ジヨン』は原作小説と併せて大きな注目を集めたし、ジヨンの中学時代に当たる90年代半ばを舞台にしたキム・ボラ監督『はちどり』を年間ベスト映画の1本に加える人は多いだろう。


ソル・ギョング×チョン・ドヨンでセウォル号沈没事故を描いたイ・ジョンオン監督『君の誕生日』も現在公開中。また、『あゝ、荒野』ヤン・イクチュンの新たな一面を引き出したキム・ヤンヒ監督『詩人の恋』、『タクシー運転手 約束は海を越えて』の脚本家オム・ユナの初監督作『マルモイ ことばあつめ』といった珠玉作も光った。


なお、Netflixで配信されている映画も秀作ぞろいだ。イ・ジェフンやチェ・ウシクなど若手スター共演の『狩りの時間』、コロナ禍のステイホームを予見したかのような『#生きている』、幾重にもひねりの利いた新感覚スリラー『ザ・コール』も早速SNSを賑わせている。


来たる2021年は、1月1日早々からファン待望の続編『新感染半島 ファイナル・ステージ』が公開! この熱狂はいっそう高まっていきそうだ。

(text:Reiko Uehara)
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