TCRジャパン第5戦鈴鹿:最終戦を待たず、篠原拓朗がサタデーシリーズのチャンピオンに輝く

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2020年12月08日 13:11  AUTOSPORT web

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篠原拓朗(アウディRS3 LMS TCR)と松本武士(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)
2020年TCRジャパンシリーズの第5戦が鈴鹿サーキットにて開催され、12月4日(金)に第1戦SUGOの代替レースとして行われたサンデーシリーズ1決勝、6日(日)に行われたサンデーシリーズ2決勝ともにAudi Team Hitotsuyamaの篠原拓朗が制した。

 5日(土)に行われたサタデーシリーズ決勝ではDrago CORSEの下野璃央が初の総合優勝を獲得。そして、最終戦を待たずに篠原が2020年シーズンのTCRジャパン サタデーシリーズのタイトルを手にした。

 第5戦鈴鹿大会では7月に悪天候を理由に中止となった第1戦SUGOの代替レースとしてサンデーシリーズが2戦行われ、サタデーシリーズ1戦と合わせて全3レースが開催された。

 4日(金)に行われたサンデーシリーズ公式予選のベストタイム順でサンデーシリーズ1のグリッドが、セカンドベストタイム順でサンデーシリーズ2のグリッドが決定された。

■第5戦 サタデーシリーズ1

 サンデーシリーズ1は、篠原拓朗(アウディRS3 LMS TCR)がポールポジションを獲得。2番手に松本武士(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)、3番手にブロンズクラストップのHIROBON(クプラTCR)がつけた。

 西陽が眩しい15時15分、サンデーシリーズ1の決勝がスタート。3番手HIROBONがロケットスタートを決めて、2番手の松本、そしてポールスタートの篠原を抜き去り1コーナーを通過。しかし、HIROBONは2コーナーでハーフスピン喫し、篠原に先行を許してしまう。

 トップに返り咲いた篠原は2周目にHIROBONとのギャップを2.5秒まで広げると、60キロのコンペティションウエイトを感じさせない走りでHIROBONとのギャップを毎周1秒以上広げていく。

 そんななか、2番手HIROBONと3番手松本が序盤から0.3秒差の接近戦を展開する。

 2台のバトルは長期戦となったが、レースも終盤となった9周目、2コーナーでHIROBONがオーバーランし、松本が2番手のポジションを取り戻すことに。

 HIROBONは4番手の下野璃央(ホンダ・シビック・タイプR・TCR)の目の前でコース復帰することとなり、今度はHIROBONと下野のブロンズクラス同士による激しい接近戦が展開される。

 HIROBONはポジションを守るべく果敢に攻めの走りを続けるも、翌10周目のダンロップコーナーで下野がHIROBONをオーバーテイクし、ブロンズクラストップ、そしてオーバーオール3位に浮上した。

 11周目、2番手松本に16.241秒のギャップを築いた篠原がトップでチェッカーを受け、サンデーシリーズ今季2勝目を獲得した。

 スポット参戦の白坂卓也(ホンダ・シビック・タイプR・TCR)は5位でチェッカーを受けたが、レース後の再車検で最低地上高が足りず失格となっている。

TCRジャパンシリーズ第5戦鈴鹿 サンデーシリーズ1決勝結果
Pos.No.DriverTeamCarLaps121篠原拓朗Audi Team HitotsuyamaアウディRS3 LMS TCR12225松本武士VolkswagenRT with TEAM WAKAYAMAフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR12334下野璃央Drago CORSEホンダ・シビック・タイプR・TCR12419HIROBONバースレーシングプロジェクト【BRP】クプラTCR12562塩谷烈州全薬工業 with TEAM G/MOTION’ホンダ・シビック・タイプR・TCR12673大蔵峰樹M-PROTOTYPING Team STILE CORSEアルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR12769梅本淳一55MOTO with J'S RACINGアルファロメオ・ジュリエッタTCR12817鈴木建自バースレーシングプロジェクト【BRP】アウディRS3 LMS TCR12955Mototino55MOTO with J'S RACINGアルファロメオ・ジュリエッタTCR1245白坂卓也若甦ドリームドライブ with KCMGホンダ・シビック・タイプR・TCR失格
*ファステストラップ:篠原拓朗(アウディRS3 LMS TCR) 2分11秒509(2/12)

■第5戦サタデーシリーズ

■第5戦 サタデーシリーズ

 12月5日(土)のサタデーシリーズ第5戦も篠原がポールポジションを獲得、2番グリッドにルーキーの下野が並ぶこととなった。

 10時55分、快晴のなかレースはスタートした。ポールスタートの篠原がわずかに出遅れるなか、3番グリッドスタートの松本が1コーナーのアウト側から篠原をかわしにかかったところで2台は接触してしまう。

 このアクシデントで4番手スタートのHIROBONも巻き込まれてしまった。

 篠原は再スタートが叶わず、HIROBONもスプーンカーブまで走行するもコースサイドにマシンを止めた。一方、松本はピットに戻り一旦はコースに復帰したが、2周目にレースを終えている。

 これでトップは下野、2番手に白坂、3番手に鈴木建自(アウディRS3 LMS TCR)というオーダーとなったが、鈴木はオープニングラップのS字で単独スピンを喫し、塩谷烈州(ホンダ・シビック・タイプR・TCR)が3番手に浮上した。

 ホンダ・シビック・タイプR・TCRがトップ3を独占するなか、下野が初のオーバーオール優勝に向けてハイペースで逃げにかかる。2番手争いの塩谷、白坂は2周目で順位を入れ替えたが、その後も接近戦のバトルを展開する。

 一時は順位を大きく落とした鈴木はレース後半に総合4番手まで浮上すると、総合5番手の大蔵峰樹(アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR)とブロンズクラスの3位争い展開、しかし日立オートモティブシステムズシケインで2台は接触し、大蔵はスピンを喫してしまう。

 10周目、2番手塩谷に13.301秒のギャップを築いた下野が独走でトップチェッカーを受け、初の総合優勝を手にした。

 オープニングラップから激戦を展開した2番手争いは塩谷がチェッカーまで2位を守りきった。白坂が3位に入りTCRジャパンシリーズ初表彰台を獲得。オーバーオール表彰台をホンダ・シビック・タイプR・TCRが独占する形となった。

 そして、オープニングラップのアクシデントによりリタイアとなった篠原が、ポイントランキング2位の下野との差を38ポイントとし、最終戦富士を残して2020年シーズンのサタデーシリーズチャンピオンに輝いた。

TCRジャパンシリーズ第5戦鈴鹿 サタデーシリーズ決勝結果
Pos.No.DriverTeamCarLaps134下野璃央Drago CORSEホンダ・シビック・タイプR・TCR10262塩谷烈州全薬工業 with TEAM G/MOTION’ホンダ・シビック・タイプR・TCR10345白坂卓也若甦ドリームドライブ with KCMGホンダ・シビック・タイプR・TCR10417鈴木建自バースレーシングプロジェクト【BRP】アウディRS3 LMS TCR10555Mototino55MOTO with J'S RACINGアルファロメオ・ジュリエッタTCR10673大蔵峰樹M-PROTOTYPING Team STILE CORSEアルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR10769梅本淳一55MOTO with J'S RACINGアルファロメオ・ジュリエッタTCR1025松本武士VolkswagenRT with TEAM WAKAYAMAフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR221篠原拓朗Audi Team HitotsuyamaアウディRS3 LMS TCR019HIROBONバースレーシングプロジェクト【BRP】クプラTCR0
*ファステストラップ:大蔵峰樹(アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR) 2分13秒944(3/10)

■第5戦サンデーシリーズ2

■第5戦 サンデーシリーズ2

 第5戦サンデーシリーズ2決勝では篠原がポールポジションを獲得、2番グリッドに松本、3番グリッドにブロンズクラストップの塩谷、4番グリッドに大蔵、5番グリッドにHIROBONが続いた。

 前日のサタデーシリーズで初の総合優勝を獲得した下野はセカンドベストラップで走路外走行と判定され、最後尾となる10番グリッドからスタートとなった。

 フォーメーションラップで梅本淳一(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)がマシンを止めたことで、全9台によるレースとなった。

 10時55分、青空の広がる快晴のなか、ポールポジションの篠原が1コーナーのホールショットを守る。2番手に松本、5番グリッドからスタートダッシュを決めたHIROBONが3番手に浮上し、4番手に塩谷が続いた。

 トップの篠原は序盤から2番手松本とのギャップを広げ、3周目には独走状態となる。

 最後尾スタートの下野は2周目には6番手にポジションを上げると、3周目に大蔵をかわし4番手の塩谷を追う。

 下野は5周目には塩谷の背後1秒以内に迫りオーバーテイクの機会を伺うが、塩谷も絶妙なブロックラインでポジションを守りにかかる。

 レース後半となった6周目、日立オートモティブシステムズシケインで下野がアウト側から仕掛けたところで2台は接触。塩谷はスピンするもコースに復帰、下野は左フロントのサスペンションを破損し、リタイアとなった。
 
 10周を走りきった篠原がトップチェッカーを受けて今季3勝目を獲得。2位は篠原に3.9秒及ばず松本。3位はHIROBONが獲得し、HIROBONは最終戦富士を待たずしてサンデーシリーズのブロンズクラスチャンピオンに輝いた。4位は9周目に塩谷をかわした白坂が獲得している。

 サンデーシリーズの総合ポイントランキングは、鈴鹿大会の結果により篠原が120ポイントでトップに浮上、ランキング2位の松本が119ポイントという接戦の状況で最終富士大会を迎えることとなった。

TCRジャパンシリーズ第5戦鈴鹿 サンデーシリーズ2決勝結果
Pos.No.DriverTeamCarLaps121篠原拓朗Audi Team HitotsuyamaアウディRS3 LMS TCR10225松本武士VolkswagenRT with TEAM WAKAYAMAフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR10319HIROBONバースレーシングプロジェクト【BRP】クプラTCR10445白坂卓也若甦ドリームドライブ with KCMGホンダ・シビック・タイプR・TCR10562塩谷烈州全薬工業 with TEAM G/MOTION’ホンダ・シビック・タイプR・TCR10673大蔵峰樹M-PROTOTYPING Team STILE CORSEアルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR10755Mototino55MOTO with J'S RACINGアルファロメオ・ジュリエッタTCR10817鈴木建自バースレーシングプロジェクト【BRP】アウディRS3 LMS TCR1034下野璃央Drago CORSEホンダ・シビック・タイプR・TCR569梅本淳一55MOTO with J'S RACINGアルファロメオ・ジュリエッタTCRD.N.S.
*ファステストラップ:篠原拓朗(アウディRS3 LMS TCR) 2分11秒582(2/12)

 TCRジャパンシリーズ、2020年シーズンの最終大会となる次戦は富士スピードウェイで12月19日(土)にサタデーシリーズ決勝、20日(日)にサンデーシリーズ決勝が開催される。

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