テレビウォッチャーが言いたい放題「2020年秋ドラマ」はテレビ東京がアツかった!

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2020年12月16日 11:10  週刊女性PRIME

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写真(写真左上から時計回り)柴咲コウ、唐沢寿明、波瑠、妻夫木聡、深田恭子、中井貴一
(写真左上から時計回り)柴咲コウ、唐沢寿明、波瑠、妻夫木聡、深田恭子、中井貴一

 コロナの影響でスケジュールが狂いに狂ったドラマ業界。秋ドラマも佳境に入った作品もあれば、すでに終了したものも。週刊女性おなじみ座談会メンバーが秋ドラマをぶった斬る!

●座談会メンバー

◆エスムラルダ
……昭和生まれのドラァグ・クイーン、ライター、脚本家。コロナ禍や五輪シフトで大変な中、数々の楽しい作品を作ってくださったドラマスタッフ・キャストのみなさまに感謝!

◆神無月らら……昭和生まれの地方在住ドラマウォッチャー。来期のクドカン新作、長瀬のロン毛がプロレスラー役というこのうえない美しい着地を果たしたことにご満悦。

◆成田全……昭和生まれのライター。ドラマの現場取材や記事を数多く担当。今年は未曾有のコロナ禍にたび重なる事件や不祥事、突然の悲しいお別れが続いたドラマ界……来年は楽しくなりますように。

SNSで盛り上がった“チェリまほ”

エスムラルダ(以下・エ) 『半沢直樹』が高視聴率を記録した夏に比べ、全体的に視聴率がふるわない秋ドラマ。だけど、面白い作品がけっこうあって、私は『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)が今期イチ推し!

神無月らら(以下・神) 通称「チェリまほ」ですね。

 私は地方在住なので放送されておらず、SNSで盛り上がっているのを見てネット経由で視聴して……沼落ちしました!

成田(以下・成) 童貞のまま30歳になったまじめ男子が、人に触れると相手の考えがわかる魔法を得たことで、同期の超有能ハイスペック男子が自分に惚れていることを知る慌てふためきながらも恋に仕事に邁進する超ピュア展開に、視聴者はBLであることをすっかり忘れてしまう、という斬新なドラマですね

 毎回、胸がときめくの!(笑) そして原作漫画から踏み込んで、他者へ恋愛感情を抱かないおそらくアセクシュアルの同僚女子を登場させるなど、性的マイノリティーについて勉強して作っているんだなとうれしくなったわ。

 まじめに生きる安達=赤楚衛二と、それを受け止める黒沢=町田啓太相手の気持ちを優先し、節度ある距離感を保つやさしい世界観と、ちょっとした表情や演技が……嗚呼、かわいい! 微笑みがとまりません!

 ね!(笑) 深夜の30分ドラマだからこそ制約に縛られず、のびのび作ってる感が伝わるよね。

 後ろ向きに考えがちだった主人公が、魔法を得て少しずつ成長していく胸アツ展開、さらに若さとルックスも抜群で、ずっとこの世界に浸っていたい……。

予想の斜め上をいく衝撃展開も

 テレ東は『共演NG』という超面白いドラマも!

 元恋人のため共演NGのベテラン俳優、中井貴一と鈴木京香がドラマで共演、さらに脇役も全員、共演NGばかりというコメディーなんですが、テンポもいいし伏線もしっかり回収、さらにドラマ好きがクスッとする小ネタと、テレビ東京からKを抜いた「テレビ東洋」という局に設定してのテレ東の自虐がすごい(笑)

 さらにはキリンとサントリーがそろってスポンサーになるなど業界の慣例も打ち破り、徹底的に共演NGをやらかしてるんですよ。秋元康絡みだからといって敬遠するのはもったいない!!

 中井が演じる遠山の付き人役が劇団EXILEの小野塚勇人で、セリフの練習をしていたら「やんのか、こら!」と小野塚が熱くなって締め上げて、中井が「痛い! 『HiGH&LOW』か、お前!」と。EXILE TRIBE主演の他局のドラマ名を出して揶揄するシーンとかホント面白かった!(笑)

 『モテキ』の大根仁監督が脚本も手がけていて、演出に穴がないですよね。個人的には『親バカ青春白書』にも出ていた小野花梨の感じ悪い売れっ子アイドル役に注目してたんですが……最終回、最後の最後にやられた!(笑)

 そしてテレ東、あいみょんが作詞作曲、北村匠海がボーカルのバンドDISH//が歌った曲を原案にした『』という深夜ドラマ。病気で余命宣告されているみねこ(小西桜子)とそれを見守る光司(前田旺志郎)の恋愛模様がせつねぇ……と思っていたら、3話で光司が事故死という予想の斜め上をいく衝撃展開があって、目が離せません!

 今期のテレ東ドラマはホントいい作品が多かったのだけど、ドラマのイメージのないテレ東に対して視聴習慣のない方が多かったのかもしれない……。

 来年からは、香取慎吾主演のドラマも始まるから、しっかりチェックしてみて!

シリーズものが強かった!

 『危険なビーナス』(TBS系)は初回視聴率こそよかったみたいですが、同じ日曜9時枠だった『半沢直樹』で視聴習慣がついた人たちが見たのかな、という印象が。

 間延び感は否めませんが、私は核心に近づいていく謎解きを楽しんでいます……。手島(妻夫木聡)の妄想シーンが、ちょいちょい挟み込まれるのはちょっといただけない……。

 ミステリーものの小説や漫画をもとにした連ドラって、話や謎を無理やり引き延ばしている感があって、毎回のカタルシスが薄くなりがちだし、イライラして、つい原作を読んで犯人を知りたくなっちゃう(笑)。

 かといって、『テセウスの船』みたいに筋や犯人が変わると、先は見えなくなるけど、整合性がとれなくなることが多いし……、なかなか難しいところよね。

 連ドラじゃなくて、2時間ドラマや映画だとちょうどいいのかもしれませんね。さて今期の視聴率は『相棒』(テレビ朝日系)、セカンドシーズンの『監察医 朝顔』(上野樹里主演/フジテレビ系)とシリーズもの強しですが、『ルパンの娘2』(深田恭子主演/フジ系)が苦戦中です。

 やりたい放題なコメディー演出で、私は毎回楽しみに見ているし、好きな人は多いと思うのだけど。

 パターンとお約束的なものが決まっているので、好き嫌いはあるでしょうね。パロディーのネタは『鬼滅の刃』を取り入れるなどトレンドに敏感で、深田恭子も相変わらずの可愛さなので、見逃し配信や録画視聴で見られている率が高いのでしょう。

 それから『相棒』の新作は必ず視聴すると決めている方が多いのだと思います。かくいう私がそうです(笑)。

 見逃し配信のTVerなどが普及した今、視聴率については見直しが必要かと。そして新作で人気を集めているのが中園ミホ脚本『七人の秘書』(テレ朝系)。木村文乃ら7人の秘書が悪人を懲らしめる内容が、往年の名ドラマ『ザ・ハングマン』のようだとも。

 一匹狼が類まれな能力で問題を解決する、同じ中園作品の『ハケンの品格』『Doctor−X 外科医・大門未知子』に比べると、キャラクターが7人に分散していて、カタルシスが少なめ。

 最終的には岸部一徳演じる財務大臣役を懲らしめるんだろうけど、それ以外の「敵」が小粒……。でも今、ドラマでスッキリしたい人が多いのかもね。

 1話完結、毎回スッキリ成敗、途中抜けても大丈夫、ラスボスありというのは『半沢直樹』と同じ構造ですね。シリーズ化しそうですけど、登場人物の私怨が解消した後で悪役をどう描くのかがポイントですかね。

 ちなみに現行最長の第20シリーズに突入した『科捜研の女』(テレ朝系)は、ラテ欄で「牛は見た!! チーズが暴く殺人……マリコ決死の乳搾り!?」というトンチキな回もあったり、まだまだ元気いっぱい!(笑)

アフターコロナの描き方

 『#リモラブ〜普通の恋は邪道〜』(日本テレビ系)は脚本と演出の面白さ、演技での言葉の応酬が面白い! 普通の恋愛ドラマかと思ったら笑える内容にもなっているし、マスクで顔を覆いながらの演技は表情が見えないから大変なのに、おみごととしか言いようがない!! みなさん健闘してますよね。

 そうね。顔を知らない者同士で好きになってしまうという展開は、中山美穂と柳葉敏郎の『すてきな片想い』を思い出して、懐かしくなってしまったわ(笑)。でも『リモラブ』は折り返し地点で産業医の美々(波瑠)とその会社で働く風一(松下洸平)が出会ったので、どう展開するのかとても楽しみ。あとは波瑠がコメディエンヌとしてとてもよき!

 狂言回し的に話を引っ張っていく新人看護師役の高橋優斗の使い方もいいし、その彼女役の福地桃子の演技にも注目してます!

 『リモラブ』はアフターコロナの時代をどう描くかに挑戦しているので、今の世界と地続きだと思わせるし、濃厚接触にヤキモキする心情もよくわかる。

 その逆が『姉ちゃんの恋人』(フジ系)で、初回冒頭でコロナで大変だったという話があったうえで、手指消毒はするけれどマスクはなし、気軽に人と集まるのも飲み会もOK「違う世界の話」と感じてガッカリしました

 ヒロインがいい子で「悪人」がいなくてコメディー要素もある「ザ・岡田惠和ワールド」的な作品で、好き嫌いは分かれそうだけど、アタシは楽しく見ています。そんな中、刑務所に服役した過去のある真人(林遣都)がひとりで闇を背負っていて素晴らしい。あとは、藤木直人の「正体」も気になるところ。実は社長だと思うんだよね。

 シリアスな部分はきっちり作ってあって、観覧車での告白シーンは本当によかった! また桃子(有村架純)の弟3人、高橋海人、日向亘、南出凌嘉の達者ではない演技にゆるい雰囲気を感じて、楽しいです!

 「こんな時代だからこそ温かい物語を」というのはわかるんですが……アフターコロナをどうとらえるのかは今後も重要なテーマ。描き方をしっかり見ていきたいです。

 「そもそも描かない」という選択もあるしね。その最右翼が『先生を消す方程式。』(テレ朝系)。学園サスペンスから、殺されたはずの田中圭が復活して学園ホラーへと大転換、完全に未知の領域に!

 脚本家の鈴木おさむがヒットした『M 愛すべき人がいて』で味をしめたのか、あえて、さじ加減を間違えたやりすぎ展開なんだけど、これはこれでいいのかな(笑)。

 山田裕貴の漫画チックな演技がすごくて、私はギャグドラマとして見てます(笑)。同じく突飛な設定だけど、よくできてるのが『閻魔堂沙羅の推理奇譚』(NHK)。中条あやみの圧倒的なルックスが閻魔大王の娘という設定を納得させ、第5回で地獄に落ちる新展開を入れてくるなど、飽きさせない! R-指定のゲスト回もサイコーだった。

 殺された人たちが「誰が犯人か」を論理的に言い当てたら生き返らせる推理ゲームを仕向けるミステリーで、1話30分で解決、話も小気味よく展開し演出もスタイリッシュ。中条のファッションやセットも凝っているので、そこも見どころです。

最後まで安心できない、遊川作品

 柴門ふみ原作、大石静脚本の『恋する母たち』(TBS系)は、「母たち」が恋や不倫をする事情がちゃんと用意されているのよね。

 ただの不倫だと叩かれやすいし共感されにくいから、その背景を描くことがマストなんだろうな。

 木村佳乃、仲里依紗、吉田羊というキャストも、見る側に「ありそう」と思わせる地味さがありますよね。

 あとは落語家役の阿部サダヲが本当にいそうなキャラ(笑)。

 さらに、ビール会社で働く裕子(吉田)の息子がゲイという新たな展開も。三者三様の恋や人生の行く末、見守っていきたいわ!

 行く末が気になるのは、遊川和彦脚本『35歳の少女』(日テレ系)も。風変わりな女性の言動が、さまざまな問題を抱えた周りの人たちに影響を与えていく……というのは、最近の遊川作品のパターンだけど、今回はどう着地するか?

 あと、遊川作品の相手役の男子、今回は坂口健太郎、『過保護のカホコ』では竹内涼真だったけど、毎回やたら王子様感があって素敵に見えるのよねぇ。

 遊川作品はぶちまけて終わることもありますから、最後まで安心できませんね。

 構造でいうと『この恋あたためますか』(TBS系)もドSハンサム上司と、見いだされた女性がやがて恋愛関係にという定形展開ですが?

エ ガサツで愛されづらいヒロインを演じる森七菜も嫌いじゃないけど、個人的には石橋静河に大注目! 「石橋凌と原田美枝子の娘」という看板が邪魔になるくらいの、ニュアンスある演技とたたずまいが素晴らしい。ドラマ的には誰と誰が結ばれるのか、視聴者の反応を見て決める可能性もあるかなと思ってる。

神 極主夫道』(日テレ系)は玉木宏以下、原作漫画のキャラ再現性は完璧なんだけど、ギャグの上滑り感はどうしても否めない。さらに婦人会会長役のMEGUMIと、組の会長役、竹中直人のパートが長めになると、間延びして本筋のテンポが悪くなるので、それが視聴率低下に影響しているのではないかと。

 今期のワースト、私は『24 JAPAN』(テレ朝系)。

「なぜ今さら日本でリメーク? しかも半年間放送?」と疑問に思って見たら、近距離の狙撃にデカいライフルを準備するとかツッコミどころ満載! でも、どんなに視聴率が下がっても契約で全24話放送は必須だろうしテコ入れどうすんだ……と逆に目が離せない(笑)。

 ベストは『共演NG』と並んで『光秀のスマホ』(NHK)! 主役の明智光秀役の山田孝之は1度も顔が映らず、ずっとスマホ画面がテレビ画面の真ん中で固定という斬新さにやられました。アプリなどの作り込みもすごくて、録画して何度も見たい超ショートドラマです。

 アタシは福士蒼汰主演の『DIVER-特殊潜入班-』(フジ系)がワースト。いや、わりと楽しく見ていたんだけど、最終回のラスト間際に主人公が撃たれて海に落ち、次のシーンでは何の説明もなく復活していてドラマ終了……ダイバーだけに、いつかその間の物語のサルベージをお願いしたい!

 印象に残っているのは『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)かな最終回での三浦春馬の不在が、現実とリンクしてなんとも言えない気持ちになって、脚本集を思わず購入してしまったわ

 ホント、今年はいろいろあったね……。

神 ワーストというより「なんでこうなるの!? 賞」として『先生を消す方程式。』。

 やりたい放題が過ぎるし、学園スリラーが学園ホラーに変わってからは「♪来る〜、きっとくる〜」と心のBGMを流しながら視聴してます。

2020年、ベストドラマは?

エ MIU404』『半沢直樹』(ともにTBS系)。野木亜紀子作品にハズレなし。そして収録が追いつかず、放送された『生放送!! 半沢直樹の恩返し』も含めてさすがの『半沢直樹』。

 『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)。『きのう何食べた?』にも通じるやさしい世界、BLドラマという昨今ニーズの高いジャンルに属しながらもあふれ出す魅力で枠から大きくはみ出し、心を鷲づかみにされました!

 『これっきりサマー』(NHK)。全5話で約12分という超ミニドラマながら、岡田健史、南沙良という注目の若手の共演、そしてコロナ禍の世界をいち早く描いた脚本家の木皿泉に拍手を送りたい!

エ コロナ禍で大変な状況の中、よくぞドラマを制作してくださった。来年はコロナが収束していることを祈って、キャスト、スタッフのみなさん、よろしくお願いします!

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