新生w-inds.のパフォーマンスはどう生まれ変わった? 「Beautiful Now」自由度の高いダンスが広げる可能性

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2020年12月22日 06:01  リアルサウンド

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w-inds.「Beautiful Now」

 w-inds.が、千葉涼平・橘慶太の2人体制になって初の配信シングル「Beautiful Now」を12月2日にリリースした。橘が作曲を手掛け、千葉・橘が歌詞を共作した同作は、現在の彼らの心象風景を描き出したような世界の中に〈掴み取れるさnew days 諦めない どんな時も〉など、新生w-inds.の決意表明とも感じられる力強い言葉たちが躍る意欲的な作品だ。


(関連:新生w-inds.「Beautiful Now」MV


 歌い出しをメインボーカルではない千葉が担当している点なども新鮮味を感じさせるが、先日公開されたコレオビデオから、彼らのパフォーマンスの新たな可能性について考察した。


 同曲の振付を手掛けたのは、ダンスの世界大会『VIBE DANCE COMPETITION XXI』で優勝するなど国際的に注目を集めるダンスクルー・GANMIのSotaとkooouya。「”自問自答” という歌詞をピックして全体的に構成に反映」(Sota)、「力強い美しさが伝われば」(kooouya)といったコンセプトのもと、歌詞に織り込まれた言葉たちをトレンド感のある動きや構成で表現している。その振付・構成の妙についてはw-inds.のダンス面を支えてきた千葉も“新しさと面白さにテンションが上がった”とコメントしていたほど。


 過去作でのダンスパフォーマンスを振り返ると、今作にダンサーとして参加している
Show-hey(RAFIOFISH)が振付を手掛けた「We Don’t Need To Talk Anymore」(2016年)など、細かいムーブを詰め込んだ高難易度ダンス路線の楽曲があり、この「Beautiful Now」でもverse2のサビ前からダンスが高速になる点などかなり見ごたえがあるのだが、注目すべきはメンバー2人のバランス感だ。


 トリオのグループは一般的に横並びかV字、逆V字の立ち位置で踊ることが多く、w-inds.の場合はライブアレンジなどの例外もあるが、橘を中心としたトライアングルが彼らのパフォーマンスを印象付けてきた。今作では千葉と橘が背中合わせになったり、2人の身長差を活かした組み技を見せているほか、verse2冒頭で1人ずつがダンサーを2組に分けて従え、それぞれがメリハリをつけて世界観を表現するなど、より立体的に進化したフォーメーションで魅了している。


 もちろん何もかもが一新されたというわけではなく、たとえば千葉が橘より一歩下がった立ち位置で踊るパートにはトリオ編成の名残りが感じられる部分もあり、従来のw-inds.らしさに思いを巡らせるw-inds. crewもいるのではないだろうか。


 トリオのアンサンブルを重視した形から、メンバー2人を中心にしつつも自由度の高い(これが表現として適当かはわからないが)“フリーアドレス”的な形へと生まれ変わったw-inds.のパフォーマンス。現状、新体制で発表されているのがこの1曲のみであり、コレオグラファーによっても当然変化が生まれるものと考えられるが、スケール感溢れるサウンド面同様に、パフォーマンス面でも彼らの新たな可能性や広がりを感じさせるエポックメイキングな仕上がりになっている。


 来年3月14日にはデビュー20周年を記念したベストアルバムのリリースが決定しているw-inds.。デビュー以来、常に攻めの姿勢でシーンと対峙してきた彼らが、今後どのように進化と変貌を遂げていくのか、気になるところだ。(古知屋ジュン)


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