データで振り返る!メジャー日本人選手の2020年 〜山口俊 編〜

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2020年12月27日 07:21  ベースボールキング

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ベースボールキング

ブルージェイズの山口俊
◆ 安定感に欠いたルーキーイヤー

 昨年オフ、ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦の夢を叶えた山口俊。開幕前はブルージェイズの先発ローテーション5番手争いに加わっていたが、結果的にはリリーフで開幕を迎えた。

 デビューからの2試合は延長10回という厳しい場面での登板。それも今季はタイブレーク制が採用されたため、無死二塁からという状況でいずれも失点を喫し、2試合連続で敗戦投手となった。

 良い時期もあったが長続きせず、17試合の登板で2勝4敗、防御率8.06という成績の1年目。特に悪目立ちしたのが制球難で、25回2/3を投げて与四死球は19に上った。

 それでも、8月には月間防御率1.54をマーク。首脳陣からの信頼を勝ち取りかけたところで、9月は一転、防御率11.77と崩れてポストシーズンの出場登録メンバーからも外れた。


◆ 課題は「コントロール」

 細かい成績を見ても、やはり制球に苦しんでいたことは明らかだった。

 初球ストライク率は50.8%で、すなわち2球に1球はボールという不安定さを露呈。これはMLB平均の60.6%を大きく下回り、今季20投球回以上の全323投手中で308位だった。


 また、リリーフ投手としては重要な登板直後とイニング最初の打者にかなり苦しんでいた。

 登板直後の17人の打者に対し、被打率.417(12打数5安打)の5四球で被出塁率は.588。また、イニング最初の打者に対しては被打率.476(21打数10安打)、被本塁打も3本に上った。1年目はとにかく“立ち上がり”に苦労したことが分かる。


 球種別の投球割合を見ると、ストレートとフォークが40%前後でほぼ同率。残りの20%がスライダーとカーブだった。基本的にはストレートとフォークを中心に組み立てている。

 しかし、ストレートの平均球速は146キロで、メジャーではかなり遅い部類。フォークを生かすためには、球速はもちろん、ストレートのキレをもう少し改善する必要があるだろう。


 メジャー1年目で良かった点も挙げておこう。シーズンを通して被本塁打は6本あったが、すべて走者なしの場面で打たれたもの。また、得点圏時の被打率も.194(31打数6安打)と、ピンチでは粘り強い投球を見せた。

 チームは今季、コロナ禍のため本拠地・トロントで試合を開催することができず。山口にとってはただでさえ初めてのメジャーで、想像以上にタフな環境で過ごしたことは間違いない。年齢的にも、2年目の来季は勝負の年となるだろう。


◆ 山口俊
ポジション:投手
投打:右投右打
生年月日:1987年7月11日(33歳)
身長・体重:188センチ・102キロ
出身地:大分県

<今季成績>
登板:17試合
投球回:25.2回
防御率:8.06
勝敗:2勝4敗
奪三振数:26個
奪三振率:9.12
与四死球:19個

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