オリックスが集客力アップに大学生のアイデア活用へ

◆ 若者の視点は生かされるのか！？

　オリックスが集客力アップのために、関西の大学生のアイデアを借りている。2014年から始まり、これまでチケットの販売方法を改善するなど、若い柔軟な発想を生かしてファン獲得につなげたケースもある。このほど、大学生による発表会が開かれ、様々な提案がなされた。

　関西大学梅田キャンパスで「大学生によるマーケディングプレゼンテーション（ファーム来場者合同発表会）」が開かれ、オリックスが二軍戦の行われる地域の大学と連携。各大学でスポーツマネジメントなどを学ぶ学生が、球団の出したテーマに沿って各地域の球場で観客からアンケートを行い、新しい企画を提案する試みだ。

　7回目を数えた今年のテーマは「ファームの公式戦を使って、にわか女性ファンを獲得する方法」。コロナ禍で各地域での試合開催はなく、オセアンバファローズスタジアム舞洲での試合を対象に調査した。

　今回は関西大、大商大、阪南大、大阪成蹊大、天理大、和歌山大の6大学が参加。SNSの活用を提案した天理大は、来場するカメラ女子を「オリックスのことや写真、映像の魅せ方を知っている」ことから、『Instagram』や『TikTok』に選手の様々な姿を投稿してもらい、選手が投票するイベントを提案した。

　コロナ禍でフィットネスに関心が集まっていることを参考に、たくましい選手のトレーニング姿を見学し、ナマの筋肉を見て触れる「Bs筋肉デー」を女性獲得策に挙げたのが、大阪成蹊大だ。また、選手の上半身の肉体美をプリントしたタオルの販売も提案。「あなたも筋肉に包まれてみてはいかがですか？」とのタイトルに、オリックスの事業本部・広報部・事業運営部ファーム事業グループ各プロジェクトマネジャーの花木聡さんも「面白いイベント。社内で全員が反対してもやってみたい。タオルも商品化してもいい」と関心を示していた。

　同大の経営学部スポーツマネジメント学科2年の大塚光陽さんは「35人がグループに分かれ、約100のアイデアを出し合った。興味を持ってもらえて自信になった」と話していた。

　「オリ姫」など女性ファン獲得に積極的に取り組んできたオリックス。昨年は6位に終わったが、新しい戦力の台頭が期待感につながり、3年ぶりに観客動員170万人超を記録した（今季はコロナ禍で33万3559人）。オリックスの企画事業部ファーム事業グループ長の岡村義和さんは「開催球場の沿線でチケットを買いやすくするなど、大学生のアイデアを生かしてきた。今回も新しい視点での提案もあり参考になった」と話していた。

文＝北野正樹（きたの・まさき）

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