デヴィッド・ボウイ伝記映画の主役俳優、ネット中傷被害を告白「世の中は変わっていない」

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2021年01月16日 19:02  Techinsight Japan

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デヴィッド・ボウイを演じたジョニー・フリン(画像は『IFC Films 2020年10月28日付Instagram「DAVID BEFORE BOWIE」』のスクリーンショット)
デヴィッド・ボウイ(享年69)の伝記映画『スターダスト』で主人公デヴィッド・ボウイを演じたジョニー・フリン(37)が、トレイラー公開後に大量の誹謗中傷にさらされていたことを告白した。ジョニーは演じた姿に暴力的や性差別的なコメントが殺到したことを明かし、「この映画が、ボウイに対する既成概念を打ち破るきっかけになれば」と話している。

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デヴィッド・ボウイの伝記映画『スターダスト』は、24歳のボウイが米国で1971年1月末から3週間、アルバム『世界を売った男(原題:The Man Who Sold the World)』のプロモーションツアーを行った頃の姿を描いた作品だ。ボウイの分身「ジギー・スターダスト」の誕生にインスピレーションを与えた瞬間の舞台裏も垣間見ることができる。ボウイの役は英シンガーソングライターで俳優のジョニー・フリンが務めた。


昨年10月に映画トレイラーが公開後、ネット上には「ジョニー・フリンを叩きのめそう」「彼の犯罪は、映画『スターダスト』でボウイを演じたことだ」といった悪質な誹謗中傷で溢れ返ったという。

現地時間7日に公開した『NME』のインタビュー記事で、ジョニーは「トレイラー公開から数週間、かなりヘヴィーな内容のものが溢れていた」としてこのように明かしている。

「僕はソーシャルメディアなんかには、あまり興味がないんだ。だけど暴力的なヘイトメールなどが届いたんだ。『お前は、ボウイを危なっかしい人物みたいに演じたな』といった類の言葉がね。それから『お前は、奇妙な感じでボウイを演じている。なんでドレスを着ているんだ?』といった、性差別的な嫌がらせもだ。」

「世の中は変わっていないみたいだよ。ハリー・スタイルズがドレスを着たら文句を言ったりね。だからこの映画が、彼らの頭の中にあるデヴィッドの既成概念を打ち破る教えになるかも知れないと思うと嬉しいよ。」

「人々は彼が1972年に異星人ジギー・スターダストとして登場したと思っているが、それ以前やそこに至るまでには色々なことがあった。デヴィッドは自分自身を救うために、ジギーになる必要があったんだ。」

ジョニーは昨年11月にポッドキャスト『WTF』に出演し、同映画で米マーキュリー・レコードの広報担当のロン・オバーマン役を務めた俳優マーク・マロンと対談した。ジョニーは役作りのために約12キロ減量したが、当時のボウイに比べて「ふっくらしている」と話題になった。

ジョニーは「人々は『ボウイに似ていない』って言うんだ。ボウイに似てる人なんているもんか! 僕にどうして欲しいんだ? 整形でもしろっていうのか?」と冗談交じりに話し、このように続けた。

「僕はいつもこう思っていた。デヴィッドの歩き方や話し方や歌い方を習って彼の本質になれるように精一杯努力する、減量もするってね。でも、この頬骨だけは残ってしまう。」

「それと僕は粗野なものまねにはしたくなかったんだ。そんなものは魂がこもった真のパフォーマンスじゃないからね。それに僕はものまね芸人じゃないんだ。俳優なんだよ。」

ボウイの息子で映画監督のダンカン・ジョーンズは2019年1月、「『スターダスト』は家族の承認を得ておらず、音楽の使用権も許可していない」とツイートした。同映画でボウイの楽曲は使用されておらず、ジョニーは人々が聴いたことがない初期のボウイの音を再現したようなアコースティック・トラック『Good Ol’ Jane』を書き下ろしている。



画像は『IFC Films 2020年10月28日付Instagram「DAVID BEFORE BOWIE」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
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