東京オートサロン2021出展車レポート/GRヤリスが大人気。コロナ禍の影響で“快適”内装仕様のメイキングも増加

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2021年01月18日 12:01  AUTOSPORT web

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トップシークレット/R35 GT-R TS 2021 Gold
『東京オートサロン2021』は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて中止になってしまったが、1月16日と17日の2日間、富士スピードウェイに展示予定だった車両が集まり、ネットライブ配信で紹介する『オートサロンTV』が実施された。
 
 発売まもない新型モデルから、お馴染みの定番モデルまで、メーカー&ショップの想いがこめられた、自信の1台が集った『東京オートサロンTV』。

 今回は“一堂に会して、ファンの前で競い合う!”という願いはかなわなかったが、それでもライブ会場では魅力的な車両を見つけることができた。

 チューニングから都会派ドレスアップ、オフロード&アウトドアメイク系まで、見所満載のカスタムモデルが揃う中で、ひと際目を引いたのが2019年にデビューしたトヨタGRヤリス。

 久々に登場したサーキット直系モデルだけに、オートスポーツwebとしても気になる存在だ。

 会場に集まったGRヤリスのデモカーを見る限り、今年は空力パーツと吸排気系を中心に組んだ車両が主流。



 1280kgの軽い車重に対してパワースペックは272ps/37.7kgmと素のままでも十分遊べるモデルだけに、開発に時間がかかるエンジンチューンよりも、費用対効果に優れるエアロパーツやブレーキ&エキゾースド系を優先したようだ。

 とはいえ、高性能ターボとはいえ素のままの動力性能で満足できないという声も多く、何社かはGRヤリスの潜在力を引き出すレシピを開発しているとコメントしていた。

 さらに、ショップからは「今回は来場が叶わなかった」「開発が間に合わなかった」という声も多かっただけに、2022年に向けてよりカスタムに力が入った多くのGRヤリスに出会えそうだ。





 定番モデルのニッサンGT-Rやスカイライン、スバルWRXも変わらず元気いっぱい。

 例年、新たな要素がプラスされた魅力的なカスタムカーが出揃うが、今年はCPUや吸排気系、サスチューンに新レシピを注いだ車両が充実していた。

 定評のある市販パーツをベースにプラスαの独自エッセンスを加えることで、コスパ良く遊べるストリート仕様というのが、今年のトレンドになりそうだ。





 ちなみにここ数年、年を重ねるごとに存在感が増しているSUVの躍進は今年も健在だ。

 流麗なシルエットに仕上げる定番スタイルに加えて、オフタイヤ&オフホイールにリフトアップを組み合わせることで、タフギア感を強める“オフ系”スタイルの車両も多く見かけることができた。

 この無骨な魅せ方のエッセンスはミニバンにも波及し始めているなど、今年のトレンドのひとつになりそう。

 スズキ・ジムニーやトヨタ・ランドクルーザーに似合っているのは当たり前として、トヨタRAV4やトヨタ・ハリアーなどのアーバンSUVにもしっくりキマっていたのが印象的だった。

 またコロナ禍がもたらす影響なのか、内装メイクで車内を居心地良く仕上げるコーチビルダー系の元気の良さも見逃せない。



 一部のビルダーからはオーダー殺到で製作もままならないという話も聞けたほど。

 車中泊やレジャーの拠点としてユーザーから注目度が高いカテゴリーらしく、定番のハイエースやNV200やプロボックスを仕立てた新作車両が数多く出展されていた。

 車内の仕立ての良さに加え、比較的安価な価格で快適な空間を狙えるのは、かなり魅力的だ。

 ともあれ、今年のオートサロンTVにはジャンルを問わず、魅力的なモデルが揃ったのは間違いない。その中から、オートスポーツweb特選5モデルを紹介しよう。

■東京オートサロン注目の出展車両

■トップシークレット/R35 GT-R TS 2021 Gold



 ニッサン車両の老舗チューナーと名高いトップシークレット。今回は3台のGT-Rを出展させたが、その中で最も印象的だったのが、黄金に輝くキャンディゴールドを身に纏ったフルコンプリート仕様のR35 GT-Rだ。

 エアロパーツはフロントバンパーとリヤバンパーが2021モデルとなりスタイリングイメージを変更。エンジンのCPUセッティングとトランスミッションも2021仕様にアップデートされている。

 ホイールはOZの鍛造20インチだが、トップシークレットのオリジナル品がインストールされていた。








■ SPOON SPORTS/N-ONE レーシングカー





 ホンダ車のチューニングで有名なSPOON SPORTSが、2019年12月に納車されたばかりの新型N-ONEを、いち早くレーシングカーに仕立てた1台。

 先代と最新モデル、見た目はそっくりなのだが、最新モデルに先代のパーツはほとんど使えないため、新規パーツを開発しながら仕上げている最中だという。

 今回の展示車両はその第一弾で、足まわりとブレーキ、サイド出しのマフラーがが装着されていた。

 ちなみにレース直系チューナーらしく、新型N-ONEでもサーキットに挑む予定で、北米で開催される世界最長のサンダーヒル25時間耐久レースを視野に入れているそうだ。









■カーステーション マルシェ/スバルWRX STI





 現役ラリードライバーの石田正史氏が率いるカーステーションマルシェが手がけたスバルWRX STI。

 HKSキットで2.2リッターに拡大されたEJ20エンジンは、新作タービンとの相乗効果で500psまでスペックアップ済み。

 さらに自社オリジナル補強部品『すじがねくんシリーズ』などで、ボディチューンが施されていることもあって、さぞやサーキットユースに特化したチューニングモデルと思いきや、目指すコンセプトは“走る場所を選ばぬオールラウンドプレイヤー”という。

 サーキットまでの道のりも楽しく走って欲しいという想いをこめて製作したそうだ。









■オートバックスグループ/A PIT スイフトスポーツ





『A PIT』は、厳選された市販パーツを用いてカスタマイズ車両を提案する、オートバックスグループが提案する新しい試みのひとつ。
 このスズキ・スイフトスポーツは、スーパーオートバックス東雲が製作したカスタム車両で「必要最小限のパーツでどこまでスペックアップができるか?」をテーマに開発されている。

 エンジンはHKSパーツを用いてファインチューン。耐久性も考慮したチョイスでバランス良いスペックアップを狙う。

 足まわりは筑波サーキットを想定したセッティングで、HKSスプリングを用いてバネレートを変更したほか、TWSホイールやキャリパーとパッドも交換。

 さらにアライメント調整にも注力しているという。内装パーツも実戦重視のチョイス。シートはブリッドのフルバケットタイプ、ロングシフトへの変更など、コスパ良く効果を実感できる提案が注がれている。









■TSD Styling/ジムリィ





 スズキ・エブリィに完成度の高いスワップキットを組み込むことで『ジムニー顔』を再現したこの車両。

 2インチアップのスタイリングも極めて自然で、抜群の完成度を感じさせてくれる。さらにカスタムオーダーではなく、コンプリートカーキットとして市販されているということも驚きだ。

 今回の車両コンセプトは、ファミリーでのキャップユースや車中泊を想定した室内カスタム仕様。別途オプションになるが、この仕様で提供することも可能とのことだ。
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