WRC:トヨタ、王者オジエを筆頭に3名が2021年開幕戦モンテカルロの総合優勝を目指す

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2021年01月18日 19:01  AUTOSPORT web

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TOYOTA GAZOO Racing WRTが2021年シーズンのWRCに投入するトヨタ・ヤリスWRC
WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは1月21〜24日、フランスおよびモナコで開催される2021年シーズン開幕戦モンテカルロに、セバスチャン・オジエ、エルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラが駆るトヨタ・ヤリスWRCの3台体制で臨み、2017年のシリーズ復帰以来、毎年表彰台を獲得している同地での総合優勝を狙う。

 伝統のラリー・モンテカルロはWRCのなかでもっとも古い歴史を持つラリーで、その初開催は1911年まで遡る。このラリーの最大特徴はターマック(舗装路)でありながら、ドライ、ウエット、アイス、スノーとステージや、ステージ途中の部分的に路面コンディションが異なる点だ。
 
 これらそれぞれに対応したタイヤは用意されているものの、タイヤのタイプ毎に使用制限があるほか、1本のステージの中でコンディションが激変することを多いため、その選択は難しいものとなる。また、今季はタイヤを供給するメーカーがミシュランからピレリに替わっており、これまでのデータが使用できないという難しさもある。

 そんな2021年のモンテカルロは初開催から110周年を迎える記念すべき大会となるが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で残念ながら無観客での開催が決定済み。

 また、ステージの走行距離も大幅に短縮された他、夜間の外出制限が続くことから名物のナイトステージが廃止に。さらに今回はシェイクダウンが行われないため、選手たちはレッキ(事前のコース下見)の後、いきなり最初のステージに臨むことになる。

 ラリーは21日(木)に開幕し、14時過ぎからフランス・ギャップの北側で2本のステージを走行する。翌日は西に向かい、ギャップでのサービスを挟みながら5本のSSを消化。22日(土)はサービスパークの東側で3本のステージを走ったのちにモナコへと移動するスケジュールだ。

 最終日の23(日)はモナコを基点に北西に広がるフレンチアルプスで2本のステージのループが待ち受け、この日4本目の最終ステージはステージ上位ドライバーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。全14本のSSの合計距離は257.64km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1392.88kmだ。

■ドライバーがヤリスWRCに慣れ「昨年よりもいい状態」とラトバラ代表

「今年のラリー・モンテカルロに向けての準備作業は、新たな役割を担う私にとって、これまでとはまったく違う感覚だ。ワークショップでクルマを前にした時、それをどう運転するかではなく、開幕戦に向けてチーム全員の準備が整っているかを確かめる作業だからね」と語るのは、2021年からTOYOTA GAZOO Racing WRTの指揮をとるヤリ-マティ・ラトバラ新代表。

「チームはとても良い雰囲気だ。昨年の今頃はドライバー全員が初めてヤリスWRCでラリーに臨むことになったが、それでもセブ(セバスチャン・オジエ)とエルフィン(・エバンス)が優勝争いに加わった。今年、彼らはクルマにかなり慣れているので、昨年よりもいい状態にあると思う」

「知ってのとおり、モンテカルロはおそらく1年でもっとも難しいラリーだ。つねにサプライズがあり、天候が戦いを大きく左右することもある。しかし、我々は充分な準備ができていると感じている」

 事前のテストでは、あらゆるタイヤを試すことができたとラトバラは説明した。

「タイヤサプライヤーが変わるのは大きな変化だ。だから、モンテカルロに向けた今回のテストでは、新しいピレリタイヤに慣れることと、クルマのセットアップを正しく行うことに重点を置いた」

「テストを実施したエリアはとても雪が多かったが、さまざまなコンディションであらゆるタイヤのオプションを試すことができたので、ラリーに向けて貴重な情報を得ることができたと考えている」

 2014年から19年まで、モンテカルロ6連覇という偉業を達成したオジエは、「僕が1番勝ちたいラリーがモンテカルロであることは、誰もが知っていると思う」とコメント。

「毎年、ラリーの現場でファンの皆の大きなサポートを受けてきた。今年はその姿が道端になかったとしても、テレビの前で応援してくれると信じているし、皆を喜ばせたいと思っている」

 2020年はドライバーズタイトルを目前で逃す形でシーズンを終えたエバンスは、「チーム加入初年度だった2020年は、とても大きな手応えを感じた1年」だったとふり返りつつ、「未知なる部分が少し残っていたのも事実だ」と付け加えた。

「それから12ヶ月が経過した今、自分を取り巻く環境にも慣れてきたので、よりリラックスして1年をスタートすることができる」

 成長著しい若手のロバンペラは「(昨年は)あまりにもシーズンが短く、このクルマで多くの距離を走ることができなかった。だから、今年はより長い距離を走り、フィーリングがさらに良くなっていくことを期待している」と語った。

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