鈴木翔太は阪神で再生なるか。8年前に見た驚きのピッチング

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2021年01月20日 11:42  webスポルティーバ

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 中日の2013年のドラフト1位投手、鈴木翔太が今季から阪神でプレーすることになった。入団時の背番号が「18」だったことからもわかるように、「将来のエース候補」として大きな期待を背負っていた。しかし故障が続き、2017年にようやく一軍で5勝を挙げたが、その翌年に右腕の血行障害で手術。何度も「これまでか......」と思ったが、昨シーズン終了後に戦力外通告を受けた。

 ただ、鈴木は万全の体でプロの強打者と勝負して敗れたわけじゃない。それだけに「このままでは終われない」という思いはあったはずだ。だから育成契約とはいえ、まだ勝負できるチャンスがあるだけでもよかったなと思う。




 鈴木の球を受けたことはないが、彼のピッチングは高校時代に何度も見ている。しかも、初めて見た時に鮮烈な印象を受けた。

 8年前の5月、ある雑誌の取材で当時、三重中京大4年だった則本昂大(楽天)の球を受けるため三重に行った。思いのほか取材が早く終わり、どうしようかなと思っていたら、同行していたカメラマンが「静岡に則本みたいなピッチャーがいるんですけど、行ってみませんか」と提案してくれた。

 彼は静岡の高校野球に精通しており、膨大な数の選手を知り尽くしている。そんな彼が推薦する選手なのだから、きっとすばらしい投手なんだろうという予感はあった。しかも学校が「聖隷クリストファー」とあまり聞きなれない名前だったので、ますます興味が沸いた。

 学校に到着し、鈴木のピッチングを見て驚愕した。「則本が投げていた真っすぐと同じじゃないか......」。とにかくボールの勢い、キレは高校生のレベルをはるかに凌駕していた。

 室内のブルペンだから速く見えたこともあるが、それを差し引いても一級品のボールだった。球持ちがよく、打者寄りのポイントでボールを放している。おそらく打者の体感スピードは、実際の表示球速よりも5キロから10キロは速いはずだ。

 投球フォームに変なクセもなく、とにかく柔らかい。そこから強烈な腕の振りでボールを投げ込むから、ストレートはもちろん、フォークもいい落ち方をする。間違いなく全国トップクラスの投手だった。

 最後の夏は、それなりに注目されていたが、意外な伏兵に足元をすくわれ準々決勝で敗退。全国的にはほとんど無名のまま秋のドラフトを迎えることになった。

 ドラフトの少し前、また鈴木のもとを訪ねた。全身をしなやかに躍動させながら投げ込むストレートは、以前見たときと同じぐらいの勢いがあった。

「まだ体が細いんで、お餅をたくさん食べて、(体を)大きくしようと思っています」

 以前会った時よりもハキハキ話せるようになっていて、ずいぶんと大人になったなぁと感じた。心身とも成長しており、「この先、どんなすごい投手になるのか」という期待感しかなかった。

◆プロ野球もったいない選手たち2021>>

 監督室にお邪魔すると、広島のスカウトの方がおられ、こんな話を聞かせてくれた。

「昨日の会議で1位の候補に入りました。ウチのオーナーが翔太くんの大ファンになりまして......」

 松田元オーナーが、スカウト会議で見た鈴木の映像にひと目惚れしたというのだ。長身のスリム体型で、オーソドックスな右のオーバーハンドの本格派......伝え聞く「オーナー好み」の投手にピタリとはまる。

 中日、広島のほかにも、鈴木を高く評価している球団はいくつかあった。プロがこぞって高く評価した選手だ。凡才なわけがない。ただ、これまでは幾度となくケガに見舞われ、持っている才能を発揮できずにいた。

 とはいえ、8年目の選手に育成契約なのだから、阪神だって「働いてくれたら儲けもの」くらいの気持ちだろう。ただ、こういう時にアッと驚くような仕事をやってのけた選手を何度も見てきた。

 昨年10月、ファームの試合で投げている鈴木を見た。1イニングのリリーフだったが、140キロ代後半のストレートをコンスタントにマークし、ファームとはいえ打者を圧倒していた。このストレートを継続して投げることができれば──再び支配下を勝ち取り、一軍のマウンドに戻ってこられるはずだ。

このニュースに関するつぶやき

  • 短期間だけ好投している時がありましたからね。トレードして活躍を期待しましょう。
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  • まず支配下になろう。力はあるんだ。頑張れp(^-^)q
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