水野美紀 バー経営から出版社立ち上げ、世界一周後に宿泊施設、エコビレッジを作り再び世界へ…“自由人”高橋歩とその仲間に学ぶ

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2021年01月21日 11:35  AERA dot.

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写真水野美紀さん
水野美紀さん
 42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から3年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、コロナ禍で参加したあるオンラインイベントで感じた、人生の「役割」と「居場所」についてお届けします。

【昔は唐橋さんのお出かけの誘いに乗ってくれていた水野さんだが…】

*  *  *
 高橋歩という人がいる。自由人。作家。実業家。彼の活動は多岐に渡るので、一つの肩書きでは括れない。

 ざっくり言うと、大学の時に映画に憧れてバーテンダーを志し、大学中退して仲間数人とバイトして資金集めてバーをオープンさせ、2年で4店舗にするも、今度は「自伝を出したい」と思い立つとバーの経営権を全て譲って、自伝を出すべく出版社をめぐるも若干23歳の若者の自伝の企画を受け入れる出版社など見つからないので、

「んじゃ自分で出版社作ろう!」

 と思い立ったら、速攻で仲間と出版社を立ち上げてたくさんの本を出版(ちなみに私は本屋に並ぶ彼の著書を購入し、彼の存在を知る)。

 出版社は軌道に乗るも、26歳で結婚するやいなや今度は、「世界一周の旅に出る」と妻と2人で2年間放浪の旅に。

 帰国して沖縄に住むと「ビーチロックハウス」という宿泊施設を作る(ちなみに私はここに遊びに行って彼とはじめまして)。

 その後、自給自足のエコビレッジを作ると、沖縄北部にビーチロックビレッジというネイチャービレッジを作る。

 その傍ら「世界中に基地を作る!」と、資金集めから初めて、東京各地、ニューヨークにお店を出すと、「家族で世界一周する!」と、今度は2人の子供を連れて家族で出発。

 えっとー、ざっくり言ってもまだまだ続くので一旦ストップします!

 とにかく、「やる!」と決めたら実現し、実現したものに全く縛られない。ものすごい人生を歩んでいる、まさに「自由人」な人なのである。

 私は沖縄で彼と知り合い、彼の周りの仲間たちともたまに集まって飲んだりしていた。

 面白い人の周りには面白い人が集まるもんで、彼を囲む飲み会は、みんなで「あんなこといいな」「こんなことしよう」「今こんなプロジェクト進めてる」と、何と言うか、遠足前夜のような楽しみがあった。

 彼らのすごいところは「やりたい!」と大きな夢を掲げたら、「じゃ、まず何からはじめたらいいか」と現実的に計画を練って、一歩一歩実現に向けて着実に進んでいくところ。

 ジョン・レノンのような「World Peace」の精神を根底に持つ彼は、インドに学校を作ったり、ボランティア活動にも積極的で、東日本大震災の時には直後に電話がかかってきて、

「暇してる? 行くべ!」

 とまるで近所のコンビニ行くべ、と誘うような軽やかさでボランティアに誘われ、2週間後には仲間8人程で石巻に行き、専修大学のグラウンドにテントを張って、先に活動に乗り込んでいたピースボートの団体の人たちに混じって老人ホームのゴミや泥の運び出し、海苔工場の瓦礫撤去、炊き出しなどの活動を手伝わせてもらったのである。

 この話は長くなるのでまた改めて。

 いやいやちょっと、高橋歩という人の人となりをざっくり説明するだけでもう文字数が終わりそうなんだけど、で、何が言いたかったのかと言うと、先日、現在ハワイ島に住む彼と、久しぶりにオンラインでのトークイベントをやりまして、相変わらず面白くて、そこに集まった人たちも面白くて、話を聞くとみんなすごい人生を生きていて、「生き方」について考えさせられたので、そのことについて書きたかったのである。

 モロッコに移住して、子育てしながら砂漠にエコファームを作る活動をしている女の子。

 24歳で全盲になり、音を頼りに写真を撮るカメラマン。

 小さい子供3人連れて、家族で世界旅行。独立して旅行会社を設立した女の子。

 限られた時間の中で、集まった全員の話を聞くことは叶わなかったけれど、力強く生きている人ばかり。

 私はふと、こうして出会った一人一人のストーリーをじっくり聞かせてもらって、物語を作りたいという衝動にかられた。

 今私は、人の人生の物語にすごく興味があるんだなと自覚した。

 高校生の女の子が「自分の役割って何だと思いますか?」と私に質問した。

 私は、家族にとって、子供にとっての「母親」という役割ははっきりあって、だけど社会で他人と関わる中での自分の役割なんて、「わからないなあ」としか答えられなかった。

 机の前で考えるんじゃなく、「動きながら考えろよー」と歩くんが言った。

 確かに。「役割」って、自分で決めるものというより、他者との関わりの中で位置付けられるものだよなあ、と思った。

 一つじゃないし、変化していくものでもある。行動すればするほど役割って増えていくよな。

 義務感ではなく、自分の大好きなことに触れていく中で、いつの間にか自分の居場所ができて、役割ができている。そんな経験をいっぱいその子にはして欲しいな、と思った。

 私は、母として役者として、この先どんな生き方をしようか。コロナ禍で大きく変化する世の中で何ができるかな。

 パソコンの画面の向こうに、たくさんの繋がりと可能性を感じたひとときだった。

■水野美紀(みずのみき)
俳優。ドラマ・映画・舞台で活躍中。<出演情報>テレビ朝日系ドラマ「にじいろカルテ」が1月21日(木)スタート。レギュラー番組は、フジテレビ系バラエティ「突然ですが占ってもいいですか?」毎週水曜22:00〜、讀賣テレビ「水野美紀の映画生活(シネマライフ)」毎週金曜22:54〜<関西ローカル> http://www.ytv.co.jp/cinemalife/

【書籍『水野美紀の子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます。』好評発売中】

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