ダイムラー会長、メルセデスF1の成功を活用し収益性向上を目指す「投資利益率は今後いっそう良くなる」

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2021年01月21日 20:11  AUTOSPORT web

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2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGPでメルセデスがタイトル7連覇を確定
F1で一財産を作るには、大きな財産を元手に始めることだとよく言われている。しかしダイムラーはその格言を変えて、チャンピオンチームのメルセデスF1の収益性を高いものにしようとしている。

 最近では、メルセデスF1は1シーズンあたり4億ドル(約413億6700万円)以上を費やし、7年連続でコストラクターズタイトルを獲得して記録を破ったと報じられている。その支出はブランドの宣伝における価値や、社内の技術的専門知識の開発によって相殺されている。

 しかし2021年はF1に予算制限が導入される。それによりチームの運営予算は1億4500万ドル(約150億円)以下に制限され、今後2シーズンにわたってさらに削減される予定だ。コストが下がることから、ダイムラーはF1チームの成功を活用して、利益の高い世界的なフランチャイズを確立することを望んでいる。

「投資利益率はすでに良好だが、今後いっそう良くなるだろう」とダイムラー会長のオラ・ケレニウスは今週、ドイツの『Motorsport-Total.com』に語った。

「チームを、収益を上げるビジネスに変えることは可能だ。たとえば、サッカーやアメリカンフットボールなどの実際のスポーツフランチャイズと比べることができる」

 ダイムラーは最近、チームの株式を化学大手のイネオスに売却した。現在チームの所有権は、2社とメルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフの三者に分割されている。ケレニウスは新体制について、「非常に調和のとれた関係」であると表現しているが、この数カ月は正反対のうわさが流れている。

「トトと私は、どのように継続していきたいか議論した。我々の成功したパートナー関係に誰かを追加し、強力な第三者を迎えるかということだが、我々はそれが大いに理にかなっていると判断した」とケレニウスは説明した。

「我々はイネオスを知っており、商業面ではすでに彼らと協業していた。彼らは技術とスポーツ分野双方における専門知識をもたらしてくれる。我々が将来に向けて開発しているいくつかの技術について、究極のテストベンチになる」

「我々がこのような取引を行う場合、もちろん関係者全員にとって確実にウイン-ウインの状況になるようにしている」

 ウォルフは最近、役員としてチームの仕事を継続する3年契約に合意し、当面の間メルセデスに残ることを認めた。だが、ルイス・ハミルトンついては今も発表がない。ハミルトンは昨年7回目のチャンピオンに輝き、タイトル獲得数でミハエル・シューマッハーの持つ最多記録に並んだ。

 ケレニウスは新契約について、ハミルトンが出した条件を却下したという根強いうわさがある。ケレニウスは、2020年F1第16戦サクヒールGPにおいてハミルトンの代役として大きな成果を上げたジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)を昇格させたいのだという。

 元F1チーム代表のエディ・ジョーダンは、ハミルトンは注意しなければF1から見捨てられることもあり得ると語っている。

「もし私がダイムラーのボスだったら、彼にドアを指し示して言うだろう」とジョーダンは先週語った。「我々の条件でレースに出るか、出て行くかのどちらかだとね」

 しかしウォルフは、2021年にハミルトンを残留させることを固く支持していると見られており、イネオスが契約を締結するのに必要な資金を出して状況を変えてくれることを期待しているという。

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