エクストリームE:ニューウェイ参画のヴェローチェ、男性ドライバーにステファン・サラザン起用を発表

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2021年01月25日 14:01  AUTOSPORT web

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ステファン・サラザンの起用をアナウンスしたVeloce Racing(ヴェローチェ・レーシング)
年明けのプランよりさらに1カ月遅れて、2021年4月の初年度開幕を予定する新たな電動オフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』に参戦する9チームのうち、Veloce Racing(ヴェローチェ・レーシング)が男性ドライバーを発表。F1でのテストドライバー経験を筆頭に、ル・マン24時間やWRC世界ラリー選手権での活躍など、マルチなタレントを有するステファン・サラザンの起用をアナウンスした。

 F1界を代表する天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイや、ABBフォーミュラE選手権連覇を達成したジャン-エリック・ベルニュなどがチーム運営に参画するヴェローチェは、初年度シーズンに参戦する女性ドライバーとして、Wシリーズ初代王者ジェイミー・チャドウィックとの契約を結んでいた。

 そのパートナーとして白羽の矢を立てたのは、WRCではスバル、WEC世界耐久選手権ではトヨタとも深い関係を築いてきたサラザンで、これによりヴェローチェ・レーシングのドライバーラインアップはシングルシーター経験者で構成されることが決まった。

 そのサラザンはフランスの新星として1998年当時のプロストGPと契約し、テスト兼サードドライバーを務めてF1界に進出し、翌年にミナルディからGPデビュー。その後レースシートには恵まれなかったものの、ライアン・ブリスコーらとともにパナソニック・トヨタ・レーシングでの開発にも携わった。

 さらにスポーツカー耐久シーンで活躍を演じ、ル・マン24時間では6度のポディウムを獲得。当時のLe Mans Series(ル・マン・シリーズ/LMS)ではプジョー908HDi FAPで2度のシリーズチャンピオンに輝くなど、トップドライバーとしての地位を確立した。

 その一方で、2004年から本格的にラリーストとしてのキャリアも積み重ね、2005年には当時のSWRT(Subaru World Rally Team/スバル・ワールド・ラリーチーム)に加入。ペター・ソルベルグやクリス・アトキンソンらとともにインプレッサWRC2005を走らせ、ドイツとフランスではペターに次ぐポジションでフィニッシュしてみせた。

 その後も毎年のように国際ラリーへの挑戦を続け、2014年にはERCヨーロッパ・ラリー選手権の最終戦として開催されたツール・ド・コルスで、フォード・フィエスタのRRC(リージョナルラリーカー)仕様をドライブし、キャリア初勝利を飾っている。

 その2010年代にはサーキット・カテゴリーでも世界選手権レベルで活動し、WECではトヨタのレギュラーとしてTS030から3世代にわたってシリーズのマシンをドライブし、一線級のパフォーマンスへと引き上げる原動力に。

 また、フォーミュラEではヴェンチュリ、テチーター、アンドレッティなどから参戦し、電動モータースポーツでの経験も積み重ねてきた。

■「かつてない挑戦になるだろう」とサラザン
「エクストリームEの記念すべき最初のシーズンに参戦するため、こうしてヴェローチェ・レーシングと契約合意に至ったことを心からうれしく思う。非常に魅力的な新シリーズで、すでに国際的な注目を集めている。ドライバーのコンセプトも、競技の面と個人の面の双方でとてもエキサイティングでやる気を起こさせるし、かつてない挑戦になるだろうね」と、意気込みを語った45歳のサラザン。

 シリーズに採用される電動SUV『ODYSSEY 21(オデッセイ21)』プロトタイプは、フォーミュラE選手権でも技術開発を担当したスパーク・レーシング・テクノロジーズ(SRT)と、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジアリング(WAE)が設計・製造を担い、リヤに搭載されたふたつのモーターから最大出力400kW(約544PS)を発生。最大勾配130%の路面においても1650kgの車体を約4.5秒で62mph(約100km/h)まで加速させることが可能な性能を有する。

「ご存知のとおり、僕はこれまでのキャリアでありとあらゆる種類のマシンをドライブしてきたけど、このオデッセイ21は本当に特別な1台で、信じられないほどのアクションを生み出すだろうね」と続けたサラザン。

「僕がチームと一緒にテストを実施した際、ヴェローチェ・レーシングの面々と“クリック”するのにそれほど時間は掛からなかったよ。彼らも僕のように、このスポーツのさまざまな分野の経験を持ち寄っていて、それがこのエクストリームEでも利点になるだろう。チームと一緒にレースを戦うのが待ちきれないね」

 当初計画では2021年1月の開幕が予定されていたシリーズは、年明けを前に3月に延期されることが決まっていたが、直近にもさらなるスケジュール変更を決断。初年度を構成する5つのイベントカレンダーは不変ながら、開幕戦サウジアラビアは4月3〜4日へと順延し、以降は5月のセネガル、8月のグリーンランド、10月にブラジル、12月のパタゴニアと進んでいくことになる。

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