写真 リモートで『SCHOOL OF LOCK!』の放送を行う(左から)さかた校長、こもり教頭 (C)TOKYO FM |
年明け早々、2度目の緊急事態宣言が発令され、いつも違った生活を送っている中、受験・卒業といったシーズンを控えた学生たちも不安を抱えている。“ラジオの中のもう一つの学校”をコンセプトとした10代向けワイド番組『SCHOOL OF LOCK!』(以下『SOL』 TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネットで放送中 月〜金 後10:00)にも、そんな生徒たちの声が届いている。パーソナリティーを務める、さかた校長(サンシャインの坂田光)・こもり教頭(GENERATIONS from EXILE TRIBEの小森隼)は、こういった声に寄り添い、万全の対策をしながら『SOL』だからこそできる放送を届けており「テレビや舞台などのあり方が変わってくる中、ラジオは比較的大きな変化がなく届けられたということを、身をもって体験して、改めて大事な場所であるなと感じました」とかみしめるように語る。
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ORICON NEWSでは、14日にリモートで2人への取材を敢行したが、2日後の16日に小森が新型コロナウイルスに感染していることが、所属事務所から発表された。25日には、自身のツイッターを通じて再検査の結果が陰性であったことが伝えられ、同日から『SOL』にリモート出演も果たした。こうした経緯を踏まえて、はじめに14日のインタビューでの2人の声を伝え、その後に、復帰を果たした後の小森のコメントを掲載したい。
■生徒たちの不安を汲み取り「できるだけ寄り添えたら」 オンライン学校訪問に手応え
2度目の緊急事態宣言を受け、さかた校長は生徒(リスナー)から寄せられる声を紹介する。「出た地域と出てない地域があって、休校になったり、部活がなくなったり、前回よりもバラつきが出たなと感じています。すごいスピードで環境と状況が変わっていて、生徒たちもめちゃくちゃ戸惑っています。僕らもどうにかできるわけではないのですが、日々の状況の変化に不安がっている生徒たちにできるだけ寄り添えたらなと考えています」。こもり教頭も「去年はコロナウイルスが何なのかわからず、生活様式が急に変わりましたが、その経験を経て、ウィズコロナの中で、生活様式がガラッと変わった中での緊急事態宣言だったので、そういった意味では、経験が生かせる部分もあるのではないかな」と明かす。
パーソナリティーとしても“伝え方”に変化が訪れたようで、さかた校長は番組としての進化を語りながら、気持ちを引き締める。「最初の宣言時は、僕はラジオ自体に慣れていなくて、リモートという新しいものになれることにも必死で、その中で生徒たちにも寄り添えられるようにと思ったんですけど。10ヶ月くらい経って、まだまだ完璧ではないですが、生徒たちの思いとか、感情の一喜一憂をともにできてきたのかなと。いかんせん、状況がコロコロ変わるので。日々、変化にちゃんと真摯に対応していかないなと考えています。コロナのせいで、家族の仕事の問題、コミュニケーションのあり方も変わる中で、受験も本当に開催されるのかとか、不安がひとつだけではないなと感じています」。
全国各地で成人式が行われた今月11日には、成人を迎えたリスナーと電話をつないで、リアルな声を伝えた。「緊急事態宣言という世の中の流れもある中で、ラジオ番組として、成人を迎えた方の直接的な声を聞かせてもらえるっていうのは、番組としても意味がありますし、それが伝わることで、情報を伝えるというラジオの役割を果たせたのかな」(こもり教頭)。昨年8月には、鳥取県と共同で「SCHOOL OF LOCK! 地域みらい留学プロジェクト オンライン学校訪問 鳥取編」をスタートし、オンラインでの“学校訪問”も行ったが、こうしたリスナーとの結びつきはこれからも続けていきたいと、さかた校長が代表して思いを口にした。
「欲を言えば、『SOL』のイベントで直接話したいんですけど、いつも聞いてくれているラジオネームの子の顔を見られるのは、人となりがすごくわかるので、ラジオで声と声でつながってはいますけど、オンラインであっても顔を見られる喜びは何にも代えがたいところはあります。実際に地方に行ったり、直接イベントを行うのは大変ですが、オンラインだと、その辺りの問題がクリアになるので、これからもできたらいいなと思っています」
■さかた校長は番組10ヶ月で“ハート面”で進化? コロナ療養を経て、こもり教頭が伝えたいこと
番組が始まって、およそ10ヶ月が経過して、本番はもちろん、前後の会話などで2人の関係も深まってきた。さかた校長は「はじめは、無理やり型にはまってしゃべっている感じがあったんですけど、10ヶ月一緒に過ごしてきて、心から生徒たちが喜んでいたら、僕も一緒にうれしくなりますし、いろんな感情を一緒に本気で思えるようにならせてもらいましたね。技術はまだまだつけていきたいですけど、ハートの部分だけはちょっとは進めたのかな」と謙そんしながらも、自身の成長を語る。
一方のこもり教頭も声を弾ませる。「僕は速読がレベルアップしました。生放送中の書き込み、生徒の反応をリアルタイムで読むことが多いのですが、放送の時間とにらめっこしながら、秒単位で読まないといけないという世界なので、パッと目にした時の読解力みたいなのは、すごく上達した気がします。生徒ありきの番組なので、そこのバランス感、全体の放送として、その子が思っていることを、僕たちがどうやって届けられるのかというのは、まだまだ自分も勉強していかないといけないですし、技術だけうまくなってもというのはありますけど、よりみなさんが聞きやすいと思っていただけるように勉強していきたい」。
印象に残っているゲストについて、さかた校長は峯田和伸の名前を挙げた。「僕はもう、峯田さんに人生を救われたところがあったので、そんなスーパーヒーローがゲストに来て、まさかお会いできるとはと思いました。まさか、新曲の感想を“峯田”に直接言う日が来たのかと。また、夢がかなった瞬間を教頭、職員のみなさん、生徒も全員マジでよかったなみたいに言ってもらえたのがうれしかったです」。こもり教頭は「僕は、やっぱりGENERATIONSに来てもらったことですね」と切り出した。
「自分がこうして帯の生放送でパーソナリティーをやらせてもらえているのも、メンバーが『頑張ってこい』と背中を押してくれからこそなんです。そんな僕のことを温かく背中を押してくれたメンバーが、番組にゲストで来てくれるって、こんなうれしいことはない。こんな世界線に自分が来られたんだっていうところと、小森隼の挑戦というところでの思い出深いものがあります。10年前の自分に伝えてあげたいな」
4月には2年目を迎えるが、さかた校長が番組そして個人の目標について発表した。「『SOL』に関しては、もっともっと生徒の気持ちに寄り添えたらなと思いますし、いつでも安心して来てもらえる帰ってこられる場所でありたいなと思います。個人としては、芸人なんで、賞レースなどで結果を出して、校長もちゃんとやっているんだなと思ってもらえるように頑張りたいですね。『キングオブコント』では準決勝までは行くんですけど、決勝の10組にいけないので、どうにか10組になって、テレビでネタしているところを見せたいですね。キングオブコント優勝します!」。
一方のこもり教頭も思いを新たにする。「かつて『SOL』の校長や教頭が担当されている番組(『ONE MORNING FRIDAY』『Skyrocket Company』『MINTIA Refresh Music』)に呼んでもらえるようなスキルフルなパーソナリティーになりたいなと思います。先代のみなさんがどんどん活躍されている場にごあいさつに行けるように勉強していきたいです。個人としては、2020年は予想だにしない1年で、今年も緊急事態宣言が出ていますが、どれだけ大変な世の中になっても、エンターテインメントは消えなかったということは、自分にとっても自信になりましたので、改めて自分の声などを通して、ポジティブな気持ちを届けられるようにしたいです」。
このインタビューから2日後にコロナ陽性が判明した小森だが、25日に自身のツイッターで「新型コロナウイルスの陽性反応が出てから保健所の指示のもと自宅療養期間を終え 再検査を行い陰性の結果が出た事を皆様にご報告させていただきます」とコメント。今回の自宅療養を振り返りながら、生徒たちへの感謝、今回の自宅療養を通して感じたことを自らの言葉で伝える。
【こもり教頭】今回、定期検査の結果、陽性反応が出て保健所の指示のもと自宅療養をしていた期間『SCHOOL OF LOCK!』をお休みさせていたのですが、その期間毎日radikoで聴いていました。僕が休んだ事でとーやま前校長がサポートで駆け付けてくれたり、毎日僕の名前を出してくれるさかた校長がいて、GENERATIONSの曲やSEを工夫して僕にエールを届けてくれる職員スタッフの方がいて、そして何よりも毎日学校掲示板に僕に応援や心配の言葉を書き込んでくれた生徒のみんながいて、自宅で、1人でいると孤独やさみしさに心がつらくなった時もあったのですが『SCHOOL OF LOCK!』が毎日同じ時間に流れてくることで助けられました。
僕は1人ではなくて、こんなにもたくさんの人たちと関わって生きていたんだと実感しました。改めて本当に応援や心配の言葉を届けてくれた生徒の全員にこの場を借りてもう一度感謝の気持ちを届けたいです! ありがとうございました! 今まで生徒のコロナ禍の悩みを聞いたときに、正直自分の中で答えが定まっていなかったのですが、今回自分がコロナの陽性者になり自宅療養を経験し感じたことを、これからは一緒に共有できたらと思います。コロナ禍で一人ひとりが別々の不安を抱えてる中、自分の経験が少しでも生徒の気持ちに寄り添えられるといいなと思います。そして僕が感じたことを話した時に10代の生徒がどう思うのか。今回の経験を踏まえて、悩みを抱えている生徒と向き合いたいと感じました。ここからまた生徒の君と一緒に新しい時代に向けて歩み出していきたいと思います!