土屋太鳳、主演3度断る 俳優の仕事で特に大事だと思うことは?

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2021年01月28日 11:35  AERA dot.

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写真映画「哀愁しんでれら」は、2月5日から新宿バルト9ほか全国公開 (c)2021「哀愁しんでれら」製作委員会
映画「哀愁しんでれら」は、2月5日から新宿バルト9ほか全国公開 (c)2021「哀愁しんでれら」製作委員会
 女優の土屋太鳳さんは、主演のオファーを3度断ったという。

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 2016年に開催された次世代のクリエーター発掘を目的としたコンペティションでグランプリを受賞した「哀愁しんでれら」。主人公の小春は、真面目に働き「幸せになりたい」というごく普通の願いを胸に、優しく裕福な開業医・泉澤大悟と結婚し、彼の連れ子・ヒカリの母になるが、生真面目ゆえに「いい母になろう」「いい妻であろう」というプレッシャーに追い詰められ、ついには社会を震撼させる凶悪事件を起こすというショッキングなストーリーだ。

 土屋さんはその脚本を読んで、「覚悟できないまま取り組む物語ではない」と感じたが、制作陣も「自分自身を見失うような役に身を投じる土屋さんがどうしても見たい」と粘った。「やります」と答えたのは、4回目のオファーのとき。最初の打診から半年が過ぎていた。

「このお仕事をしていて特に大事だなって思うのは、自分の気持ちをちゃんと口に出して伝えられるかどうか、です。日本では、あまり思ったことを口に出さないほうが、人間関係が円滑に回ることがあるかもしれないけれど、そうやって気持ちを隠したり、感情を殺したりしていると、気持ちの中に澱のようなものがたまって、いきなり爆発してしまうことがある。私が演じた小春も、お金持ちと結婚したことに引け目を感じていたせいか、夫や娘に対する疑念が積もっていって、孤独を抱えてしまうんです」

「主演のオファーを固辞した」などと聞くと、頑固な人のように感じられるかもしれないが、彼女はむしろとても柔軟だ。テレビバラエティーなどの印象そのままに、人の話をよく聞き、よく笑い、終始イノセントな雰囲気を漂わせる。

「人に気持ちを伝えて嫌われてしまったら? それはしょうがないです。お芝居のときはとくに、一瞬一瞬が真剣勝負なので、わだかまりを持ったままでは、前に進めないことが多い。だから、好かれるとか嫌われるとかは気にせずに、自分がベストだと思うことをやるだけです」

 その受け答えは、優等生的というよりは健康的。身体能力の高さでも知られる彼女だが、体を鍛える中で、心を整える方法も体得してきたのかもしれない。役者は、自分と真逆にあるキャラクターのほうが演じやすいともいうが、その整った心があってこそ、小春の狂気を鮮やかに演じられたということだろう。

「ディズニーの『シンデレラ』は大好きな物語ですが、大人になって、あらためてアニメを観ると、シンデレラのお姉さんがガラスの靴に足を合わせるために足を切ってしまうエピソードなんかが妙に心に引っかかってきて……。幸せを手に入れるために大きな犠牲を払う残酷なエピソードもあって、単純じゃないからこそ、世界中の人がこの物語に惹かれ続けているのかもと思いました」

 とても印象的なシーンがある。小春が大悟のプロポーズを受け入れ、海岸で、親子3人でダンスを踊る場面。幸せなはずのシーンなのに、空の色があまりにも不気味で、不穏で。これから何かよからぬことが起こる──そんな胸騒ぎがした。

「あれは、ワンカットで撮ったんですが、夕方の、昼と夜の境目の限られた時間で、ノーミスで本番一発OKだったんです!“限られた時間”や“ワンカット”など、制限があると、面白い体験ができますよね。レベルは違いますけど、私の家は、高校卒業後も20歳まで門限が12時で、それまでに何があっても家に着いていないといけなかったんです。遊びはもちろん、仕事のときも、連絡もせずに1分でも遅刻したらすごく叱られました。ドラマの打ち上げなど、ゆっくりできないのは残念でしたけど、限られた時間だからこそ、『絶対あの人にお礼を言おう!』とか、ダラダラしないで過ごすことができた。シンデレラだって、魔法が切れるのが朝の5時だったら、その後捜してもらえなかったかもしれないですよね? 何か制約があったほうが、日常ってドラマチックになるんです」

(菊地陽子 構成/長沢明)

土屋太鳳(つちや・たお) 1995年生まれ。東京都出身。2005年芸能界デビュー。08年、黒沢清監督「トウキョウソナタ」で映画初出演。15年、NHK連続テレビ小説「まれ」で主演を務める。映画、ドラマ、舞台のみならず、ダンサーとしても様々なアーティストとコラボ経験を持つ。現在Netflix「今際の国のアリス」が配信中。公開待機作に、「ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜」など。

>>【後編/土屋太鳳 父は苦労人、母は妖精…家族5人で朝までじっくり話したこと】へ続く

※週刊朝日  2021年2月5日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • 選べるということは重要だね、この人に限らず。余談ですが、未だにこの意図の名前、読めない(笑)。
    • イイネ!1
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  • 真面目な方だからまずは大学卒業に専念して女優活動を本格化して欲しいです。
    • イイネ!97
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