グリッケンハウス、007 LMHのフロント部は「ローラT70からのインスパイア」と明かす。ウイング上のフィンも説明

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2021年02月26日 18:21  AUTOSPORT web

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2月25日にバレルンガで初走行を行なったグリッケンハウス007 LMH
2月25日、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスは、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに今年投入するル・マン・ハイパーカー(LMH)規定の新型レーシングカー『グリッケンハウス007 LMH』を、イタリアのバレルンガ・サーキットでシェイクダウンした。

 ハイパーカークラスでのライバルとなるトヨタGAZOO Racingは昨年10月に新型LMHマシン『GR010ハイブリッド』をシェイクダウンしており(その後2021年1月に正式発表)、グリッケンハウスはこの最大のライバルに遅れること4カ月、開幕まで1カ月と少しというタイミングになって、ようやく走行テストを開始した形だ。

 以前にはレンダリング画像によりいくつかの異なる形状が見られたグリッケンハウスのLMHマシンだが、今回のトラックデビューにより初めて全体の空力プロファイルが露わとなった。

 注目すべき特徴は、リヤウイングのエレメントに生える6つの垂直(バーティカル)フィンだ。チームオーナーのジム・グリッケンハウスはこれについて、マシンの安定性を高めるために設計されたとSportscar365に対して説明した。

 また、特徴的なフロントエンドの形状は、1960年代後半にスポーツカーレースで活躍した『ローラT70』にインスパイアされたものである、と語っている。

「我々は、ゼロからスタートを切ったばかりだ」とグリッケンハウスは言う。

「エアロダイナミクスという点では、(LMHの車両規則により)揚抗比は4:1だ。我々は(ニュルブルクリンク24時間に投入している)003Cのような4:1のマシンを作り上げた」

「では、許可されている空力の最大値を満たしながらも、マシンをより扱いやすいものとするために、どんな変更ができるのか? 我々はルールブックを引っ張り出してきて、ドラッグが少ない状態で横方向の安定性をどのようにしたら得ることができるか、と議論した。多くの人々は、シャークフィンによってそれを行なっている」

「そのアイデアは、マシンのフロント部分を切り離せるのか、ということだった。それこそまさに、ローラがしていたことだ。我々のマシンを見ると、ノーズがローラT70にとても似ていることが分かるだろう。彼らはそれを正しく理解していた」

「そして、どのようにリヤでバランスを取るか? 戦闘機で見られるようなこの種の垂直フィンを設置することは、禁止されていない。戦闘機においては、それらはボルテックス・ジェネレーター(渦を発生させるもの)として機能している」

「しかし、我々はこれらのフィンをロードラッグ下での水平方向の安定に使っている。これによってロードラッグ下でのヨー・コントロールが容易になる、というアイデアだ」

「我々がやりたかったことは、空力の限界のところにいるとき、ドライバーがそれを感じることができるようにする、ということだった」

 グリッケンハウスは、(LMH規則で許される)単一の空力仕様について“ル・マンタイプのアプローチ”を選択した、と付け加えた。これはトヨタと共通するスタンスだが、彼は007 LMHのエアロキットがハイダウンフォース・サーキットにおいても“両方の長所”をもたらしてくれるものと信じているという。

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