「プリキュア」三瓶由布子、キュアドリームは「自分がとらわれていたものを壊してくれた」

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2021年03月08日 09:01  マイナビニュース

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●初代から受け継がれる肉弾戦文化
「プリキュア」シリーズの映画最新作『映画ヒーリングっど・プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』が、2021年3月20日より全国公開される。

映画では、"ゆめペンダント"の力で、心の中に思い描いた夢を映し出すことができる"ゆめアール"体験が大流行中の東京を舞台に、プリキュアの活躍が描かれる。

そして本作では、『Yes!プリキュア5GoGo!』のプリキュアも登場し、『ヒーリングっど・プリキュア』との共演も大きな話題となっている。今回はキュアドリーム/夢原のぞみを演じる三瓶由布子に、久々にドリームを演じた感想と映画の見どころ、シリーズへの思いを聞いた。

――今回、映画の出演が決まった時の率直な感想は?

最初はドッキリじゃないかと思いました(笑)。キャストのあいだでも、「これって本当なの!?」って声が出たくらいです。でもプリキュア20周年に向けた、「プリキュアオールスターズ」ではない新しい形で先輩のプリキュアが関わっていくチャレンジでもあると思うので、成功するといいなって。

――映画を拝見して、想像以上にバトルが激しいなと思ったのですが、これは三瓶さん的には"通常営業"という感じなのでしょうか?

そうですね、「これがプリキュアだ!」といいますか、初代から受け継がれている"肉弾戦文化"です(笑)。もちろん、きれいな技、かわいい技もあります。「ヒーリングっど・プリキュア」では倒すというより浄化するような技がありますし、そういったいろんな技があるのも特徴だと思います。でもやっぱり"拳と拳"で戦うのは「プリキュア」ならではだなと。

今回の監督は中村監督ですが、私たちが活躍する戦闘シーンの一部を『Yes! プリキュア5』や『スマイルプリキュア!』を手がけた大塚隆史さんが絵コンテを担当されたみたいで、すごくかっこいいなと思いました。女の子として戦うのは久しぶりなので少し緊張はありましたが、キュアグレースを演じる悠木碧ちゃんのかわいい声との対比もあって、あまり凛々しくなりすぎないように気を付けたということくらいです。

ちょっとだけ残念だったのは、劇場のお友達に向けて「みんな、ペンダントを振って!」みたいな呼びかけができなかったこと。コロナ禍の影響でみんなで声を出すということができない状況ですからね。でも、声は出せないけれど、みんな心の中で応援したり、入場者プレゼント(中学生以下の子どもに限る)でもらえる“ゆめペンダント”を光らせてくれたらうれしいですね。

――キュアグレースと一緒のシーンが多いですが、二人が一緒だとドリームのかっこよさもより際立ちました。

そこも個性の一つかなと(笑)。凛々しくはなっていいと思うんですけど、男らしくならないように。グレースがたおやかというか、穏やかさの中に品がある感じだったので、力でぶつかりすぎないように気を付けました。

――三瓶さんといえば、『エウレカセブン』レントンや『団地ともお』木下友夫など、魅力的な少年役の印象だったので、ドリーム役を演じられた幅の広さに驚いた記憶があります。

オーディションの時は、まさか自分がドリームをやるとは思っていなかったんです。最初は「オーディションの時にどうやったか覚えてません!!」なんて弱音を吐きそうになるくらい。自分の声が女の子に聞こえるかなとか不安もありました。でも、みんなと一緒にお芝居をすることで、「女の子を演じるというよりドリームを演じるんだ」と考えるようになっていきました。明るく真っすぐなところがドリームらしいイメージなので、みんなと会話していくうちにキャラクターが形になっていった印象です。女の子というところにとらわれすぎずに演じようと意識して、2年間演じていく中で作り上げていったものですね。

――「プリキュア」といえば、「変身」も一つのポイントになっています。変身後では演技で意識されたことはあるのでしょうか?

実は当時、自分自身はあまり意識していなくて、周りの方に言われて変身後の違いに気づいたんです。いま振り返ると、のぞみは何か格闘技をやっていたわけでもなくて、最初はココの夢を守りたいというところから変身して、その思いで戦うような"気持ちで戦う"ところが演技に乗って、違いになっているのかもしれませんね。

●プリキュアはちょっと身近な憧れ

――1年、もしくは2年という長きにわたって放送されるテレビシリーズである「プリキュア」の現場は、ほかの現場との違いはあるのでしょうか?

すごく"子どもたちに向けて"ということを意識している現場だなという印象を受けました。言葉遣いや、キャラクターの個性のバランスも考えられていますよね。

原作がある作品だと、いかに原作をアニメに落とし込んでいくのかということが大事になっていくと思うんです。でも、「プリキュア」はそうした意識が見ている子どもたちのほうに向いている。

アフレコで毎回変身のセリフを録っていたんです。画としては変わらないから、録らなくてもいいじゃんって思われる方もいると思うんですけど、変身にいたるまでの気持ちが違うから毎回収録するというふうに説明していただきました。そんなところにもそうした作品作りの姿勢が表れていたのかもしれません。

――映画の演技で苦労したところはどんなところでしょう。

映画では何者かがのぞみになりすまして電話をかけるシーンがあるんです。普段のぞみは言わないようなセリフだったので、のぞみに聞こえるのかという心配がありました(笑)。テンションが低いのぞみってのぞみらしく聞こえないというのは、10年たっていますが新しい発見でしたね。のぞみはテンションで演じてたんだなって。

――逆に映画で楽しかったところは?

エゴエゴを追いかけるシーンが、いつもの『5』の雰囲気ですごく好きでした。先行して追いかけちゃうのぞみとレモネードがいて、お姉さんたちはちゃんと後ろをフォローしてから追いかけるっていう。このチームワークが『5』だなって。完成したのを見て、より好きになりました。

――今回の作品は「みんなのゆめ」がテーマですが、三瓶さんが「プリキュア」を通じて叶えた夢は何でしょう?

ドリームを演じたことで、女の子の役も演じることができるんだなと自信を持つことができました。ドリームは、自分がとらわれていたものを壊してくれた存在です。その後、いろんな役に出会うきっかけになった作品でもあるので、ターニングポイントだったのかもしれません。あの時は自分が女の子を演じるとは夢にも思っていなかったので(笑)。

それと当時、自分の子どもと一緒に「プリキュア」を見たいなと漠然と思っていたのですが、それが今は一緒に見ることができている。これってシリーズが長く続いているおかげで、それは応援してくれている方たちのおかげなんですよね。

――お子さんはお母さんがプリキュアだということはご存じなんですか?

知らないんですよ。言ったことなくて。そのうち気づいて「そうだったの!?」という反応を楽しみにしています(笑)。いまはちょっとネタとして寝かせてます。普通に毎年おもちゃを買って、いち視聴者として楽しんでいます。

テレビシリーズが放送されていた当時、映画館で劇場版を鑑賞する子どもたちを見た時に、「この子たちの初めて記憶に残る作品、好きで見る最初の作品になるのかもしれないから、真摯に向き合っていかなくちゃいけない」と強く感じた記憶があるんです。それがシリーズとして続いて、いまの子どもたちが普通に楽しんでいる姿を間近で見ると、現場で変わらず「プリキュア」を大切に作ってくださっているんだなということをすごく感じています。

――長きにわたってシリーズが続く「プリキュア」ですが、三瓶さんがつなげていきたい思いは何でしょう。

「プリキュア」は、女の子の憧れなんですけど、でもそれは遠い憧れではなくて、自分もそうなりたいと思える、ちょっと身近な憧れなんですよね。そうした「プリキュアみたいに」が、外見だけではなくて、心もそうあってほしいなという思いが、押しつけではなくて自然に伝わってくれると、作り手としてうれしいです。

そして、一つの作品がこんなに続いてくれていることで、共演したことがない人も「プリキュア」ファミリーみたいにつながっています。こんなにたくさんの出会いをくれたのは、「プリキュア」だからこそ。シリーズを通して繋がっているのが、作っている人たちだけではなくて、見ている人たちともそうであってほしいなと思っています。

(C)2020 映画ヒーリングっど・プリキュア製作委員会

このニュースに関するつぶやき

  • そもそも、なせプリキュア5を出す企画にしたのだろう?特に周年行事でもないし。
    • イイネ!6
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