ブラシで代用した動物園の展示に注目が集まり、その遊び心あふれる光景が「ほっこり可愛く」見えてしまう人まで現れている。動物園のある愛知県豊田市の鞍ケ池公園に展示の経緯などを聞いた。
「ハリネズミのかわりによく似たブラシを展示しています」――寒さに弱いハリネズミの展示が「お休み」であることを知らせる張り紙。その横には、本来そこに居るはずのハリネズミに代わってブラシが鎮座している。あの背中を覆うチクチクとした針を想起させるフォルムではあるものの、ただのブラシを眺めるという状況を想像するとシュールな光景となる。
このユニークな展示をTwitterユーザーの“ぽ”さんが「ブラシ見てきた」と投稿したところ、状況の面白さから瞬く間に拡散。「凄いサービス精神」「なんならもうそれ目的で見に行きたい笑」「ここの飼育員さんは信頼できる(確信)」といったコメントのほか、「なんかほっこり可愛い」という声も寄せられ、大きな反響となっている。
飼育担当者によると、ブラシを置くキッカケは「展示がお休みになるので寂しい」と思ったことから。馬のブラッシング用で、特に茶色の色合いがハリネズミ似。粗めで長い毛も相まって「チクチクしている雰囲気」が出ているという。飼育担当者2人で考えて、お知らせの文章なども作成し、昨年の12月21日から展示している。張り紙では「あたたかくなったら また見にきてください」とお願いしているが、ハリネズミが観られる時期については「4月以降、暖かくなってきた頃」と説明した。
鞍ケ池公園では、希少動物の「ミナミカナダヅル」をはじめ、約40種250点の動物が飼育されている。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、動物ふれあい広場など一部施設が休止中。利用時には「『3密』の回避等『新しい生活様式』の実践にご協力ください」としている。
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