W杯優勝は近づいた?クラマー、オフト、ジーコの言葉から考える世界との距離

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2021年04月11日 07:01  テレビドガッチ

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テレビドガッチ

日本サッカー協会の田嶋幸三会長と元サッカーマガジン編集長の大住良之が、サッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20〜)にゲスト出演。2050年までに日本サッカー協会(JFA)が掲げる目標「ワールドカップ優勝」「フットボールファミリー1000万人」について語り合った。

かつて日本のワールドカップ優勝は夢物語ですらなかった。しかし、デットマール・クラマーが1960年に4年後の東京オリンピックを控えた日本代表のコーチとして、ドイツから来日。後に“日本サッカーの父”と呼ばれる男が日本サッカー界の礎を築いていく。クラマーの教え子で、日本代表歴代最多の通算75ゴールの記録を持つ釜本邦茂は、クラマーから南米や欧州の選手とのプレースピードの違いについて教えられ、「的確に、身体が覚えるまで繰り返しやるということを我々に伝えた」と明かした。そして1968年のメキシコオリンピックで、日本代表は銅メダルを獲得し、釜本は得点王に輝いた。田嶋は「当時のアジアが世界で銅メダルを獲ることはなく、日本サッカーがそこに楔を打ち付けたのは僕らに勇気を与えた」と振り返った。

そして、クラマーは日本サッカー界に「リーグ戦の創設」「コーチ制度の確立」「芝生のグラウンドの増設」「代表チームの欧州遠征」の4つの提言を残して帰国した。大住によると、これは帰国の送別会で伝えられた言葉で、この教えに従って日本リーグを発足、最終的にJリーグへと繋がっていったという。

1992年、外国人としては初の日本代表となったハンス・オフトは、ディフェンダーからフォワードまでの距離を短く保つコンパクトなサッカーを植え付け、その考え方は現代の日本サッカーにも継承されている。番組アナリストの名波浩は、プロ入りしたジュビロ磐田でオフトに師事。「組織の中でどう守備をするか叩き込まれた。オフト監督の指導がなかったら、代表に呼ばれる選手にはなれなかったかもしれない」と影響の大きさを語った。

そして名波は「ヨーロッパのビッグクラブで活躍する選手が出てきて、ワールドカップ優勝も現実的になってきた。ロシアワールドカップでもベルギーにあそこまで戦えた。次の大会以降の自信になる」と日本サッカーが確実に成長していると説明。元日本代表のジーコも取材に応じ、「昔は監督の要望に全力で応えてくれていたが、今はそれに加えて独自の創造性で戦局を打開する選手がたくさん出てきた」と選手の変化を感じていると話した。

そして、もう一つの目標「サッカーファミリー1000万人」。まず田嶋は「選手、レフェリー、指導者、女子、フットサル、ビーチサッカー、役員など協会に登録している人に加え、地域のリーグでプレーしている選手やサポーターなど登録していない人も含めてサッカーファミリーと定義をしています」と説明。これまでワールドカップで優勝したブラジル、ドイツ、アルゼンチン、イタリア、イングランド、フランス、スペイン、ウルグアイは、いずれも老若男女がサッカーを愛している国々ばかりだと言い、「Jリーグはもうすぐ30年。イングランドで150年掛かったことを我々は50年でできないか。簡単ではないことは分かっているけれど、それに臨むつもりで動いている」と熱い思いを伝えた。

2011年のワールドカップ優勝から10年経った女子サッカーにも今年は大きな変化が起こる。日本初の女子プロサッカーリーグWEリーグのスタートだ。今回、初代WEリーグチェア岡島喜久子も登場。岡島は準備を進める新リーグについて「どうやってWEリーグのことを知らせていくかが問題。メディアなどで活動することが必要になってくる。また、なでしこリーグがプロリーグだと思っている人が多く、WEリーグって何なのと思われてしまうかもしれない。これからどんどん発信していきたい」と語り、特にサッカー少女をターゲットにした様々なアプローチを紹介。

まずは知名度をあげるために人気映画・漫画とコラボ。そして、サッカー少女がスタジアムでサッカー観戦をするため都道府県のサッカー連盟と協力して環境を整備し、WEリーグを観に行ける日程作りなどを進めている。また、女性向けスタジアムグルメの考案や外国人選手の獲得にも力を入れているという。岡島は「どんどん日本の選手にも海外に行っていただいて、WEリーグは海外から来ていただいて両方から行き来できるようにしていきたい」と話した。

そして最後に岡島は「WEリーグはWomen Empowermentの略であり、WE(私たち)という意味でもある。一方通行ではなく、みんなで作り上げていきたい。サッカーだけでなく地域コミュニティと課題を発見して、選手が地域コミュニティと一緒に解決策を探っていくような活動を各クラブと一緒に考えながら行っていきたい」と話した。すると田嶋も「もしかすると数年後に日本社会の女性の立ち位置が全然違う状況になった時に“2021年にWEリーグができたよね”と言われるようなリーグになって欲しい」と期待を寄せていた。
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