中学受験、“卒母”のアドバイスに要注意!? 「K女子なんて、一生後悔するわよ!」娘の熱望校を全否定され……

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2021年04月11日 19:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 中学受験の渦中にいる母親は、とてもナーバスだ。よほど冷静な人は別だが、毎週のように出る試験結果の“数字”に一喜一憂。期待が膨らみすぎたり、逆に不安になったりで、感情の起伏が激しくなるのは、むしろ普通のことだ。
 
 こうした状況下によるストレスをどうにか解消したいと願い、中学受験生の子どもを持つママ友とのランチで、「情報収集」兼「憂さ晴らし」をしようと試みる母は多いのだが、たいていの場合、憂いが増す結果になる。

 なぜならば、そこは偏差値という数字によって序列が生まれてしまう世界。同じ中学受験組の場合、ママ友の関係は微妙になりやすいのだ。たとえるならば、お隣り同士で互いに「年収」を比較し合うような状態かもしれない。

 それでは、非中学受験組の母に愚痴を聞いてもらえるかといえば、こちらもうまくはいかないだろう。これも、たとえるならば、未婚の女友達に、子育てがどんなに大変かを訴えても、反応が弱いということに似ている。

 つまり同じ境遇であれば、比較して落ち込み、違う境遇であれば共感してもらえないと落ち込むわけだ。

 それゆえ、母たちは別の作戦を取ることがある。「卒母」と呼ばれる、すでに中学受験を経験している母にすがってみるのだ。これは、母たちが、それほどまでに孤独で、かつ有意義な情報を欲しているということだが、ここにも注意点が必要になる。

 由佳さん(仮名)には一人娘がいる。娘の「友達と一緒に塾に行きたい」という願いで、小学4年生から、何となく受験に参戦。由佳さんは地方都市で生まれ育ったため、自身は公立中に通い、周囲にも中学受験経験者はいなかったそうだ。

 それゆえ、都内の受験事情がわからず、受験情報を求めて、同学年のママ友を頼ったという。

「初めは、中学受験組のコミュニティに入れてもらえたみたいでうれしかったんです。愚痴を言い合えて、学校説明会にも一緒に行けるようなママ友ができて、すごく楽しかったですね。でも、学年が上がるにつれ、だんだん子どもの成績の差が如実に出るようになると、微妙な空気が漂って……。これじゃダメだな、でも、中学受験のことはよくわらないから、情報はほしいなって思って、先輩ママを頼ることにしたんです」

 同じマンションには真理さん(仮名)という、娘をT学園に入れた卒母がいたそうだ。そこである日、由佳さんは思いきって真理さんに話しかけてみたという。

 真理さんは、「うちの子の受験の時はこうだったよ」など、いろいろと親切に助言をくれ、「さすが経験者! 頼りになる!」と由佳さんは大喜び。そのうちに、自宅同士を頻繁に行き交うような間柄になったというが、その関係も徐々に怪しくなっていく。

「6年生になる頃でしたか、娘に熱望校ができました。K女子なんですが、校風もいいし、制服も可愛らしくて、親子で気に入っていたんです。ところが、それを真理さんに教えたら、『K女子だけはやめなさい! いい評判なんて聞いたことないわよ!』って、何度も言ってくるんです」

 由佳さんは、初めのうちは聞き流していたそうだが、真理さんの露骨な「K女子サゲ、T学園アゲ」がだんだん気になるようになったという。なぜならば、真理さんのK女子サゲに根拠はなく、ウワサレベルの話をしているように感じたからだそうだ。

 もちろん、真理さん自身に悪気があるわけではない。「わが子が通っている中学校が一番良い!」と信じているからこそ、「由佳さんの娘にもぜひ入学してほしい」と思っているということは、想像に難くない。ゆえに、他校のネガティブな話題を強調していたのだろう。

「K女子もT学園も偏差値的には同じくらいですし、どちらもいい学校だとは思うのですが、真理さんの『K女子なんかに入ったら、一生後悔するわよ!』という言葉が頭を離れずに、すごく揺れましたね。親切で言ってくれるだけに、余計にたちが悪いのかもしれないです(笑)」

 結局、由佳さんの娘は現在、K女子で充実のスクールライフを満喫中。受験から3年たつらしいが、由佳さんと真理さんは、表面上、今も会えば立ち話をする仲ではあるそうだ。

「あの頃は、正直、真理さんがうっとおしくて、お付き合いをやめたかったんですが、同じマンションなので、スパッと断ち切ることもできず、余計な心労が増えただけの気がします。要は、私自身が大人になりきれてなくて、誰かに依存し、不安解消をしようとして招いた結果。つまり、自業自得ですね……」

 母にとって、中学受験は「心配の連続」である。同じ境遇の者同士、慰め合ったり、また、経験者のアドバイスが欲しくなったりするものではある。しかし、だからこそ、そういう気持ちになったならば、この言葉を思い出してほしい。

「信じるな 疑うな 確かめよ」

 これは、ヨガの考え方で、かみくだくと「物事は簡単に信じてもダメ、頭から疑ってもダメ、自分の目で確かめて判断することが大事だから、自分が『体験』したことだけを大切にせよ」という意味。
 
 たいていの不安は「確かな情報」が解決する。もし、何かの迷いが生じた場合、それが学校のことであれば、直接その学校に。勉強方法のことであれば、受験のプロである塾に相談に行くのが肝要であるのは言うまでもない。

このニュースに関するつぶやき

  • やはりこういうものは主観ばかりに頼るのもよくないってことですね〜受験に関しては将来に関わるので1つの情報を鵜呑みは危険
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