水野美紀が明かすドラマ撮影の裏側 出演者スタッフ一同があたたかーーい気持ちになったとっておき秘話

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2021年04月15日 11:35  AERA dot.

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写真水野美紀さん
水野美紀さん
 42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から3年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回はドラマ撮影の裏側について。

【令和も変わらぬ家庭の大問題「ドラマのあのシーン」…唐橋さんの行動は?】

*  *  *
 日々、ドラマの撮影をしている。ドラマの撮影というのはとても時間がかかる。

 まず撮影現場まで移動(現在撮影しているドラマだとだいたい1時間)。

 メイク、着替えなど準備(これもだいたい1時間)。

 リハーサル、テスト、本番。

 これはシーンによるが、1カットごとにカメラ位置や照明などのセッティング変えをしながら、2時間ほどかけて、1分程度のシーンが撮り上がる。

 4時間かけて1分。いや、1分撮れれば良い方だ。

 みなさんが目にする、編集して仕上がったドラマの1カット1カットの間には膨大な時間が隠れている。そしてドラマの裏側のドラマが。

 脚本家の苦悩や、スケジュール調整に四苦八苦するチーフや、監督、役者、脚本家、時に原作者、上司の間に挟まれ東奔西走するP(プロヂューサー)。

 連続ドラマであればおよそ3カ月、長い時間を共に過ごし作品作りをするのであるから、そこには様々なドラマが生まれるのだ。

 小競り合いも勃発すれば、感動の瞬間や、笑いも生まれる。

 時にそれはドラマ以上にドラマチックなのだ。

 さぼって寝ていたのを監督に見つかって大目玉くらったADがいた。

 大事な撮影小道具を預かったまま、音信不通になったスタッフがいた。

 ヤギ小屋の中でヤギに威嚇され、時に噛まれながらも必死にヤギを誘導したチーフ。

 公園で人止め(映り込まないように本番の間だけご通行の方に待ってもらえるようお願いする)をし、散歩中のチワワに吠えられ続けた制作部Aくん。

 船に乗って半日海の上で撮影をした時には、半分以上のスタッフが船酔いし、船上からおええーと撒き餌を撒きまくった。

 香港でアクションシーンを撮っていた時には、スタントがワイヤーで吊られたまま勢いよく顔面から壁に激突。おでこ陥没。大量の流血、なんてこともあった。

 セットの中の容器に入れていた蛇が逃げ出し、撮影がストップしたこともあった。

 めんどくさい人がめんどくさいことを言い出して撮影が止まることもままある。

 正解のないものをみんなで創っていく作業だから、うまく歯車が廻らずに不安が蔓延するとこじれるものなのだ。

 みんな、「良いものを作りたい」という気持ちは同じ。

 だけどそこに向かう作業はみな違うから難しい。

 色んな裏のドラマを目撃してきた。

 中でも、最近目撃したとびっきりのドラマがある。

「にじいろカルテ」の撮影中のこと。

 町の集会所でみんな集まってわいわい食事するシーンの中で、子役(男子7歳)が、私の娘役(5歳)に

「僕たちも結婚しようか」

 と言って、

「まだはやいと思う」

 と振られる、というシーンを撮影していた時のこと。

 いくつかのカットを撮り、セッティング変えのために皆でわらわらとセットを出て前室に向かっていた時、

「うわあーーーーん!」

 と、その子役の男の子が泣き叫ぶ声がスタジオに響いた。

 その子は泣きながらスタジオを走り出て、そのまま廊下を走り抜け、楽屋に駆け込んでいった。お母さんがその後を追いかける。

 皆、何事かと顔を見あわせた。

 男の子の号泣する声が楽屋から漏れ聞こえてくる。

 その子が泣いた理由は、「失恋」だ。

 男の子、私の娘役の子に恋しちゃったのだ。

 そして、上記のセリフのカットを撮り終えた直後、ガチで「すきです」とこっそり告白したのだ。多分、人生初の告白。

 だけど「ほかに好きな子がいる」とガチで振られてショックを受け、号泣しちゃった、という経緯だった。

 この微笑ましいエピソードに出演者全員きゅんきゅん。

 その後井浦新さん筆頭に、男性陣が男の子を楽屋から連れ出し、なぐさめ、「俺たちだって何度振られたことか!」と励まし、「一度振られたからって終わりじゃないぞ」と背中を押して、男の子は元気を取り戻して無事に撮影再開した。

 幼い男の子の青春の1ページを間近で見て、出演者スタッフ一同、あたたかーーい気持ちになった。

 ドラマを見ながら、みなさん、たまに舞台裏のドラマも想像してみてくださいね。

■水野美紀(みずのみき)
俳優。ドラマ・映画・舞台で活躍中。<出演情報>読売テレビ・日本テレビ系ドラマ「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜」が4月1日スタート。レギュラー番組は、フジテレビ系バラエティ「突然ですが占ってもいいですか?」毎週水曜22:00〜、読売テレビ「水野美紀の映画生活(シネマライフ)」毎週金曜22:54〜<関西ローカル> http://www.ytv.co.jp/cinemalife/

【書籍『水野美紀の子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます。』好評発売中】

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