元乃木坂46 堀 未央奈が語る、卒業記念フォトブックに込めた想い 「このアイドル感はもう出せない」

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2021年04月18日 08:01  リアルサウンド

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 元乃木坂46・堀未央奈の卒業記念フォトブック『いつのまにか』が4月20日に発売される。本作は、約4年半レギュラーモデルを務めているファッション誌「ar」のスタッフとともに、ファッションやメイクにこだわった撮り下ろしページのほか、堀未央奈のロングインタビューや彼女の同期である乃木坂46の2期生メンバーとのコラボページ、実の姉との対談などが詰まった非常に読み応えのある一冊だ。


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 2013年、まだ乃木坂46に加入したばかりの研究生だったにも関わらず、7thシングル「バレッタ」のセンターに選ばれた堀未央奈。いきなり大舞台から始まったアイドル人生を、ときに俯瞰して見つめながら、必死に走り抜けてきた彼女が放つ言葉には説得力が宿っている。


 卒業発表したアイドルは、来るべき旅立ちに向けてどんどん美しさに磨きがかかる。それは堀未央奈も例外ではなかった。それどころか、あるときを境に歯止めが効かないくらい、どんどんかわいさを増しているとすら感じていた。それだけに、自分の見せ方に強いこだわりを持っている印象があったが、本作を読むうちに、彼女なりに迷い、周囲の人たちに支えられながら過ごした8年間だったことを知る。家族から見た堀未央奈、同期から見た堀未央奈、そして、彼女自身がプロデュースする堀未央奈。いろんな一面を知ることで、彼女のことがさらに好きになった(とり)。


■細部までこだわり抜いた一冊


――乃木坂46のご卒業、そして卒業記念フォトブック『いつのまにか』の発売決定おめでとうございます。本作は堀さんのセルフプロデュースだとお聞きしましたが、制作にどこまで携わりましたか?


堀:基本的に全部です。かなり細かい部分までアイデアを出させていただきました。例えば、本についている帯の色味やテキスト、表紙の紙質、表紙からの見開きで何を見せるかなど。また過去の写真集だと、撮影後は編集さんに全てお任せしていましたが、今回は写真のセレクトや掲載するサイズ、バランスも自分で考えました。


 フォトブックは写真集以上に自分のことを表現できるものなので、いつかセルフプロデュースで出してみたいと思っていたんです。卒業のタイミングで、ファンの方への感謝の思いを込めた一冊にできて本当によかったと思います。夢がひとつ叶いました。


――紙質までこだわっていたとは。まさに堀さんが編集した一冊と言っても過言ではないですね。


堀:撮影後もガッツリ関わらせてもらったので、むしろセルフプロデュースではなく、自分ではない誰かのフォトブックを編集する人みたいな感覚でした(笑)。大変でしたが、私以上にたくさん動いてくださっているスタッフさんの存在を改めて実感できましたし、隅々まで考え抜く楽しさも味わえたので、貴重な経験になりましたね。


――同期にあたる2期生メンバーが、堀さんのコーディネートで登場しているのも素敵な構成です。特に親友と公言されている鈴木絢音さんのファッションが煌びやかで、彼女のイメージを考えると意外性も感じました。


堀:絢音とは常に連絡を取り合っているので、お互いのことを知り尽くしている関係なんです。よく一緒に韓国や中国のかわいい文化やトレンドをチェックしていて、絢音の好みも似合いそうな系統も分かっていたので、迷うことなく派手で華やかなファッションに挑戦したいと思いました。普段の清楚でナチュラルな絢音もかわいくて大好きなんですけど、意外性のあるコーディネートができてよかったです。絢音のファンの方にも「こういう感じもいいね!」って言ってもらえると嬉しいなぁ。


――堀さんは、メンバーのことや自分自身のことを客観的によく見られていますよね。本作をセルフプロデュースするなかで、改めて「私ってこんな人間なんだ」と思うことはありましたか?


堀:改めてと言われると難しいですけど、やっぱりコンプレックスが多い分、こだわりも強いんだなって思いました。だからこそ、本作は制作チームのみなさんに助けられた一冊でもあります。私がこだわりたいイメージのなかで「こういうのも似合うんじゃない?」と、私にはない視点でたくさんアイデアを出してくださったので、一人ではできなかったことにも挑戦できたんです。きっと、今まで見たことのない私を見ていただけると思うので、ファンのみなさんの反応がとても楽しみです。


――具体的にどのような挑戦をされたんでしょうか。


堀:ファースト写真集を出した頃はボブヘアでしたが、今回は髪が伸びたのでアレンジし放題でしたし、衣装ごとにメイクも大幅に変えてみました。いろいろな髪型やメイクに挑戦できたのは、スタッフのみなさんが提案してくれたおかげです。


 また、肌見せしているカットでは、より大人っぽさを感じてもらうために見せ方を工夫しました。握手会やオンラインイベントなど、ファンの方が見る私は基本的に真正面を向いています。そのため、本作ではあらゆる角度から私の姿を見ていただきたくて、上からの視点や背中を写したカットも多く入れているんですよ。この一冊で、ついに360度から私の姿を見られちゃったなって感じです(笑)。


■家族の存在


――ビジュアルイメージのほかに、堀さんのロングインタビューや2期生からのメッセージ、お姉さんとの対談など、堀さんをよく知る人物の言葉も多く載せられています。いろいろな視点から語られることで、家族といる堀さん、親友(同期の鈴木絢音さん)といる堀さん、乃木坂46のメンバーといる堀さん……と、それぞれ違いがあるように感じました。


堀:それはありますね。メンバーといるときは、先輩後輩問わずちゃんとしようと身も引き締まりますが、同期の前では本音を言いやすいですし、私が甘えるよりも、たくさん甘えてほしいなって思うんです。でも、家族の前では末っ子なので、甘えちゃうことの方が多いです。


――しっかりしているイメージが強いだけに、家族の前で幼さを見せる堀さんにギャップを感じました。


堀:それは現場のスタッフさんにもよく言われます。逆に家族は「未央奈はしっかりしているよね」って話を聞くと「嘘なんじゃないか」って思っていたらしいです。「こんなに怠け者なのに、しっかりしているはずがない!」って(笑)。でも、本作でゲストに出てくれた姉は、実際にちゃんと仕事をしている私を見て安心したようです。現場に家族が来る機会もなかなかないですし、卒業前に乃木坂での活動を通して成長した姿を見てもらえてよかった。そういう意味でも、ひとつ集大成になりました。


――アイドル活動を8年間続けてこられたのは、やはり家族の支えがあったからでしょうか。


堀:間違いなくそうですね。私は岐阜県出身なので、乃木坂に加入した当初は寮で一人暮らしをしていました。初めての東京、初めての一人暮らし、そして初めての芸能生活。全てをバランスよくこなすのが難しくて体調も崩しがちだったんです。最初の頃は、母がわざわざ来てご飯を作ってくれていたんですよ。もし、家族の助けがなかったら、今頃ダメになっていたかもしれません。


――お姉さんとも仲がいいですし、素敵な家族ですよね。お母さまはどんな方なんですか?


堀:やりたいことを自由にやらせてくれる母でした。アドバイスはくれるんですけど、私自身が失敗から学ぶ方が確実だと思っていたみたいで、学生時代も勉強のことや部活を辞めることに対しては何も言われなかったですね。


 ただ、当たり前のことですが、人が嫌がることはしない、自分がされて嫌なことを人にしてはいけないってこと、周りの人に感謝をしなさいってことは口酸っぱく言われてきました。乃木坂を卒業するタイミングで手紙をもらったんですけど「今まで支えてくれた人への感謝、そして、これから出会う人への感謝も忘れずに頑張ってね」と書かれていて。そういった人との関わり方についてしっかり教えてくれた母には感謝の気持ちでいっぱいです。


■メイクは魔法


――お姉さんの話によると、乃木坂に加入する前はちびまる子ちゃんのような怠け者だったとか。そんな堀さんがメイクに興味を持ったきっかけは何だったんですか?


堀:きっかけは2つあります。まずひとつは「ar」のレギュラーモデルになったこと。トレンドを発信する存在として、自分がいいと思ったものを自分の言葉で紹介できる人になりたいと思うようになって。「ar」はもともと大好きな雑誌だったので、ちゃんとモデルが務まるよう美容に対する意識が芽生えたことがきっかけですね。もうひとつは姉の存在です。本作でも紹介していますが、姉は本当におしゃれな人なんです。乃木坂に加入した後も「この衣装にはどんなメイクが似合うかな?」といった、ちょっとした相談にも的確にアドバイスをくれたおかげで、メイクのことを理解できるようになりました。でも、子どもの頃は実写版のちびまる子ちゃんにピッタリなんじゃないかってくらい、ビジュアルも内面もソックリだったんですよ(笑)。


――今の堀さんからは想像できないです(笑)。時々Instagramにも化粧品を載せていますが、乃木坂のメンバーの中でもメイクには敏感な方なんでしょうか。


堀:そうですね。メンバーはみんな素材がいいので、メイクさんにお任せだったり、最低限のコスメしか持ち歩かないって子がほとんどですけど、私はメイクボックスと4つのメイクポーチを常に持ち歩いていて、バッグの中身はほぼ化粧道具。楽屋では『千と千尋の神隠し』に出てくる釜爺(かまじい)みたいに手を動かしてメイクしています(笑)。


――歌番組で堀さんを見るたびに、どんどんかわいくなられていると感じていたのですが、そのようなこだわりがあったんですね。


堀:嬉しい〜! ありがとうございます。毎回メイクも髪型も変えていたので、全然違う人みたいでしたよね。それこそ最初は、みなさんに覚えてもらうためにも変化をつけない方がいいんじゃないかって迷うこともありました。でも、その変化を楽しみにしてくださっているファンの方もいらっしゃって、私も衣装に合わせてメイクを楽しむことにやりがいを感じていたので「じゃあ、やりたいことを貫こう」と思えたんです。


 歌番組の衣装は当日にメイクさんと相談しながらメイクと髪型を考えることがひとつの楽しみでもありました。毎回変化をつけることで、ひとつひとつの仕事の思い入れも強くなるんですよね。


――メイクを楽しんでいる堀さんが言うと、とても説得力がありますね。


堀:メイクやおしゃれを楽しむことは、理想の自分に近づくための魔法。それは女性だけでなく、男性も同じだと思っています。とは言っても、家族の前ではまだまだちびまる子ちゃんな部分もあるんですけどね(笑)。


■アイドルらしさの残る最後の一冊


――堀さんは、2017年にファースト写真集『君らしさ』を、2020年にセカンド写真集『いつかの待ち合わせ場所』を発売されました。どちらも、当時の堀さんらしさが出ている作品になっていますが、本作もまた、卒業を目前に控えた堀さんのありのままの姿が写っているんでしょうか。


堀:まさにそうです。ファーストの頃は今よりずっと幼くて、まるで赤ちゃんがアメリカに行ったみたいな感じですし、セカンドは「憧れの大人像」をテーマにしていたこともあって「ファーストに比べるとちょっとは大人っぽくなったかな?」って感じで。どちらも当時の私らしい表情ではあるんですが、本作では、より自分のことを理解した状態で撮影に臨めたので、卒業を目前に控えた等身大の24歳の私が写っていると思います。いろいろな衣装を着て、いろいろなメイクをしていますが、どれも私が好きなイメージばかり。インタビューでも赤裸々にお話しさせてもらったので、私の頭のなかを全部曝け出したフォトブックだと思って楽しんでほしいです。


――昨年11月、乃木坂46の公式YouTubeにて公開されたソロ曲「冷たい水の中」で卒業発表をされましたよね。異例の卒業発表に戸惑い、卒業を寂しく感じているファンの方も多いと思いますが、そんなファンのみなさんに本作をどのように見てもらいたいですか?


堀:本作は乃木坂46として出させていただく最後の作品です。3月28日の卒業公演から約2週間経ちましたが、完成した本作を自分で見ていると「このアイドル感はもう出せないな」と、すでに思うんですよ。これからも私はどんどん変化していくだろうし、この感覚はより大きくなっていくんじゃないかな。それは、きっとファンのみなさんも感じることだと思います。


 ただ、私にとって乃木坂46は大事な場所であり、青春でした。その事実は変わりません。本作には、乃木坂で過ごした8年間の思いがギュッと詰まっているので、是非たくさん見返していただいて、ふとしたときに乃木坂46の堀未央奈を思い出してもらえると嬉しいです!


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