K-POPガールズグループの勢力図に変化? Brave Girlsの大躍進、WeeeklyやSTAYCの登場……最新注目株を解説

0

2021年04月20日 06:01  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

Brave Girls「Rollin'」

 激戦と言われ続けてきたK-POPのガールズグループシーンだが、ここ数年は安定した人気を維持する中堅・ベテランが多く、新人が食い込む余地があまりないように見える。


(関連:IZ*ONE、活動終了正式発表 各メンバーの“第2章”を予想


 デビュー当時からワールドワイドな人気が高かったBLACKPINKは昨年、「How You Like That」や「Ice Cream(with Selena Gomez)」といったシングルと1stフルアルバムのヒットによって世界のポップシーンにおける不動の地位を獲得。彼女たちを頂点に、アーティスティックな路線にシフト中のTWICE、ガールクラッシュとしての存在感を強めるMAMAMOO、Mnetのカムバック合戦番組『Queendom』でステップアップしたOH MY GIRLなど十数組が続くという構図は2021年に入ってもほぼ同じだ。


 とはいえ、K-POPはときどき予想だにしない現象が起きる。最近では、解散に追い込まれそうな状態からスターダムにのし上がった女性4人組・Brave Girlsが大きな話題となった。2011年のデビューから鳴かず飛ばずの日々が続き、一時は表舞台から遠ざかったものの、軍の慰問公演に数多く参加したことで状況が好転。兵役に就く若者たちの間で人気を集めた2017年リリース曲「Rollin’」が今年に入ってから各種チャートの上位にランクインしている。


 いわゆる「チャート逆走」のパターンだが、過去にも女性5人組・EXIDが似た流れで人気者になったので、この言葉をすでにご存じの方も多いだろう。彼女たちの場合は、ファンが撮影したメンバーのパフォーマンス映像で火が付いたのだが、ビッグネームになった背景に軍人たちの後押しもあったことは間違いない。軍の慰問公演でグループと客席が一体になって盛り上がる様子を観れば、Brave Girlsの大躍進も即座に理解できるはずだ。


 先日、韓国企業評判研究所が「ガールズグループブランド評判」の4月版を発表した(※1)。いろいろな視点から注目すべき女性グループを順位付けするものだが、BLACKPINKやTWICEなどのビッグネームが並ぶ中、7人組のWeeekly(ウィークリー)がベスト10に入っていることに驚く。


 昨年デビューしたばかりのニューフェイスで、さわやかなビジュアルをセールスポイントにK-POPアイドルの王道路線を突き進む。しかしながら、メンバーが曲作りに参加するなどクリエイティブな面もあり、今後の成長が楽しみなグループである。今年3月にリリースした「After School」では、キュートなグループのイメージはそのままに、レゲエとトラップをミックスしたクセのあるサウンドで勝負。この路線を続けていけば楽曲派のアイドルとしてブレイクする日も近いだろう。


 同じくサウンドの良さで勝負するSTAYC(ステイシー)も見逃せない存在だ。TWICE、Apink、SISTARなど、有名なガールズグループの代表曲を数多く手掛けてきたブラック・アイド・ピルスンが全面的にサポートする6人組で、キャッチーなメロディラインとシャープなアレンジが印象的な「SO BAD」で2020年11月に登場。今年4月に発表した「ASAP」も親しみやすさを大切にしながら、マニアックなリズムアレンジを施していて聴きごたえがある。ヒットチャートではまだ目立った成績を残していないものの、近いうちに頭角を現すかもしれない。


 STAYCと同時期にデビューした7人組のPURPLE KISSは、卓越した歌唱力とダンス能力を持ち、作詞・作曲・振り付けもメンバーが積極的に関わる“バランスドル(バランス+アイドル)”として注目度がアップしている。それを証明するように今年3月にリリースした1stミニアルバム『INTO VIOLET』は、2020年から現在までにデビューしたガールズグループの初アルバムの中で、最も多くの初動販売量を達成したという。リードトラック「Ponzona」における新人らしからぬ堂々としたボーカルは、どことなくBLACKPINKと似たテイストがあり興味深い。


 前述の3組より少しだけ先輩となる6人組のEVERGLOWは、近い将来にK-POPシーンに欠かせない存在になるのではないかと期待するグループのひとつである。彼女たちが昨年出した「LA DI DA」は、国内はもちろん海外でも高く評価された1曲で、アメリカのビルボードが発表した「2020年最高のK-POP曲20選:評論家推薦(The 20 Best K-Pop Songs of 2020:Critics’ Picks)」で1位を獲得し(※2)、ニュース雑誌『TIME』の「2020年のK-POPの代表曲&アルバム(The Songs and Albums That Defined K-Pop’s Monumental Year in 2020)」にも選ばれた(※3)。この勢いだと新作で自己最高の成績を残すのは間違いなさそうだ。


 アメリカで人気が高いグループと言えば、LOOΠΔ(今月の少女)も忘れてはいけない。最新ミニアルバム『Midnight』がビルボード200に入り、収録されている「Star」が北米のラジオチャートで人気曲になるなど、ここのところの話題は海外が多い(※4)。本国での人気も急上昇中の彼女たちは、K-POPシーンを大きく揺るがしそうな気配が強く感じられる。


  以上のような注目株がガールズグループの現状のランキングをどのように変えていくのか。それを追うだけでも2021年のK-POPシーンは十分に楽しめそうである。


※1:https://www.wowkorea.jp/news/enter/2021/0411/10295055.html
※2:https://www.billboard.com/articles/news/list/9504174/best-kpop-songs-2020-top-20/
※3:https://time.com/5920059/best-kpop-2020/
※4:https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210304004400882(まつもとたくお)


    ニュース設定