たかが10分の繰り上げでもツラい。終電繰り上げで困惑する人々

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2021年04月20日 16:02  日刊SPA!

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◆終電は繰り上がったが勤務時間は変えられない

 3月13日、首都圏と関西でダイヤ改正による最終列車の時刻を繰り上げた。対象となる列車は首都圏では山手線を含む11線区の計42本(土休日は計40本)、関西ではJR西日本の他、阪急電鉄と阪神・神戸電鉄でそれぞれ13分〜32分に早まった。これによって街の人達からは困惑の声が上がっているという。

 まず、話を聞いたのは都内の医療法人に勤務する看護師の女性だ。

「病院の多くの場合、二交代制か三交代制なのですが、私が働いている病院は三交代制なんです。三交代制は準夜勤が深夜0時半までで、今までは走れば終電に間に合わないこともなかったのですが今回の繰り上げでタクシーで帰ることになってしまいました。一応、タクシーチケットは配布されるのですが、コロナ禍で深夜のタクシーが少なく勤務先の周辺じゃ全然捕まらないことが悩みですね。駅前まで出ても終電繰り上げの影響なのかタクシーがほとんど来ないこともよくあります。タクシーチケットをもらっているので、特定のタクシー会社しか乗れないのがキツいんです。

 病院によっては二交代制に変更する場合もあるそうですが、うちの病院ではそういう対応もナシ。変更すると時間によって決まっている雑務の変更や業務改善が必要になることがあり、それが原因で抜けが出たりインシデントが起こることもありうるだからだそう。東京都下の病院だと寮があったり車通勤の人も多いようですが、都心だとなかなか難しいですね」

◆終電後にタクシーは使えるが……

 電車に合わせて仕事を変えられないことに加え、コロナでタクシーの台数が減ったこともこの女性にとっては大きなことだったという。

 また、後日精算ではなく、タクシーチケットを利用することで、特定のタクシー会社しか利用できないことも非常に不便だそう。アプリなどを使って配車をお願いすることも珍しくないと言うが、そのアプリを使ってもなかなか来ないこともあるとか。

◆寝過ごしたら6000円!? 帰りの車内で居眠りができない

 続いて、大阪でSEとして勤める男性だが、新年度に入り業務が増えたことで終電を逃すことが増えたという。

「今回の繰り上げで大阪駅からの終電が10分、早まったので驚きました。特に今は新入社員が入社して仕事に追われているので余計に困ります。オフィスのビルが11時半に消灯するので、今まではそこから地下鉄に乗れば最終に間に合っていたのですが……。でも、何が1番困るかというと僕が住んでいる駅まで行く最終の普通電車がなくなったこと。

 急行で途中まで乗って、そこからタクシーで帰らないといけなくなりました。普通に乗り換えようとしたら1本前の急行に乗らないといけないのですが、もし寝過ごしたりなんかしたら最悪。前に1度、急行の終点まで行ったことがあるのですがタクシー代が6000円近くかかりました。電車を降りるまで気が抜けませんよ」

 ホッと一息つけるはずの帰りの電車内だが、寝過ごしたら多額の出費が……。緊張を強いられる帰宅電車は精神的にもツラそうである。

◆リモート慣れして電車の時間を忘れる

 都内のIT系ベンチャーに勤める男性はリモートワーク中心になったことで、“うっかり”が増えたという。

「基本的にリモートワークなので、会社に行くのは月に2回程度。行く時は昼過ぎから終電まで会社で作業するようにしています。昨年の緊急事態宣言以降、夜遅くまでお酒を飲むこともなくなり、会社にもほとんど行かない生活なので、終電のことなんて頭から消えているんですよ。だから、去年までのノリで『そろそろ終電だから……』と会社を出て地下鉄に乗って、新宿で乗り換えようとしたら終電がなくなってたなんてことが何度かあった。別に飲んで終電逃したワケでもないから、なんか無性に損した気分になるんですよね……」

 ネット上では「たかが30分の繰り上げ」「コロナ禍なのに終電まで飲もうとするな」など厳しい意見が飛び交っているが、たった30分でも支障をきたしている人がたくさんいるのだ。新しい生活様式が始まって1年、病院の勤務体制や会社の残業規則など時代に合わせて変化させていくべきなのかもしれない。

◆終電で帰ると時給が下がる

 続いて、話を聞いたのは終電とは無縁そうな大阪のキャバクラに勤務する女性。

「今は時短継続中なので電車で帰っているんですが、もし営業時間が深夜に戻ったらすごく面倒臭くなりそうと思っています。今までは終電が0:30過ぎだったのが、今回の改正で0時過ぎになりました。店は21時オープンで時給が保証されるのが0時まで、それ以降は客席についている時間で換算されます。0時まで働いても着替えて走れば終電に間に合っていたのに、今後は間に合いそうにありませんね。

 終電に乗るためには23:30には店を出ないといけないのですが、それだと30分の時給がカットされてしまいます。送りの車も一応あるのですが、0時過ぎてお客さんが誰もつかなかった場合、時給もつかず送迎代だけ引かれて働き損に。送りもすぐに乗れるわけではなく、1時とか1時半まで待たされて複数の女の子の家を回るので家に着く時間は2時半とか……、拘束時間が長すぎるんです」

 繰り上げられた時間はたかが10分ほど。しかし、その10分のために時給が減ったり、仕事時間を大幅に前倒しすることも珍しくはない。ウィズコロナの新生活にはいつになったら馴染めるのだろうか……

<取材・文/カワノアユミ>

【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。ツイッターアカウントは @ayumikawano

このニュースに関するつぶやき

  • 「普通」が大幅に改革する・される百年単位に一度のパラダイムシフトだと、気づき肌で感じている人とそうでない人の格差は一気に広がるだろう。
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  • 終電まで仕事する社会が異常。働き方改革って、結局何だったのか?
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