最高峰クラスデビューのフルモー「知識と経験を得ることに集中したい」/2021WRC第3戦クロアチア 事前コメント

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2021年04月21日 07:11  AUTOSPORT web

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レッドブルカラーが施されたフォード・フィエスタWRC(エイドリアン・フルモー)
第2戦アークティック・ラリー・フィンランドから約2カ月のインターバルを経て、2021年シーズンのWRC世界ラリー選手権がクロアチアで再開される。4月22〜25日に行われるこの第3戦を前に、最高峰クラスに参戦するMスポーツ・フォード、ヒュンダイ、トヨタの各陣営から今戦に出場するドライバーたちの事前コメントが発表された。

 新型コロナウイルスの影響を受けて2020年に引き続き、欧州を中心に開催されている今季のWRC。ラリー競技の最高峰であるこのシリーズの1戦として初めて開催されるのが今週末の『クロアチア・ラリー』だ。

 今シーズン初めて純粋なフルターマックで争われるこのラリーは、スロバキアとの国境に近い首都ザグレブを中心に展開され、拠点となるサービスパークは中心部のメドヴェドグラード地区に置かれる。

 クロアチア・ラリーのそのものは1974年に初開催され、一時はERCヨーロッパ・ラリー選手権にも組み込まれるなど国際的なイベントとして実施されてきた歴史を持つ。

 そんなクロアチア・ラリーはターマック(舗装路)ラリーでありながら、流れるようなコーナーが続くハイスピードなステージや、滑りやすく道幅の狭いステージ、路面が汚れている農道など、さまざまなキャラクターのステージが組み合わされる、多様性を含んだラリーとして知られるイベントだ。。

 それゆえに、すべてのステージに共通する的を絞ったセッティングを施すことが難しく、出場するドライバーたちにとっては対応力の高さが求められる1戦となる。なお、最高峰クラスに参戦するドライバーのなかに昨年までのクロアチア・ラリー出場経験を持つ者は皆無。3メーカーの全ドライバーにとって初めてのラリーとなる。

 競技は23日(金)からスタートし、初日はザグレブの南西エリアで4本のステージを走行する。翌24日(土)も引き続き同じエリアに設定された4本のSSで争われ、最終日の25日(日)はザグレブの北側で日中のサービスを挟むことなく4本のステージを実施。最終SS20は“パワーステージ”となっている。

 3日間にわたって争われるラリーのSSは全20本で、その合計距離は300.32km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1279.87kmだ。

■Mスポーツ・フォードWRT
●ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)
「またマシンに戻り、ステアリングを握ることを本当に楽しみにしている。クリス(・パターソン/彼の新たなコドライバー)が隣にいることで、今シーズンをまったく新しくスタートできる感じだ」

「これまでともに過ごしたエリオット(・エドモンドソン)に感謝したい。彼は素晴らしいコドライバーであり、良き友人だ」

「しかし、僕のキャリアにおいて今の時点では、クリスのような経験豊富な人がマシンにもたらしてくれることから恩恵を得なければならない。これまでの小さなミスをなくすことが重要なんだ。彼の助力があればそうできると信じている」

「僕たちはワークショップでかなりの日数をすでにともに過ごしているし、ペースノートを見直している。でも今週末のテストが、僕たちが一緒にラリーカーに乗る初めての機会なんだ」

「お互いに慣れるまで多少の時間はかかるだろう。でもこれまでのところ彼との仕事は素晴らしくうまくいっている。その経験から、改善するためにできることのアイデアや提案がもう出ているよ」

「うまくいけばそうしたことが良い方向に進み、週末には力強い結果が出せるだろう。ミスをせずに安定したパフォーマンスを出したいと思っている。僕たちにそれができない理由が見当たらないよ。フィエスタWRCはターマックに強いことは分かっているから自然と特別な自信がつくし、新エンジンもポジティブな違いを生み出すだろう」

●エイドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)
「自分のキャリアの中で次のステップを踏み出すことにとても興奮しているし、Mスポーツとレッドブルがチャンスを与えてくれたことに感謝したい。そしてFFSA(フランス自動車競技連盟)と僕のパートナー全員と家族、そして支援者たちにもね。なぜなら彼らがいなければ、僕は今日ここにいることはできなかったからね!」

「フィエスタWRCをドライブするのはこれが初めてではない。昨年のラリー・レジェンドやアークティック・ラリーのイベント前のテストでも走行した。でもWRCのトップドライバーたちと戦うのはこれが初めてだ」

「学ぶべきことがたくさんあるが、僕はそれをとても楽しみにしているんだ。できる限りの知識と経験を得ることに集中したい」

「今週末のイベント前のテストでマシンを理解し、クロアチアの道路を走り始める。誰にとっても初めてのことだ。僕が見てきたところだと、ステージはとても面白そうだ。高速で幅が狭く、難易度が高い場所がところどころにある。大きなチャレンジになるが、経験することに興奮しているよ」

「純粋なアスファルトでまたラリーをするのが楽しみなんだ。ましてこのマシンでならね! スタートするのが待ちきれない。僕たちが序列のどこにいるのか、週末にかけてどう改善していけるのか、それが分かるの楽しみだよ」

■ヒュンダイ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「ターマックイベントはいつも楽しみにしている。今回は誰にとっても初めての機会だ。僕たちの誰もクロアチアで競ったことがないんだからね」

「チームとしても、ここでのステージの経験はない。難しいイベントになるだろうが、新しいイベントだということを皆気に入っていると思うよ」

「初めてのクロアチア・ラリーだから、到着次第すぐにとりかかるべき多くの大変な作業がある。できるだけ準備を整えるためにね」

●オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)
「僕はクロアチアに行ったことがないし、映像も見たことがない。今はすべてが新しい情報なんだ。独自のイベントになるといいね」

「現地の道路はとても楽しいはずだと聞いたよ。今年のチャンピオンシップではいくつかターマックイベントがあるようだから、僕たちはこのようなサーフェスを重視する必要がある」

「すぐに全力で走行し、(優勝したアークティック・ラリー・)フィンランドでのポジティブな勢いを維持していくのが目標だ」

●クレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「クロアチアは今シーズン最初のターマックラウンドで、皆にとって初めてのイベントだ。正直なところ、情報を得るのがとても難しい」

「でも興味深いイベントのようだ。良い天気になって、山の中のステージがあるといいね。ヒュンダイi20 WRCによるチャンピオンシップにおける、僕の初めての完全なターマックイベントを心から楽しみにしている。素晴らしいイベントになるだろう」

■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)
「クロアチアは新しいラリーだが、僕としてはキャリアのこの段階に至ってなお、新しい発見をできることにワクワクしている」

「今回のクロアチアのような完全なターマックラリーに出場するのは久しぶりだが、ターマックでのヤリスWRCの走りは素晴らしいので、きっと楽しめるはずだ。これまで見てきたところ、かなり難しい道が多いように思うし、狭くてダーティな道もありそうなので、色々なことが起きるだろう」

「今シーズンはタイヤが新しくなったため、イベント前のテストがとても重要だし、スリックタイヤでドライのターマックを走る最初の機会だった。何度も走ってあらゆるタイヤの組み合わせを試し、ラリー中にベストな選択ができるように準備を進めたよ」

●エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)
「クロアチアは新しい大会なので、どうなるのか予想がつかない。ステージの映像を見ることによって、可能な限り多くのことを学ぶことができたが、それでも実際にレッキ(ステージの下見走行)に参加し、自分の目でルートを見ることにはかなわないんだ」

「ステージは道幅が広い高速なセクションと、狭くて凹凸のあるセクションが混在していて、イン側の道路外にタイヤを落としてショートカットするようなコーナーも多くありそうなので、さまざまな路面や異なる特徴のステージにうまく対処する必要がある」

「このクルマと、新しいピレリタイヤでドライコンディションのターマックを走る経験はこれまであまりなかったので、テストでは色々なセッティングを試したが、走り始めてすぐに良いフィーリングを得ることができた」

●カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「良いかたちでシーズンをスタートできて非常に満足しているし、この調子を保ち続けたいと思っている」

「ドライバー選手権をリードしてはいるけれど、プレッシャーは少しも感じていないよ。まだ2戦しか終えていないし、この先長いシーズンが待っているからね。もちろん、現時点でこの位置につけているのは素晴らしいことだが、この先も戦い続けるためには努力しなければならない」

「これまでターマックラリーであっても、モンツァやモンテカルロのように雪道も走るラリーにしか出たことがなかったので、今回クロアチアで初めて純粋なターマックラリーにヤリスWRCで出場できることになり楽しみだ」

「テストの時のような、ドライ路面での戦いになることを期待している。ステージはとても良さそうですが、もし雨が降ったら、多くの泥が道に流れ出て厄介なことになるだろうね」

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