ホンダF1田辺TDレース後会見:昨年からの戦闘力向上を確信「混戦での2位は最善の結果。実力が裏付けられた」

1

2021年05月03日 19:31  AUTOSPORT web

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2021年F1第3戦ポルトガルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
アルガルベ・サーキットでの初開催だった昨年のポルトガルGPで、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、勝者ルイス・ハミルトン(メルセデス)に30秒近い大差をつけられての3位獲得が精一杯だった。それに比べ今回の2位表彰台は、「確実に戦闘力の向上が実感でき」「開幕2戦で見せた実力が裏付けられたレースだった」と、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは総括した。

 しかし一方で、「まだまだ(メルセデスに)追いつき、追い越せという状況は変わっていません」とも。それだけに「マシン戦闘力を総合的に判断できるベンチマーク的なコース」であるバルセロナ-カタロニア・サーキットで開催される次戦スペインGPの展開には、田辺TDも大いに注目していた。

────────────────────

──まずは週末の総括からお願いします。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):レッドブルの2台が予選3、4番手。レースは2位表彰台と4位入賞の結果でした。アルファタウリは予選ポジションを落としつつも、何とか10位完走。角田選手は予選がうまくいかなかったことが響いて、レースも苦しい走りでした。パワーユニット(PU)は問題なく3日間を走り、トラブルなくレースも終えられました。

──マックス・フェルスタッペンの2位表彰台を、どう捉えていますか。

田辺TD:マックスはミスもあってポールポジションを獲れませんでしたが、レースは序盤からメルセデス2台に絡み、最後は2台に割って入る形で2位表彰台を獲得した。これからの長いシーズンは獲ったり獲られたりの展開になるでしょうし、その意味でも混戦のなかでの今回の2位は最善の結果だったかなと思います。戦闘力が接近しているだけに、予選結果がレースに大きく影響する。予選で最善の結果を出し、レースでもきちんと走る。当たり前のことですけど、それがうまく回るように、これからも戦っていくつもりです。

──昨年のポルトガルと比べても、進化は実感できていますか?

田辺TD:昨年は予選でコンマ数秒差をつけられ、レースはトップから30秒遅れの3位でした。数カ月後に戻ってきた今回は、戦闘力は確実に上がっています。最後のピットインがなければ、レースも5秒遅れほどでした。開幕2戦で見せた実力が裏付けられたレースだったと思います。ただしまだまだ追いつき、追い越せという状況は変わっていません。

──とはいえほぼノーミスのレースだったにもかかわらず、勝つことができませんでした。

田辺TD:昨年からすでにそうでしたが、すべてがうまく回ってようやくメルセデスの前で予選を終えられる。今年は本当に拮抗した戦いなだけに、予選のちょっとした差が明暗を分ける。それは確かですね。

──敗れはしましたが、まだ戦えるという手応えに変わりはない?

田辺TD:それはそうです。たとえ今の段階で、「うわあ(もうかなわない)」という状況であったとしても、今年がホンダ最終年ということもあって、いっそう高いモチベーションを維持させてやっているつもりです。

──特にアルファタウリが前2戦のような速さを見せられなかった原因は何でしょうか?

田辺TD:午後になるとさらに強まった風、それとはやり路面ですね。昨年は初開催ということもあって様子見の側面もあったのですが、2回目となる今回もなかなかグリップが上がらなかった。そのあたりのコンディションはどのチームも同じ条件なのですが、そこにクルマのパフォーマンスが加味されると、なかなか難しい3日間でした。

──次戦スペインGPはどんな力関係を予想していますか。

田辺TD:毎年カタルーニャは開幕前テストでみっちり走り込むこともあって、マシン戦闘力を総合的に判断できるベンチマーク的なコースになっています。これまで3戦で出た結果が、カタルーニャではどう変化するのか。そのあたりに注目したいですね。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定