STCC王者ロブ・ハフはタイトル防衛に挑戦。開幕前公式テストは各陣営が最速更新の大混戦

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2021年05月10日 16:31  AUTOSPORT web

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4台体制に拡大するLestrup Racing(レストラップ・レーシング)は王者ロブ・ハフの残留を正式にアナウンス。ともにタイトル防衛を目指すことを決めている
この2月にも改訂版カレンダーを発表し、6月の開幕を目指す“TCRスカンジナビア”ことSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権は、最終戦の舞台となるクヌットストープと、今季初開催のユンビヘッド・パークの2箇所で開幕前公式テストを連続開催した。各陣営ともこのテストに合わせて体制発表を行い、4台体制に拡大するレストラップ・レーシングは王者ロブ・ハフの残留を正式にアナウンス。ともにタイトル防衛を目指すことを決めている。

 TCR規定を採用して5年目を迎えるSTCCの新シーズンに向け、参戦初年度にロバート・ダールグレン(クプラ・レオン・コンペティションTCR/PWRレーシング)やトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS/ブリンク・モータースポーツ)らと最終戦までタイトル争いを展開したハフが、ディフェンディングチャンピオンとして2年目のシーズンを戦うことを決断。シリーズ連覇を目指す決意を表明した。

「僕が経験してきた長いツーリングカーのキャリアにおいても、2020年はおそらくもっともエモーショナルな展開の1年だったと感じている。そのSTCCにチャンピオンとして凱旋し、ふたたびタイトルを目指して戦えることに興奮している」と、新シーズンへの意気込みを語った元世界王者のハフ。

「昨季は僕にとって完全に“未知の領域”での勝負だった。訪れた4つのサーキットともに初挑戦のトラックだったからね。でも、そのおかげで2021年に向けてはるかに準備が整っていると思う」と続けたハフ。

「これによってすべてを最初から学ぶ必要はなく、特定のサーキットに対してどのようにマシンをセットアップしていくべきか。その方向性やクルマへのアクセスが確実に容易になるはずだ」

「昨年、チームが示してくれた僕への尽力には心から感謝しているんだ。彼らとふたたび新しい挑戦を始められることを楽しみにしているし、今季も激しい競争が続くだろう。それに立ち向かうため、可能な限りの準備と努力を続けるよ」

 そのハフを迎えるレストラップ・レーシングは昨年、チーム史上初のドライバー、チームの両タイトルを制覇する記念すべきシーズンとなった。

「そう、あの感動的な体験はチームのメンバー全員にとって素晴らしいマイルストーンになった。ロブとの協力関係を継続し、またその続きを始められることにワクワクしているし、心から光栄に思う」と語るのは、チーム共同創業者で自身もドライバーだったフレデリック・レストラップ。

「我々は初年度に向けても当然好成績を期待していたが、ロブはその期待をはるかに上回る戦績を残してくれた。我々はモータースポーツへの情熱を正しい方法で共有しており、彼の周りには今季も変わらないチームがある。これこそ、タイトル防衛に向けての重要な要素になるだろうね」


■テストはセッションごとに最速車が入れ替わる展開

 チームはすでに、昨季もルーキーイヤーでハフの僚友を務めたオリバー・セーデルシュトレームと、新人のロビン・クヌットソン、そして昨季にカヤード・レーシングからSTCCデビューを飾った48歳のミカエル・カールソンの起用を発表済み。これにより2021年はマシン倍増の4台体制を敷くことが決まっている。

 一方でそのカヤード・レーシングは、チーム5年目となるアンドレアス・アールベルグ、ヒューゴ・ネルマン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)らとともに5月3日からの公式テストに参加し、強豪ブリンク・モータースポーツもエースのトビアス・ブリンク、ハンス・モーリンに加えて、現ポルシェ・カレラカップ・スカンジナビア王者のルーカス・サンダールを起用してオフテストに臨んだ。

 2箇所連続開催の前半となるリング・クヌットストープでのセッションから不安定な天候に見舞われるなか、まずはレストラップ・レーシングで2年目を迎えるセーデルシュトレームと王者ハフが、彼ら2台のゴルフだけが1分台を切るタイムを並べてワン・ツーを記録。その背後には、2021年から欧州地域最初のカスタマーとしてリンク&コーCo 03 TCRにスイッチすることを発表したマティアス・アンダーソンが続くリザルトに。

 するとセッション2ではブリンク・モータースポーツが逆襲し、ブリンクとサンダールがタイムボード最上位に並び、カヤード・レーシングのアールベルグが続くトップ3となる。最終セッション3はPWRレーシングの元王者ダールグレンと、史上初のSTCC女性ウイナーにも輝くミカエラ-アーリン ・コチュリンスキーのクプラ・レオン・コンペティションTCRが最速タイムで締め括る目まぐるしい推移のテストとなった。

 そのままSTCCエントラント一行は、かつて軍事飛行学校も併設された100年近い歴史を誇る全長2.1kmのユンビヘッド・パークに移動してテストを続行したが、ダールグレン、ハフ、ブリンクとタイトル候補が並んだ雨中のオープニングセッションでは、レッドのカラースキームを採用するレストラップの新人クヌットソンが大クラッシュを喫して赤旗終了。ゴルフGTIは大破し、その後のセッションを回避する事態となった。

 そのままウエット状態が続いたセッション2はダールグレンが、そして開幕前公式テスト最終セッションはブリンクのモーリンが最速となり、6月同地での開幕を前に、2021年のSTCCシリーズは大混戦の様相を呈している。

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