おいでやす小田 の直球型ツッコミ芸が話題 叫ぶだけで笑いを起こせる非凡な才能

91

2021年05月15日 11:30  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真おいでやす小田(C)朝日新聞社
おいでやす小田(C)朝日新聞社
 プロの芸人が見せる笑いには「動きの笑い」と「言葉の笑い」の2種類がある。どちらも高度な技術が求められる立派な芸ではあるのだが、どちらかというと今は言葉の笑いが優勢の時代であり、テレビなどで活躍する芸人のほとんどがそちらを得意としている。

【写真】くりぃむ上田に「天才」と言われながら25年間パッとしなかったのはこの人

 人間がこの世に生を受けてから最初に知るのは動きの笑いの方だ。「リズムネタ」と言われるような歌や音楽やダンスを取り入れたネタが子どもにウケやすいのは、言語能力が発達していなくても理解しやすい原初的な笑いだからだ。

 現代は言葉の笑いの時代であり、芸人たちは瞬間的に繰り出すフレーズの面白さを競い合っているようなところがある。芸人が自分の出演したバラエティ番組を見るときには、自分の発言がテロップになっているか(文字として画面上に表示されているか)を気にすることが多いという。

 最近のバラエティ番組ではやたらとテロップが多用されているイメージがあるかもしれないが、実際には出演者の発言の一語一句がテロップとして出てくることは少なく、どうしても聞かせたい決めの一言がテロップになりやすい。だからこそ、芸人は自分の渾身のボケや鋭いツッコミがテロップになってウケているのを見ると、手ごたえを感じるのだ。

 一方、テレビ制作者が出演者の発言をテロップにするのには別の意図もある。それは、インターネットユーザーへの配慮である。今の時代、面白いテレビ番組はSNSなどで話題になることで多くの人に拡散していく。

 一部の熱心なテレビウォッチャーは、自分が面白いと思った瞬間のテレビの画像をキャプチャーして、SNSなどに投稿する。これ自体は著作権法に抵触する可能性のある行為だが、番組の宣伝になるため、多くの場合はテレビ局側も黙認しているようなところがある。

 そこを意識して、作り手の側も「キャプチャーしたくなるような面白い瞬間」を作ろうとする。そのためには、芸人が面白いフレーズを言ったときには、それをテロップでフォローした方がいい。このような事情もあり、テレビでは言葉の笑いはますます重宝されるようになっている。

 ツッコミのやり方にも時代ごとの流行り廃りがあり、今はツッコミのフレーズ自体を工夫するのが主流だ。何かにたとえてツッコむ「たとえツッコミ」などが人気を博していて、それを得意とする芸人が活躍している。

 そんな中で、時代に逆行したツッコミ芸で話題になっているのが、ピン芸人のおいでやす小田である。彼はピン芸人のこがけんとのコンビ「おいでやすこが」として、2020年の『M−1グランプリ』で準優勝を果たし、一気にブレークした。

 おいでやす小田は、頭の血管が切れそうなほど激しく力強いツッコミで知られている。あまりフレーズをこねくり回したりしない直球型のツッコミである。古き良き王道のツッコミと言ってもいい。

 そんな時代にそぐわないツッコミ芸を売りにしていたということもあり、おいでやす小田はピン芸人としてはなかなか世間に認められなかった。専門家には高く評価されるしっかりした芸を持っていたので、ピン芸日本一を決める大会『R−1グランプリ』では5年連続で決勝に進んでいた。しかし、一度も優勝することはできなかった。

 おいでやす小田のツッコミ芸は芸人の間では以前から評判だった。特に、雑にいじられたときの返しの面白さには定評があり、仲間の芸人たちが彼をひたすらいじり倒す「おいでやす小田で遊ぼう」というライブもたびたび行われていたほどだ。

 ピン芸人だった彼の才能は意外な形で開花した。こがけんとコンビを組んで、漫才を披露したところ、それがウケまくった。あれよあれよという間に昨年の『M−1』では決勝まで勝ち上がり、あと一歩で優勝というところまで行った。
 
 おいでやす小田が『M−1』で評価されたのは、コンビで漫才を演じることで、彼のツッコミの面白さが伝わりやすくなったからだろう。一人芸のときには、架空のボケ役を相手にして彼がツッコミをいれるネタが多かった。

 その形式だと、舞台上ではおいでやす小田が1人で一方的にツッコみ続けているように見えてしまうため、お笑い好き以外の一般人にとってはやや味付けが濃すぎるというふうに感じられたのかもしれない。こがけんのボケに対するツッコミに徹したことで、純粋なツッコミの面白さが際立つことになった。

 5月9日放送のフジテレビの大型お笑い特番『お笑いオムニバスGP(グランプリ)』では「ドッキリツッコミGP」という企画が行われた。ツッコミ芸人が集まって、それぞれが落とし穴に落とされたりしながら、そのときにどうツッコむかを競い合うというものだ。

 ここでもおいでやす小田は生き生きとしたツッコミ芸を見せていた。浅い落とし穴に落とされたときには、いくつかツッコミを披露した後、最後に「コラーーー!」と叫んでみせた。その前にもフレーズを工夫したツッコミはいくつか放っていたが、個人的にはこれが一番面白かった。

 おいでやす小田に気の利いたフレーズなんて要らない。「コラーーー!」や「おーーーい!」で十分だ。それだけで笑いを起こせるところが彼の非凡な才能なのだ。「ツッコミの神に愛された男」の至高の芸に今後も注目したい。(お笑い評論家・ラリー遠田)

このニュースに関するつぶやき

  • 【『うるさい����』って大半の人はいうのだろうな。俺的にはこの人の扱いうまくすれば、もっといいように転がると思うな。『純粋やとおもう。子供が駄々をこねた感じのお母さんにおねだりしてわがまましてる大人みたいな』おいでやすをすかすのが最近はまってる。】
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • この人とミキの兄貴はうるせえだけで、何一つも面白くない ファンごめん https://mixi.at/a8jP9OY
    • イイネ!48
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(75件)

ニュース設定