創意工夫はモノヅクリの醍醐味 100均アイテムとコンビニ印刷機で「オニヤンマ」を再現

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2021年05月21日 09:01  おたくま経済新聞

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おたくま経済新聞

創意工夫はモノヅクリの醍醐味 100均アイテムとコンビニ印刷機で「オニヤンマ」を再現

 登山やハイキングなどアウトドア趣味の人の間で人気となっている「おにやんま君」。その名の通り、昆虫の「オニヤンマ」の形状をした実物サイズの商品です。


 オニヤンマは、餌として蚊やアブなどの小型の虫を捕食します。そんな特徴もあってか「虫よけアイテム」として「おにやんま君」の人気が沸騰。特に「アウトドアシーズン」の夏は、販売制限のアナウンスがかかるほど人気となっているのです。


【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】


 「『おにやんま君』が転売屋の餌食になって買えないので、カッとなって自作しました。透明羽根が上手くできたので、遠目には本物ぽくなって満足です」


 こう語るのは、登山やサイクリングを趣味とするTwitterユーザーのTakeさん。夏シーズンは、「虫よけスプレーでは汗で流れてしまい、蚊取り線香は火を使うので管理が大変なんです」ということで、おにやんま君の購入を試みましたが、「品薄状態」のために叶わず。


 そこで閃いたのが「そうだ、売ってないなら自分で作ればいいじゃないか」。


 結果として、よりリアルなオニヤンマを作りあげ、Twitterで公開したところ、1万以上ものイイネがよせられる大反響となっています。ちなみにこの反響には「ここまでの反響になるとは正直戸惑っています」とTakeさんは驚いていました。


■ インドア趣味の技術をフル発揮

 Takeさんは会社勤めの傍ら、アウトドア趣味のほか、絵や漫画、模型などのインドア趣味の創作活動もしています。モノヅクリは得意な方。早速材料を100円ショップで買い集めて、制作にとりかかりました。


 オニヤンマの胴体と頭部は、アルミの針金を芯にして、その上から造形用粘土で型取り、目などの部分は現物に合わせて、塗装を施し仕上げていきました。


 作る上では、これまでに自身が山道で撮影したオニヤンマの実物写真や、昨今昆虫業界を震撼させているTV番組「昆虫すごいぜ!」(NHK・Eテレ)公式HPの「オニヤンマ回」のページを参考にしたといい、おかげで「さっき捕獲してきましたよ」と言っても納得できそうなほどリアルに仕上がっています。



■ ダメ元のつもりで挑んだ羽作り

 次に羽部分の制作にとりかかりました。仕上がったものは、Takeさんご本人が言うように、「遠目には本物ぽくなって」見えます。コンビニに設置されているレーザプリンタを活用して再現したそうで、その細かい手順をおしげもなく自身のTwitterで公開しています。


透明羽根は案外簡単にできるので作り方書いておきます。
 1 羽根柄をコンビニなどでレーザープリンタにて印刷
 2 切り出して梱包用透明シールに貼り付け
 3 しばらく水につけておくと紙が溶けて、印刷柄だけ残ります
 4 歯ブラシなどで細かい紙片をこすって除去すると奇麗に完成


 あっさり手順を公開していますが、実はこの手順にはTakeさんなりの創意工夫がつまっています。


 「元々『透明シールを印刷する方法』で検索していたんですが、そこで『梱包用テープにレーザープリンタ印刷したものを貼って、それを水で紙部分を溶かす』という食器用ラベルの作り方を発見したんです。ただ、実は我が家にはレーザプリンタがないんです。なのでどうしようか……と考えていたんですが、そういえばコンビニなら、『レーザプリント印刷』が可能ということに気づきまして。半ばダメ元で試してみたんです」


 そこで近くのコンビニで、事前にデザインしていた用紙をレーザープリント印刷。プリントしたものを持ち帰って今度は、梱包用テープに貼り付け。さらに水に浸してから歯ブラシで擦ってみました。ダメ元なので“すんなりいかなくてもしょうがない”と思っていたところ……、まさかのすんなり「透明羽根」が完成。


 出来上がった羽は本物と見紛うかのようなリアリティさ。それを手作り「オニヤンマ」にとりつけると、今にも飛び立ちそうなクオリティーに仕上がりました。これには、夏の登山やサイクリング時に、Takeさんを長年悩ませてきたアブやブヨといった「天敵」たちも、眼前に現る「天敵」により、おいそれと近寄ってこないのでは。



■ 「色々な応用をして楽しんでもらえば」

 今回Takeさんが作りあげたオニヤンマは材料を100円ショップで揃えることができ、使う機材もコンビニのプリンタ。お子さんに「ものつくりの楽しさ」を教えたい親御さんにとっては、最高の教材になるのではないでしょうか。


 Takeさんも「今回は『羽根の作り方』として紹介しましたが、容易に入手できる材料で、簡単に出来る造形の表現方法として色々な応用をして楽しんでもらえば」と、最後に語っています。



<記事化協力>
Takeさん(@Take0627)


(向山純平)


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