ADもプロデューサーにも同じ態度?  なぜ、ウッチャンは誰に対してもフラットに接するのか

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2021年06月14日 10:10  AERA dot.

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写真内村光良(撮影/写真部・掛祥葉子)
内村光良(撮影/写真部・掛祥葉子)
 内村光良は人を肩書で判断せず、すべての人に“平等”に接するという。理想の上司ランキング、男性部門で5年連続第1位のウッチャンこと内村光良の“上司力”に迫った書籍『チームが自ずと動き出す 内村光良リーダー論』(朝日新聞出版)は11日の発売前に重版が決まるなど、注目を集めている。関係者への取材をもとに同著をまとめた、博報堂ケトルのクリエイティブディレクター・畑中翔太がリーダー内村を分析する。

【写真】「理想の上司ランキング」女性部門の1位はこの人

第4回目のテーマは「肩書に差をつけない」。

*  *  *
 内村はたとえ相手が出演者であろうが、プロデューサーであろうが、照明のスタッフだ ろうが、衣装の助手だろうが、それぞれの存在にまったくと言っていいほど「差」をつけない。つけない、というより内村の中にそこに「差」が存在しない。

「内村さんは、とにかく全てにおいて平等なんです。たとえばスタッフの助手の子と、プロデューサーの私の間に、全く差をつけない。そういう接し方をする方です」

 これは内村が監督した映画『ボクたちの交換日記』でチーフプロデューサーを務めた関西テレビ・重松圭一氏の言葉だ。長時間にわたる映画撮影の場合、連日連夜、現場で忙しく働くスタッフと違い、プロデューサーは時折、顔を出す存在だ。だからこそ来訪した際には気を遣い、意図的に会話の回数を増やす監督や出演者は少なくないのだという。

 想像してみてほしい。もしあなたが映画スタッフの一員で、出演者や監督に対して「この人は相手によって態度を変える人だ」と感じたなら、それが業界の常と理解していても決して気持ちがいいものではないだろう。

 一方、内村はそういった態度を一切取らず、プロデューサー、ベテランスタッフ、新人スタッフ、誰に対してもまったく同じ態度で、普通に会話をするという。

「現場の若い人たちは、内村さんのこのフラットな接し方にまず驚きます。そういう人となりがいつの間にか、“内村さんの思いに応えたい”という現場のモチベーションにつながっていると思います」(前出・重松氏)

 翻って、これを一般社会に置き換えて考えてみよう。私たち社会人という生き物は、どうしても「肩書」に差をつけてしまう。相手先のクライアントであれば、決定権者である“キーマン”をより懇意にするし、撮影現場であれば、総指揮である“監督”の言葉に最も耳を傾ける。アルバイトであっても、新人のアルバイトよりも長年勤めている “ベテラン”の意見をより大事にしてしまうだろう。

 それは決して「差別」意識からではなく、私たちはビジネスの目的達成のための効率的なアプローチとして、自然と「差」をつけているのである。

 これが業務を最短距離で進めんとする際に直面する現実ともいえる。ゆえに、いくら「肩書に上下をつけない姿勢が、チームメンバーのモチベーションを上げ、あなたに尽くしたくなるのだ!」と筆者が大見えを切ったところで、多くの責務を負うリーダーがおいそれと実践できないことは、重々承知している。

 ただし、これは「内村だからできる」ことでもないのも事実。要は、その意識を持つか、持たないか、でしかない。そこで、この姿勢を習得するにあたり重要な“意識づくり”について考えたい。

 着目しておきたいのが、内村が人の立場や肩書というものを、「目的達成のためにそれぞれの役割を担う平等な構成員」と捉えている点。

 例えば、バラエティー番組であれば、彼は「MC」という一つの役割を担う構成員。そして照明スタッフは、その番組において「照明」という役割を担う構成員。そこに上下関係はなく、互いに「番組制作」という一つの目的達成に向かっている“一構成員”同士であるという考え。

 それは自身に対しても同じ。

 NHK『LIFE!』で総合演出を担当する西川毅氏いわく、内村は、「上下関係みたいなもの、例えば自分を持ち上げてくれとか、丁寧に扱ってほしいとか、敬ってほしいとか、一切、人に求めない」そうだ。

 つまり、内村は自分自身のことも、仕事という現場における一要素と捉えている。それゆえ、そもそも自身も他者も肩書に上下がない。

 あなたがリーダーという立場であっても、クライアントという立場であっても、それはその瞬間にあなたがチームにおける一構成員として担っている単なる「一つの役割」であり、相手も相手で別の役割を担っているにすぎない。正社員だろうが、契約社員、派遣社員であろうが、「役割」に違いはあれど、それ以外の区別はそこに必要ない。

 そのような意識を持つことで、リーダーが陥りがちな「私がいないと成り立たないのだ」「私の方が彼よりも偉いのだ」という“おごり”を消し去ることができる。自分も他のメンバーも異なる役割を担う以上、それぞれが必要で大切なのだという基本に立ち返れば、自らの肩書に対する過度な自信や傲慢(ごうまん)さは排除される。

 それに伴い、チームの中で果たすべきそれぞれの役割に尽力してくれるすべての立場の人々に対して、「感謝」と「リスペクト」の精神が芽生えていく。この「リスペクトの精神」を自身の根底に育てることが、チームを動かすリーダーにとって最も重要ではないだろうか。

●畑中翔太(はたなか・しょうた)
博報堂ケトルクリエイティブディレクター。アクティベーション領域を軸に手段とアプローチを選ばないプランニングで、「人を動かす」統合キャンペーンを数多く手掛ける。 これまでに国内外の150以上のアワードを受賞。Cannes Lions 2018 Direct部門審査員。2018年クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリスト。

このニュースに関するつぶやき

  • 変なコメンテーターとかやらないで笑いに徹してるところではウンナン両方とも好感。
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  • ADもどこで出世するかわからないしね・・ADを邪険にして、のちに干された芸能人は数知れず・・・。
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