離婚後の“その先”を描くのが新たなトレンドに? 連ドラで描かれる新たな“離婚観”

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2021年06月21日 08:40  ORICON NEWS

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写真『リコカツ』で、結婚初日から離婚活動する妻役を務める北川景子 (写真:KOBA) (C)ORICON NewS inc.
『リコカツ』で、結婚初日から離婚活動する妻役を務める北川景子 (写真:KOBA) (C)ORICON NewS inc.
 3組に1組が離婚しているといわれる現代。また、生涯未婚率も男性23.4%、女性14.1%(総務省統計局/2019年)となった今、“結婚”は当たり前の選択肢ではなくなり、人生のゴールとも、墓場とも言い切れなくなった。そんな現実を反映してか、今クールのドラマでは『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)、『リコカツ』(TBS系)と、“離婚”をテーマにしたドラマが目立っている。両作品とも結婚生活より離婚後・離婚決意後の元・夫婦の人間関係に焦点が当てられたドラマだ。昭和の時代から離婚を描くドラマはあったが、令和における離婚ドラマの描き方はどのように変わったのだろうか。

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■不倫ドラマのヒット、結末として“離婚”描いた80-90年代

 1980〜90年代の離婚を扱ったドラマを振り返ると、核家族間の交流とそのなかで起こる不倫を描いた『金曜日の妻たちへ』に始まり、『ずっとあなたが好きだった』『不機嫌な果実』(以上TBS系)、渡辺淳一の同名小説が原作である『失楽園』(日本テレビ系)などが挙げられる。これらドラマのなかで、離婚は「別に好きな人ができた既婚者が、その人と結ばれる(結婚)ための手段」として描かれてきた。

 それぞれのドラマは結果的に、「離婚後、夫は不倫相手と結婚、妻は既婚男性と不倫関係になる」(『金曜日の妻たちへ』)、「マザコン夫(冬彦さん)との子を妊娠するも離婚。ずっと好きだった人と結婚」(『ずっとあなたが好きだった』)、「不倫していた若いイケメンと結婚するも、結局また不倫」(『不機嫌な果実』)、「青酸カリで心中」(「『失楽園』)と、なかなかドラマチック。

 80-90年代というと、『男女7人夏物語』『東京ラブストーリー』など、若者たちのおしゃれな恋愛を描いたトレンディドラマが流行。一方で、前述の『金曜日の妻たちへ』によって“不倫”ドラマというジャンルが確立した時期でもあった。離婚というよりは“不倫”が主眼であり、性描写なども今では考えられないほど過激に描かれた。離婚はこうしたスキャンダルの山場として機能したのだ。


 
 80〜90年代と、別の愛する人と結婚するための手段としてドラマチックに描かれてきた離婚。それに比べて今クールドラマでの離婚の描かれ方をみると、『大豆田とわ子』の場合、はっきりと描かれていない部分も多いが「女性関係」(1人目の夫)、「姑問題」(2人目の夫)、「自尊心の欠如」(3人目の夫)と様々である。また『リコカツ』では、「生活環境や価値観の相違(いろいろと相性が合わない)」により即日、離婚を決意するなど、両作品において“愛憎の渦巻くドロ沼離婚”といった状態にはほど遠く、次の結婚ありきの離婚、といったものとしても離婚は描かれていない。

 こうした変化には、現代社会の実際の離婚理由の変化も影響しているかもしれない。データによると80年代から一貫して、離婚理由の1位は「性格の不一致」である。一方、「異性関係」となると、80、90年代では女性約30%弱、男性20%弱だったのが、2019年には女性15.4%、男性13.4%と明らかに下がっている(参照:「性別離婚申し立ての動機別割合の推移(1975‐2019)」司法統計/最高裁判所)。

 さらに見てみると、『金曜日の妻たちへ』が放送された1983年、離婚理由の上位3つは「性格が合わない(42.5%)」「暴力をふるう(36.4%)」「異性関係(30.8%)」であった。それに比べて、2019年のデータによると妻側は「性格が合わない(39.2%)」「生活費を渡さない(29.4%)」「精神的虐待(25.2%)」。夫側は「性格が合わない(60.3%)」「精神的虐待(20.2%)」「その他(20.2%)」と、やはり夫婦ともに「異性関係」が離婚理由としてウェイトを下げていることがわかる。

 離婚する理由として異性関係が要素として強く入れすぎるよりも、時にどちらかが一方的に悪いとは言い切れない多様な要因を描くことで、『大豆田とわ子』と『リコカツ』の両作品とも、より多くの視聴者から共感を得ているといえる。


 とはいえ、今期になって急に離婚を題材にしたドラマが増えたわけではない。天海祐希主演の『離婚弁護士』(フジテレビ系/2004年)は、離婚以外の家庭内のいざこざなども扱ったいわば“人間ドラマ”。『最高の離婚』(同/2013年)は『リコカツ』にも出演する永山瑛太が主演で、サブタイトルでは「なぜだろう。別れたら好きになる」と謳っている。つまり、2000年代に入ったあたりで80〜90年代の“ドロ沼不倫劇”からはすでに脱し、今クールにつながる“イマドキ離婚”が描かれていたということだ。

 離婚自体は今や一般社会によく見られる“あるあるネタ”の一つになったといえる。『大豆田とわ子』のように3回結婚し3回離婚したり、『リコカツ』のように主人公夫妻だけではなく、周囲でも離婚の話が同時多発的に起こる様子は、コメディである反面、リアルさも含んでいる。

 離婚が身近なものとなるなか今期のドラマで特筆すべきは、離婚・離婚決断後に元・パートナーと新たな関係を築きあげていくことに主眼をおいていることである。『大豆田とわ子』は、3人の元夫と離婚後も交流が続く様子を描く。LINEをし、元夫の店に行き、不本意なところはあるものの元夫たちが家に集い、元夫どうしも繋がっている。さらに、結婚初日に離婚を決意する『リコカツ』では、お互いにまだ微妙に惹かれ合っており、「離婚する理由を100考える」という“リコカツ(離婚へ向けた活動)”に入るが、どこか復縁しそうな気配すらある。離婚後・離婚決意後の元・夫婦のみせる関係ない/気になってしまうという絶妙なもどかしい空気感や、マイナスから関係を再構築していくところにドラマ性をつくりだしている点で、これまでのドラマでの離婚とは様相を異とする。

 現実的には、これ以上結婚生活を続けるのが無理だと決断した夫婦が歩みよるのは難しく、離婚した元夫婦、ましてや元夫同士が仲良くなるようなケースはレアだろう。今期ドラマが描きだすような、離婚の先に続く元夫婦の関係性はドラマの世界の話だからこそ楽めるものだろう。しかしドラマの世界においては、図らずも「新しい離婚スタイル」を提唱することもありえるし、実際、現実のほうがドラマに近づく日も近いのかもしれない。

このニュースに関するつぶやき

  • 不倫と離婚は、ワンセット離婚は結婚の何倍もパワーいる とか!?少しのゴーマンさとお金が使えば簡単にですます…離婚なんてね。×4の俺が言うてるんだから、間違いない!この世に生を受け 一度きりの 人生やりたい放題やっちゃえ OSSAN (笑)
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  • 離婚するには結婚の倍エネルギーを使います。この意味わかりますか??離婚するには相手を嫌いにならないと出来ないのです。愛した分だけその真逆のベクトルの力が要ります。何がリコカツだ。
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