昔の中国なら処刑? 高嶋ちさ子の「母もかなり手こずった」過去

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2021年08月01日 11:30  AERA dot.

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写真高嶋ちさ子 [撮影/写真部・高橋奈緒、ヘアメイク/豊田ちえ、スタイリング/小笠原靖子、衣装協力/MIKIMOTO]
高嶋ちさ子 [撮影/写真部・高橋奈緒、ヘアメイク/豊田ちえ、スタイリング/小笠原靖子、衣装協力/MIKIMOTO]
 最近はご家族のことをオープンに書いたご本、『ダーリンの進化論』が話題のヴァイオリニスト・高嶋ちさ子さん。作家・林真理子さんとは、実は30年来のお知り合いだとか。思い出話にも花が咲く対談になりました。

【林真理子さんとのツーショット写真はこちら】

*  *  *
林:私、高嶋家の皆さんを昔から存じ上げていたので、ちさ子さんがご家族についてお書きになった『ダーリンの進化論 わが家の仁義ある戦い』を読ませていただいて、なつかしく思いました。

高嶋:うれしい! もう忘れていらっしゃるかなと思ってました。

林:ちさ子さんのお兄ちゃんが、私の夫の会社の後輩で「妹がマイアミでオーケストラやってて、今度戻ってくるんです」と紹介してくれました。だからちさ子さんのことは30年くらい前から知っていますよね。あのころ、けっこうお会いしていましたね。

高嶋:そうですね。

林:「こんなにおしゃべりがおもしろいんだから、そっちの世界に行ったら?」って、私が言ったの覚えてる(笑)。

高嶋:実は、真理子さんにお会いしたころって、たぶん人生でいちばんどん底で、暗黒期だったんですよ。結婚したいのに、どんなに合コンやっても相手が見つからない。仕事もうまくいかなくて、すごく弱気じゃなかったですか?

林:まったくそんなふうには見えませんでした。「モテモテだろうな」ってみんな思ってたと思う。

高嶋:ぜんぜんそんなことありませんよ。当時なんか親に生活費を借金してて。結婚するときに「借金帳」というのを渡されて、見たら、青学(青山学院)の初等部の学費から何から、全部領収書が貼ってあるんです(笑)。おそろしい。でも、全部返しました。

林:素晴らしいやり方です。子どもにはお金かかりますもんね。

高嶋:母は大変だったと思いますよ。うちはきょうだい3人いたから。

林:しかも、いちばんお金がかかる音楽をやっていらして。

高嶋:留学までしちゃったし、ダウン症の姉もいるし。

林:みっちゃんですね。ご本にたくさん登場されてました。

高嶋:彼女、器用なんですよ。今は父と二人で住んでいるんですが、食事の用意、ゴミ出し、洗濯、何でも姉がやるんです。あと、すごく口が立つんです。

林:それは……。

高嶋:血筋ですよね。

林:私の口からは言えなかったけど(笑)。お母さま、お亡くなりになったんですね。

高嶋:そうなんです。4年前、平成29年8月29日、「焼き肉の日」に(笑)。実際、焼き肉好きでしたしね。81歳だったと思います。

林:ほんとにすてきで、おきれいな方でしたよね。

高嶋:母がですか? そうだったかなァ(笑)。

林:そうでしたよ。当時珍しい慶応卒で、お美しい方でした。

高嶋:しかし気位が高くて。ほんとはピアニストになりたかった人で、自分がなれなかったから私に夢を託したというタイプです。

林:もうちょっと長生きしてほしかったですよね。

高嶋:ほんとそうです。うちの次男がチェロをやってて、けっこう弾けるんです。それで、このあいだサントリーホールに私が出たときに、次男も出て、母がいちばん好きだった曲を弾いたので「聴かせたかったねえ」って話してたんです。でもまあ、しょうがない。先に死ぬほうが悪いんだから(笑)。

林:お父さまはビートルズのレコードの初代担当ディレクターだった方ですね。お嬢さんとお孫さんの共演、お喜びだったでしょう。

高嶋:そうですね。けど、あんまり役に立たないほうが生き残るんですね。面と向かってそう言ってますけど(笑)。

林:お母さま、ちさ子さんをゆがめずこういう性格に育てたってすごいことだと思う。

高嶋:でも、かなり手こずったらしく、放っておいたらとんでもない子になっちゃうからと、昔で言う八卦見、今で言う占師のところに私を連れていって、「この子をどう育てたらいいでしょうか」ってしょっちゅう相談してました。

林:ちさ子さんのことをなんて言ったんですか、占師の人は。

高嶋:「お母さんだけでなく、誰の言うことも聞かない子です。ただ、一人で生きていくことはできるので、そんなに心配しないで」と言われてたみたいです。

林:ちさ子さんのその性格は誰に似たんですか。

高嶋:いや、私、自分ではごくふつうの、とても一般的な人間だと思っているんですけど。

林:でも、すごくはっきり言うじゃないですか。以前、テレビを見てたら、小学生くらいのちさ子さんの息子さんが、お母さんにあてた手紙を朗読していたんですよ。「僕はお母さんよりコワい人を見たことがない。だからどんなことでも耐えられる」って(笑)。

高嶋:アハハハ。息子は「ママさえいれば、どこにいてもやっていける」って言ってますね。夫と結婚する前、共通の友達と一緒に香港に行って、よく当たるという風水の方にみてもらったんです。夫が先にみてもらったら、「あなたはびっくりするぐらい気の強い人と結婚します」。次に私の番になったら、「あなたは気が強すぎる。昔の中国だったら処刑されてます」って(笑)。

林:ひぇ〜! 中国には、気が強くて嫉妬心も強い女性がいましたからね。則天武后とか。

高嶋:私、笑っちゃって。でも、自分は気が強いと思ったことないんですよ。こう見えて、言いたいことの半分も言えてないんです。

林:あ、そうなの? うちなんか夫が怒ってばっかりいて、言い返したらケンカになるから、右から左に聞き流しているうちに、私、すごく人間ができてきましたよ。

高嶋:うちの夫はなんにも言わないです。私の食べかけを見て、「ちーちゃん、もういらないの?」って片付けてくれたり、「コーヒー!」って言ったら、「どうぞ」って持ってきてくれたり(笑)。

林:まあ、すごい! このあいだうちの娘とホテルニューオータニを歩いてたら、高嶋家ご一家にお会いしたじゃないですか。そうしたら娘がしみじみと「やっぱり苦労してるんだね。ご主人、白髪がいっぱいあったよ」って(笑)。

高嶋:(テーブルをたたいて)ア〜ハッハ。笑わせないで、もう。

林:ご主人、ほんとにいい人。なんで知り合ったんですか。

高嶋:仲のいい友達が「私、結婚する」って言うから、「なんで私より先に結婚するの。新婚家庭に入り浸るわよ。私の相手も見つけて」と言ったら、「わかった。同級生でいい子がいるから」と言って紹介してくれて。「じゃ、この人」って(笑)。

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

高嶋ちさ子(たかしま・ちさこ)/東京都生まれ。6歳でヴァイオリンを始め、桐朋女子高音楽科、桐朋学園大学を経て、1994年、イェール大学音楽学部大学院修士課程アーティスト・ディプロマコースを修了。デビュー後は多彩な演奏活動を続け、年間100本近いコンサートをこなす。「12人のヴァイオリニスト」「Super Cellists」などのプロデュースも手掛ける。テレビやラジオなどでも活躍。近著に『ダーリンの進化論 わが家の仁義ある戦い』(小学館)がある。

>>【後編/力不足だった高嶋ちさ子 ほめない母が「期待以上だった」と言ったワケ】へ続く

※週刊朝日  2021年8月6日号より抜粋

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  • この人を見てたら、世の中絶妙なバランスで成り立ってるんやなと思う��������
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