<THE ALFEEインタビュー>無観客は「未来を見据えての踏みとどまり」 最多本数記録更新中、コンサートの達人が大切にしていることとは?

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2021年08月01日 16:01  Techinsight Japan

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日本のグループ史上最多のコンサート本数記録を現在も更新中のTHE ALFEE(桜井賢・坂崎幸之助・高見沢俊彦)
これまでに実施したコンサート本数は通算2777本。日本のグループ史上最多のコンサート本数記録を現在も更新中のTHE ALFEE(桜井賢・坂崎幸之助・高見沢俊彦)。観客を迎えてのコンサートをなかなか開催できない今、その心境やコンサートへの思いを通算70枚目となる最新シングル『The 2nd Life -第二の選択-』をリリースしたばかりのTHE ALFEEにテックインサイトが話を聞いた。

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長年全国ツアーを中心に活動してきたTHE ALFEEだが、コロナ禍の影響を受けて2019年12月29日の大阪城ホールでのコンサートを最後に、有観客のコンサートは開催していない。2020年、2021年には無観客コンサートを配信してきたが、いよいよ今夏に神奈川県・横浜アリーナでの有観客コンサートを開催することを6月21日に発表。ところが7月9日にそのコンサートの中止が決定した。

■必ずそういう日が来ると信じて
―今年の夏のイベント(コンサート)は中止になり、残念でしたね。有観客での開催の決定にもさまざまな葛藤があったのではないですか?
高見沢:それはね、もうこれ以上無観客でやりたくないというのがあったからね、もう疲れちゃってさ。配信の音源も含めてかなり無観客でやりましたが、なんか乗り切れないんですよ、やってもやっても。だから夏のイベントってなったときに、無観客でやるのは考えにくかったんですよね、そのときは。でもやっぱり緊急事態宣言が発出されてしまったので、ここで無理にやることはできないなと。東京の方もそうですし、他県の移動も制限されそうな感じもしていましたし。
坂崎:ちょうど(感染者も)増えてきていたからね。
桜井:結局1都3県は(オリンピックも)無観客。そこでやるというのは、ちょっとね。
高見沢:僕らの場合はひっそりやるということはできないですからね。そのなかでやるのはリスクが大きいかなということで。逆にファンの方には“未来を見据えての踏みとどまり”と思っていただければ。「必ずそういう日が来ると信じてともに待ちましょう」ということですね。


■横浜アリーナでの無観客コンサートへ
高見沢:ただそのセットで横浜アリーナで収録しますから。去年の夏のイベントは普通のホールでしたけど、今回は夏のイベントらしいスケールの大きいところで撮りますので。
坂崎:スタッフも大勢で。
―衣裳も有観客で用意していたものになりますか?
高見沢:もちろんその衣裳も準備してますからね。
坂崎:夏イベのまんま。

―毎年恒例の日本武道館での無観客コンサートが今年3月27日に配信されました。武道館のときは客席からの照明が美しかったのですが、今回客席を使った演出は予定していますか?
高見沢:それはまだ考えていませんね。
坂崎:あれはね、うちの照明のチーフが1年間ツアーができなくて「やってやるー!」みたいな(笑)
高見沢:うっぷんをあれで晴らした。
桜井:形状的にも武道館だからできた企画だと思いますけどね。
坂崎:すごく良かったですね。あれは逆にお客さんがいたらできない演出だから。
高見沢:ホントに綺麗でしたね。

―昨年12月24日には毎年恒例の日本武道館から配信番組「Come on! ALFEE !! 〜LIVE & チャット& 生トーク〜」をリアルタイムで届けて、感激したファンが多かったようですね。(注:同配信番組は、撮り下ろし演奏、チャットでの交流、生トークを融合させたもの)
桜井:あの大きいところに(配信番組用のセットが)ポツンと。あれ全景で映さないと本当に(日本武道館で)やってるのか…って。
高見沢:分かんないよな、あれは。真ん中にちょこんとだからね。

■無観客コンサートを生配信しないワケ
―日本武道館のとても贅沢な使い方でしたね。ところで配信コンサートはなぜ生で配信されないのですか?
高見沢:大きくはいろいろシステム的な問題もありますし、何かあったときに対応がすぐにきかないというのが…。完璧な状態で音楽はやりたいので。
坂崎:生配信はリスクが高いですよね。
桜井:放送事故もあるし。

―コンサートの達人でいらっしゃるので、そのようなリスクも物ともしない気がしたのですが…。
高見沢:逆にベテランであるからこそ、そういうことに怖がるんですよ。
桜井:普通のツアーでも今までに何回も何回もそういうトラブルってあるんですよ。だから配信で観ている方に何か迷惑がかかっちゃいけないし、こればかりはどうなるか分からないところがあるので。電気が落ちたからアコースティックだけで…っていかないもんねぇ。
坂崎:お客さんがいればそこで何か自分たちでできるじゃないですか。何があっても大丈夫ってなるけど。配信では難しいかもしれません。


■初めて来た観客にも楽しんでもらえるステージを
―ところで、THE ALFEEがコンサートで大切にしていることは何ですか?
高見沢:僕は一番大事にしていることは、初めてアルフィーを観に来た方に楽しんでもらえるかどうか、そこはかなり重要にしていますね。そういう作りにはしているんですけれども。最初観て「こんなもんか」と思われてはイヤですし、「また来たい」と思わせたいし。何度も観ている方はお互いにキャッチボールができますけど、初めての方はそこに溶け込むまでに周りの方と温度差があるじゃないですか。そういう方に届くようにやってみたいというか。初めて観る方も、何度も観ている方と同じに感じてもらえたら嬉しいですからね。そういうところは気にしています。

―坂崎さんがコンサートで「初めて来た方は?」と聞くと、毎回何人かはいらっしゃいますよね?
高見沢:いるいる! 必ずいるでしょ?
坂崎:必ずいますね。

―そこで手を挙げられた方を意識して…ということですね。
高見沢:意識しますね。初めての方は連れて来られたのか自分で進んで来たのか分からないし、そこって重要だよね。長年来ている人も最初は友達に連れて来られたという話も聞くので、「初めが肝心」というのはそういうことじゃないかな。
坂崎:昔からそう。「一度来たら離さないわよ!」みたいな(笑)。それを一番意識していますよね。お客さんが増えなかった頃ね、とにかく一回まず来てみてくれよ、まず観てって。そしたら次も来たくなるようなライブをやるからって。

■音楽を楽しむ3人と一緒に楽しんで欲しい
坂崎:あとは僕は「この人たち本当に音楽が好きなんだな」っていうのをどこかに感じてもらえればと思いますね。(コンサートには)ヒット曲だったり、ルックスだったりいろいろな要素はあると思うんですけど、「3人とも本当に音楽を楽しんでいるんだな」と伝わると、一緒に楽しんでもらえるかなという気がしますね。やってる本人が楽しくないとね。
高見沢:一緒に楽しむっていいよね。
坂崎:僕らは好きな音楽をコピーしていまだにやったりしますけど、そういうときって意外とお客さんは置き去りだよね(笑)。僕らが勝手に楽しんでやっているところがあって「またかよー!」みたいなことがあるかもしれないけど、それをやっているときの3人は生き生きしているとよく言われるんですよ。そういうのはなくさないでいきたいなぁと思いますね。


―有観客のコンサートを再開できる日を楽しみにしています。
高見沢:常にツアーができることを願っていますから。それにはワクチンとか治療薬とかいろいろなことが必要ですけどね。いろいろなことが総合的になってこそ再開できるといいますか。世の中が早く収まって誰もが納得する形で「ツアースタート!」という日がきて欲しいですね。

8月25日のデビュー記念日には番組を生配信してファンと一緒にお祝いするTHE ALFEE。横浜アリーナで収録したコンサートは後日配信される予定だが、ツアー休止中に発売された『友よ人生を語る前に』『Joker -眠らない街-』、そして7月28日リリースの通算70枚目となる最新シングル『The 2nd Life -第二の選択-』を観客の前で初演奏できる日を、THE ALFEEもファンも待ち焦がれているに違いない。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)
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