DAISHIN GT-Rがまさかの失格。Floral UEMATSU 720Sが優勝【S耐第4戦オートポリス/決勝】

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2021年08月01日 20:30  AUTOSPORT web

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写真スーパー耐久第4戦オートポリスは赤旗中断、さらに優勝車の失格裁定と波乱の展開となった。
スーパー耐久第4戦オートポリスは赤旗中断、さらに優勝車の失格裁定と波乱の展開となった。
 8月1日、スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankookの第4戦『TKU スーパー耐久レース in オートポリス』の5時間の決勝レースが大分県日田市のオートポリスで行われ、ST-Xクラスは81号車DAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/青木孝行/藤波清斗/大八木龍一郎)がトップでチェッカーを受けたが、レース後スーパー耐久シリーズ2021 ブルテンNo.2021-18(車両規定違反:ウエイトハンデ不足)により、暫定結果の段階でまさかの失格裁定に。2位でチェッカーを受けた290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3(浜野彰彦/澤圭太/川端伸太朗)が初優勝を飾った。

 シリーズ後半戦に突入し、タイトル争いも緊迫しつつある第4戦の5時間の決勝レース。ただこの日のオートポリスは朝から雨模様で、8時から行われたウォームアップでもクラッシュにより赤旗終了。決勝を前に一時雨脚は弱まったが、フォーメーションラップが始まった11時03分の時点でも小雨が降り、路面はフルウエットとなった。

■分かれた戦略を勝ち抜いたDAISHIN GT-Rがトップチェッカーもまさかの……
 ST-Xでは、ポールシッターの16号車PC Okazaki 911 GT3Rがオープニングラップをトップで終えるも、2周目には290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3の川端伸太朗が永井をパスし、トップに浮上する。

 そんななか、クラス6番手からスタートした81号車DAISHIN GT3 GT-Rの青木孝行が9号車MP Racing GT-R、777号車D'station Vantage GT3をかわし3周目には4番手に浮上する。各クラスでポジション争いが繰り広げられるなか、最終コーナー方向だんだんと視界が悪くなっていった。

 視界はどんどん悪くなり、11時09分に濃霧による視界不良のためセーフティカーが導入された。その後一時解除されるも、またも霧がオートポリスを包み、11時30分に2回目ののセーフティカーが導入される。しばらくSCランは続いていたが、11時42分に赤旗が出されレースは一時中断となった。

 ここでレースの展開は大きく変わる。赤旗を挟んだため、ST-X、ST-Z、ST-TCRに定められているジェントルマンドライバー(Aドライバー)の最低乗車時間(レース時間の20%)と、ドライバー交代を伴う3回の義務ピットという競技規則が適用されないこととなり、これで各チームはプラチナ、エキスパートのドライバーのみで走りきれる戦略が採れることになった。

 約1時間の赤旗中断を経て、12時45分にセーフティカー先導でレースは再開したが、この時点ですでに雨は上がっており、路面が乾きはじめていた。そこで777号車D'station Vantage GT3の藤井誠暢と、81号車DAISHIN GT3 GT-Rの青木孝行は即座にスリックへの交換を決断。セーフティカーランのうちにコースに復帰した。

 レースはSC退去後、残り3時間11分でリスタートを迎えたが、その直後31号車LEXUS RCF GT3の小高一斗が1コーナーで16号車PC Okazaki 911 GT3Rの永井宏明と4コーナーで接触。16号車は体制を乱し、スポンジバリアにヒットしてしまう。幸い自走でコースに復帰したが、このアクシデントで左側のサイドミラーが脱落しかけ、オレンジボールが掲示されてしまった。

 一方、「中断前にトップだったので、すぐにレインに替える決断はしづらかった(川端)」とレインのまま周回を重ねていた290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3、31号車LEXUS RCF GT3、9号車MP Racing GT-Rがピットに入りドライタイヤに交換するが、その間にハンコックのスリックのウォームアップの早さもあり、SC中にスリックに交換していた2台がハイペースで順位を上げ、81号車DAISHIN GT3 GT-Rがトップに。2番手に777号車D'station Vantage GT3がつけた。

 上位2台は僅差の争いだったが、タイヤ交換本数を減らしピット作業時間を減らした81号車DAISHIN GT3 GT-Rがリードを広げ、4本交換を行っていた777号車D'station Vantage GT3が2番手に続くも、290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3がピット回数を減らし川端がロングドライブを行う作戦に出る。終盤スプラッシュもあるかと思われたが、112周を走りきった81号車DAISHIN GT3 GT-Rの藤波清斗がトップでチェッカーを受ける一方、290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3は最後までピットに入らず、2位でフィニッシュ。ファイナルラップにはすでに燃料残量警告灯が点いていたという。777号車D'station Vantage GT3は3位でフィニッシュした。

 しかし、レース後まさかの事態が起きた。再車検で81号車DAISHIN GT3 GT-Rに『スーパー耐久シリーズ2021 ブルテンNo.2021-18(車両規定違反:ウエイトハンデ不足)』というペナルティが課され、失格という裁定が下された。これは重量は規定どおりだったものの、第3戦富士での優勝にともなうウエイトハンデの積載の方法の解釈によるものとのことで、チームからは抗議が提出され、18時56分時点でST-Xのみ正式結果が出ていない。

 この結果、2位でチェッカーを受けた290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3がスーパー耐久シリーズ参戦4戦目にして初優勝を飾った。2位は#777 D'station Vantage GT3が、3位は9号車MP Racing GT-Rという結果となった。 ※追記:19時30分に正式結果が出された。

■スリックへの交換を決断した2台がST-Zの首位を争う
 ST-Zクラスは序盤、111号車Access HIROSHIMA+ GR SUPRA GT4の古谷悠河が序盤からオーバーテイクをみせトップに浮上する。一方、2回目のセーフティカー中だった11周目、5番手スタートの20号車SS/YZ Studie BMWがピットイン。また赤旗中断後、セーフティカーランのリスタート時にはクラス7番手スタートの47号車D'station Vantage GT4の織戸学がピットインし、スリックへの交換を済ませた。レース中盤からは、この2台がトップ争いを展開していった。

 47号車D'station Vantage GT4は、20号車SS/YZ Studie BMWとの間にギャップを築き、少しずつその差を広げていく。しかしST-Zクラスが60周目に突入したところでST-5クラスのマシンが14コーナーでストップし、フルコースイエロー(FCY)が導入されるが、このFCY直前という抜群のタイミングで20号車SS/YZ Studie BMWが3回目のピットイン。山口智英へのドライバーチェンジを済ませてコースに復帰する。

 その2周後には47号車D’station Vantage GT4もピットイン。篠原拓朗にドライバー交代を行うが、このピットインのタイミングで20号車SS/YZ Studie BMWが19秒先行する。しかし、篠原は自己ベストを含むハイペースで20号車SS/YZ Studie BMWを追い、77周目にこれをオーバーテイク。ふたたび首位に返り咲いた。

 47号車D'station Vantage GT4(星野辰也/織戸学/篠原拓朗/浜健二)は織戸と篠原のみでレースを走りきり、トップチェッカー。2位は20号車SS/YZ Studie BMWが、3位には40kgのウエイトハンデを積むポイントランキングトップの3号車ENDLESS AMG GT4が続いた。

 地元戦を迎えた75号車おとぎの国 CIVIC TCRと、97号車Racer Hondaカーズ桶川 CIVIC(遠藤光博/中野信治/小出峻)によるホンダ・シビック・タイプR・TCR同士の一騎打ちとなったST-TCRクラスは、97号車Racer Hondaカーズ桶川 CIVICがポール・トゥ・ウインを手にした。

 ST-1クラスはポールシッターの2号車シンティアムアップル KTM(飯田太陽/高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹)が終始レースをリードし、2位以下を周回遅れにする好走で今季3勝目を手にした。2位には38号車mutaracing GR Supra、3位にはコースアウトもあった71号車CSダイワN通商アキランドポルシェが続いている。

 ST-2クラスは2番手スタートの225号車KTMS GR YARIS(野中誠太/平良響/翁長実希/一條拳吾)が前戦で火災に見舞われた悔しさを晴らす今季3勝目を手にした。2位にはレインタイヤスタートから一時はトップを走行した59号車DAMD MOTUL ED WRX STI。3位は3番手スタートの7号車新菱オート☆VARIS☆DXL☆EVO10となった。

■ST-3、ST-4は激戦。ORC ROOKIE Corolla H2 conceptはノートラブルで完走
 ST-3クラスはポールポジションスタートの39号車エアバスター Winmax RC350 TWS(冨林勇佑/大島和也/石井宏尚)と2番手スタートの52号車埼玉トヨペット GB クラウンRSが終始バトルを展開。前半は富林と吉田広樹が、後半は大島と川合孝汰が激しい接近戦を展開する。ゴール目前の101周目、1コーナーで39号車大島が52号車川合をかわし首位に浮上すると、ディフェンディングチャンピオンの39号車が1.423秒のリードを守りきり今季2勝目を飾った。2位に52号車埼玉トヨペット GB クラウンRSが、3位は244号車QUEEN EYES 34Zとなった。

 ST-4クラスはGRGarage水戸インター GR86(坪井翔/細川慎弥/堀尾風允)がポール・トゥ・ウインで今季初優勝を手にした。2位には884号車林テレンプ SHADERACING 86が、3位に18号車Weds Sport 86が続いている。

 ST-5クラスはポールポジションスタートの456号車odula Star5 Roadsterが接触やマシントラブルに見舞われるなか、4番手スタートから着々とポジションを上げた50号車LOVEDRIVE ロードスター(山西康司/篠田義仁/松村浩之)が、ディーゼルエンジンの高燃費を武器に上位に浮上してきた17号車DXLアラゴスタNOPROデミオディーゼルとの接戦を制し、今季初優勝。2位は17号車DXLアラゴスタNOPROデミオディーゼルが、3位は66号車odula TONE MOTULロードスターとなった。

 ROOKIE Racingの2台が参加するST-Qクラスは、28号車ORC ROOKIE Racing GR SUPRA(蒲生尚弥/豊田大輔/山下健太/小倉康宏)と、水素エンジンを搭載した32号車ORC ROOKIE Corolla H2 concept(井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO/松井孝允)は、28号車ORC ROOKIE Racing GR SUPRAがハイペースで周回を重ね総合13位で、そして水素エンジン搭載の32号車ORC ROOKIE Corolla H2 conceptは、ノートラブルで着実に走行を続ける殊勲のレースを展開。MORIZOもダブルスティントをこなすなど4人のなかでも最多の周回数を走り、総合45位でチェッカーを受けている。

 スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook、次戦となる第5戦『SUZUKA S耐』は9月18〜19日に三重県の鈴鹿サーキットで開催される。2020年シーズンは開催がなかった鈴鹿で、どのようなレースが繰り広げられるのか。タイトル争いを占う意味でも重要な一戦となりそうだ。
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