ルーキーのクラッシュに頭を悩ませるハースF1代表「危険を冒す価値がある時とない時を理解すべき」

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2021年08月06日 07:41  AUTOSPORT web

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2021年F1第11戦ハンガリーGP ミック・シューマッハー(ハース)
ハースは2021年シーズン前半戦を全チームで唯一、ノーポイントのまま終えることとなった。しかし、彼らにとって目下の懸念事項は、低迷する成績よりも、度重なるクラッシュによる財政上の問題だろう。

 ミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンというルーキーふたりの布陣で戦うチームは、今シーズン度重なるクラッシュに悩まされている。開幕戦でのマゼピンのスピンを皮切りに、フリー走行、予選そして決勝で、ふたりは度々バリアに突っ込み、修理費用をかさませてきた。とくに第5戦モナコGPのフリー走行でミック・シューマッハーが起こしたクラッシュによる損害は大きく、チーム代表のギュンター・シュタイナー自ら「修理には30万ドル(約3300万円)から50万ドル(約5500万円)かかるだろう」と明かしていた。

 ハースが資金的に余裕のあるチームでないことはよく知られている。かつてはスポンサー問題に悩まされ、撤退のうわさが流れたことさえある。グランプリの中でも小規模なこのチームにとって、クラッシュによるコストは大きな打撃であることは間違いない。

 しかし、第11戦ハンガリーGPでもクラッシュは繰り返された。フリー走行3回目でミック・シューマッハーがコントロールを失い、マシンを大破させたのだ。そしてこのアクシデントには、シュタイナーの堪忍袋の緒がついに切れてしまった。

 ドイツの放送局ntvによると、シュタイナーはセッション後すぐに「非常に腹が立った」と発言し、「10点満点中の10点」と怒りの度合いを表現した。これまではドライバーたちのミスを擁護し続けてきた彼だが、シーズンの折り返しに差し掛かるハンガリーでのミスは許せなかったようだ。

「特にルーキーの場合には常にアクシデントを想定している。しかし、我々はそれを減らしていく段階に来ている」

「アクシデントはより頻繁に、そしてよりひどいものになっている。ミスを犯しすぎだ」

 もちろんこうしたクラッシュをドライバーたちのミスと単純に片付けることはできない。ハースの今期型マシン『VF-21』が不安定なことはよく知られている。さらに、戦闘力の劣るマシンでも少しでも速く走らせようとリスクを冒すのが、ドライバーの心理だろう。

 しかしそれでも、予算の厳しいチームで不用意なクラッシュは避けるべきというのがシュタイナーの意見だ。

「我々には予算があり、それに対応する必要がある。スピンは問題ないが、こうした事故には多額の費用がかかる。若いドライバーには、危険を冒す価値がある時とない時を説明しなければならない」

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