エジプト、タンザニアなど候補地多数。エクストリームEが全5戦の2022年“シリーズ2”暫定カレンダーを発表

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2021年09月28日 14:41  AUTOSPORT web

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2021年始動の電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』が、来たる2022年の“Season2”に向けた暫定カレンダーリストを発表
2021年始動の電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』が、来たる2022年の“Season2(シーズン2)”に向けた暫定カレンダーリストを発表。地球環境の持続可能性を促進しながら、温暖化、氷冠の融解、海面上昇、森林火災、極端な天候や地域の砂漠化など、気候変動問題の認識を促進するという使命の一環として、エジプト、タンザニア、ウルグアイ、そしてコスタリカなど多くの候補地がリストに名を連ねている。

 気候変動の影響が顕著な地球上のあらゆる地域を訪問し、EVによるレースを実施することでモビリティ社会の持続可能性追求と、環境保全の啓蒙を推し進めるという壮大なビジョンを掲げてスタートしたシリーズは、男女平等社会を実現するとの観点も採り入れ、最大出力400kW(約544PS)の電動パワートレインを搭載したワンメイク車両『ODYSSEY 21(オデッセイ21)』を、男女ペアが1周ずつ交代でドライブして勝敗を競うユニークなフォーマットを導入する。

 個性的な“X Prix”の大会名称を掲げ、10平方km以内のエリアに周回コースを設定するイベントが2日間にわたって開催され、シリーズが指名するコース設計者(中心的役割を担うのはティモ・シャイダー)らは、環境への影響を最小限に抑えつつ、既存の障害物や標高の変動、ジャンプなどを伴うレイアウトを作成する。

 この作業では、挑戦的でエキサイティングなアクションを提供するコースを目指すと同時に、環境保護、社会的包括性、公正な慣行を保護するために、所轄部門が監督する地元の第三者と各場所の環境的、社会的、経済的評価を徹底的に実施している。

 これらのレポートはイベント開催による水の消費や廃棄物管理、現地の照明から土地管理に至るまでの運用方法に影響を与え、エクストリームEのシリーズ戦が終了した後は、跡形もなく現状復帰が図られるよう細部まで神経を巡らせた運営が行われる。

 また開催各国では地元の政府、専門家、NGOと協力して地域のニーズに応じた“レガシー・イニシアチブ”も実施し、シリーズのレギュラードライバーやチーム関係者も当該地域が直面する環境の課題に積極的に向き合うことになる。

 今季2020年に実施されたプログラムの例として、紅海の海岸線に沿ったカメ保護プロジェクトへの資金提供、セネガルのNGOであるTO.orgとOceaniumによるマングローブ100万本の植栽、ブラジルのパラ州に拠点を置くThe Nature Conservancyによるココア農林業とアマゾン保護への協賛。そして、ユニセフと共同でグリーンランド全体で3500人以上の学童に向けた気候教育のシラバスを作成している。

■シーズン2は2022年2月にサウジアラビアで開幕へ
 そんなエクストリームEの2年目シーズン開催に向けては、すでに初年度の記念すべきオープニングラウンドとして実績を持つサウジアラビア・アルウラ砂漠での1戦が再び開幕戦として2022年2月19〜20日にプロットされ、こちらも第2戦として開催された西アフリカ・セネガルに位置するダカールラリーを象徴する海岸線、ラックローズの大海原を背景としたOcean(オーシャン)戦が5月7〜8日にスケジュールされた。

 この週末にはセネガルに並んで『エジプト』『タンザニア』の新地名も併記され、続く第3戦は地球温暖化の影響を直接的に体感できる土地、氷河の面積縮小が止まらない北極圏グリーンランドに位置するカンゲルルススアークか、こちらも新候補地『アイスランド』での“Arctic X Prix”が予定される。

 第4戦以降は初年度にも組み込まれていた南米2戦の候補も含み、9月10〜11日には『ブラジル』『アルゼンチン』『ウルグアイ』そして中米『コスタリカ』がノミネート。唯一のヨーロッパ戦は2020年も代替地として開催がアナウンス済みの、山火事被害に苦しんだイタリア・サルディニア島での1戦を睨んだもの。

 そして11月26〜27日の最終戦候補地には、ABBフォーミュラE世界選手権でも開催実績のあるチリがリストアップされている。

 シリーズの気候変動研究を担うサイエンスチーム所属のカルロス・ドワーティ教授は、こうした「気候変動への取り組みと科学の側面は、シリーズの真の基礎である」として、改めて人々の意識に対する問いかけと現実に取り組みを進める意義を強調した。

「すでに今年はサウジアラビアで基礎研究を実施し、融解が続くラッセル氷河からは氷のサンプルを収集することができた。このチャンピオンシップは、私や仲間にとって通常のネットワークの外部の人々にリーチすることで、大衆の機運を高め、気候の問題に向け全員が参加できる解決策について教育するための意見や声、またその機会が得られるんだ」

 シリーズの“フローティング・パドック”となる貨客船セントヘレナ号には、参戦各チームの車両やロジスティクス機器、パドックインフラストラクチャなどすべての機材を搭載するとともに、船内の実験室ではこうした環境負荷に対する科学研究のホスト役を務める機能も実装。現在は航空機による移動と船舶のそれとの比較検証なども行いながら、10月23〜24日の第4戦“Island X Prix”の開催地イタリア・サルディニア島に向けた航海を続けている。

■2022年エクストリームE『Season 2』暫定カレンダー
ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 2月19〜20日 サウジアラビア
Rd.2 5月7〜8日 セネガル/エジプト/タンザニア
Rd.3 7月9〜10日 グリーンランド/アイスランド
Rd.4 9月10〜11日 ブラジル/アルゼンチン/ウルグアイ/イタリア/コスタリカ
Rd.5 11月26〜27日 チリ

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