異例の長期納車待ちが続くスズキ・ジムニー/ジムニーシエラ。「欲しい」が殺到、“本格派”を強めた軽四駆【市販車購入ガイド】

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2021年10月18日 11:21  AUTOSPORT web

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写真上方向が若干絞り込まれているが、ボディ形状はほぼ四角型。フロントグリルにはジムニー伝統の5本スリット穴が刻まれるなど、ひと目でジムニーと分かるアイコンも健在だ。
上方向が若干絞り込まれているが、ボディ形状はほぼ四角型。フロントグリルにはジムニー伝統の5本スリット穴が刻まれるなど、ひと目でジムニーと分かるアイコンも健在だ。
 市販車の最新ニュースや購入ガイドなどをオートスポーツwebならではの視点で掘り下げる『オートスポーツweb市販車深掘り企画』。今回は、スズキ・ジムニー/ジムニーシエラを取り上げます。

 軽自動車サイズの本格四輪駆動車として1970年に初代が登場したスズキ・ジムニー。その後、各世代とも唯一無二の存在として高い支持を得て、国産モデルを代表する1台として挙げられます。2018年7月に登場した4代目は、オフロード性能に磨きがかけられ、原点回帰したかのようなスクエアなデザインで人気が爆発し、現時点でも長期の納車待ちが続いています。そんな、スズキ・ジムニー/ジムニーシエラの魅力を深掘りしていきます。

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■ジムニー/ジムニーシエラの最新情報

 2018年7月に発売されて以来、長期の納車待ちが続いている4代目となる現行型ジムニー。2021年秋時点でもディーラーで注文すると、「納車まで1年程は見てほしい」と言われるほど。スズキもデビュー初期よりも生産体制を強化しているが、需要に対して供給が追いついていないのが実情だ。

 この異例ともいえる状態が続いている理由は、ジムニーというクルマの特殊性によるところが大きい。歴代のジムニーは、過酷な悪路に耐える強靭さを手に入れるために、堅牢な梯子形ラダーフレーム構造を採用してきた。デビュー前は4代目はモノコック構造が併用されるのか? と危惧されていたが、熱烈な“ジムニー・ファン”の期待を裏切ることなく、現行ジムニーもボディとフレームを別構造とした堅牢なラダーフレームを採用したボディ設計を貫いた。

 ただ、このラダーフレームの採用が、現行ジムニーの生産台数を増やせない最大の理由なのだ。スズキ車でラダーフレームを採用しているのは、ジムニー/ジムニーシエラと軽乗用バンのエブリイくらいで、ジムニー用の生産ラインは専用にせざるを得ない。

 スズキも当初よりは生産規模を拡大しているが、殺到する需要に合わせて生産規模を高めると、需要が落ち着いた時に生産ラインを他モデルに変更することが難しい。そのため、おいそれと生産ラインを強化することは難しいというわけだ。

 さらに、現行ジムニーがスズキの予想を超える人気を集めたことも大きな理由だろう。現行ジムニーは、ラダーフレームやコイルサスペンションを最新設計にアップデートしたことでオンロード性能が強化されている。

 また、内装の質感や安全機能も最新モデルらしい内容となり、乗用車としての総合性能が飛躍的に高まった。先代までは、普段乗りには我慢が必要という場面も多かったが、現行ジムニーは、先代までに感じていた不便さの多くが解消されている。

 走りの面でも、ハンドル操作がラダーフレーム車特有のゆったりした運転感覚は残るものの、走行時の安定性や乗り心地は劇的に改善し、普段乗りをこなせる実力を持っている。先代までのジムニーは、愛好家向けのマニアなクルマという立ち位置だったが、現行ジムニーは手頃な実用車を求めるユーザーからも注目されて、幅広い層から支持を得ているのだ。■ジムニー/ジムニーシエラの購入ガイド
■ジムニー/ジムニーシエラ、どちらを選ぶ?
スズキ・ジムニー 車両価格帯:148万5000〜190万3000円
スズキ・ジムニーシエラ 車両価格帯:179万3000〜208万4500円

 ジムニー/ジムニーシエラ選びにおいて、最初に悩むのは、軽自動車のジムニーか、乗用車のジムニーシエラ(以下シエラ)のどちらを選ぶのか?ということだ。 

 ジムニーとシエラは、ボディシェルを共有する兄弟関係にあるため、室内寸法はまったく同じ。シエラはトレッド幅が幅広になるため走行安定性は優れるが、室内&荷室の使い勝手などは、ジムニーとさほど変わらない。装備や機能も、ジムニーとシエラは、ほぼ同等の内容となっている。

 両車の大きな違いは、動力性能だ。軽自動車のジムニーは、0.6リッター直列3ターボエンジンを搭載する(64ps/9.8kgm)。乗用車のシエラは、1.5リッター直列4自然吸気エンジン(102ps/13.3kgm)を搭載する。

 ジムニーは、ターボを組み合わせることでスペックを稼いでいるものの、排気量に余裕があるエンジンを搭載するシエラとは大きな差がある。市街地をゆったりと走るシーンでは、それほど気にならないが、高速道路の追い越しや登坂路、シビアなアクセルコントロールが求められる悪路では、非力さを感じる。

 アクセルレスポンスも自然吸気エンジンを搭載するシエラの方がスムーズで扱いやすい。ちなみに、ジムニーは重心が高いため高速走行時に横風を受けるとハンドルを取られがちなのだが、トレッドが広くて太いタイヤを装着しているシエラの方が明らかに安定感が高い。歴代モデル以上に、現行ではジムニーとシエラの差は大きく広がっていると言っていいだろう。

 一方、ジムニーの有利な点は、購入してからのランニングコストだ。毎年の自動車税や車検時にかかる重量税や自賠責保険に加え、任意保険料も軽自動車のジムニーの方が安い。2倍……とまではいわないまでも、ジムニーと比べると明らかにシエラの負担は大きい。

 動力性能や走りを優先するならばシエラ、コストパフォーマンスを重視するならばジムニーというのが、歴代ジムニー選びの鉄則だが、現行モデルに関してはその構図が変わってきている。

 先代に比べるとシエラはクロカンテイストが高まったスタイリングを持つことや基本性能の向上が大きいこともあって、積極的にシエラを選ぶユーザーが増えている。

 ちなみに歴代ジムニーの売却時のリセール価格はジムニーの方が圧倒的に高く、それもジムニーを選ぶ理由となっているが、現行モデルではジムニーもシエラも記録的な品薄が続いていることもあって、現時点では両車ともリセール価格は高値安定が続いている。

 今後品薄が解消されていけば状況は変わるかもしれないが、1回目の車検時期で手放すというケースなら、ジムニーとシエラのリセールの強さは同等と考えてもいいだろう。ジムニーとシエラで悩んでいるならば、動力性能面で秀でているシエラを選んでおくことをオススメしたい。

■ジムニーのグレード選び

 ジムニーのグレードは最もベーシックな『XG』、中間の『XL』、上級の『XC』の3つで構成される。『XG』は法人需要を意識したグレード。オフローダーとしての基本機能は装着されるが、内装加飾や装備は必要最低限に留まる。

 『XL』以上は、キーレススタートスイッチやフォグランプや、撥水シート、リヤシートリクライニング機構などの快適装備も用意。上級の『XC』においては、LEDヘッドライトやクルーズコントロールのほか、プリクラッシュブレーキなどの安全機能も標準装備となる。さらに、ツートンカラー仕様を選べるのは『XC』のみとなる。

 『XG』と『XL』でも安全装備は、スズキセーフティサポートパッケージとしてオプション装着車を選ぶことも可能。『XL』のスズキセーフティサポートパッケージ装着車の車両価格は161万1500円〜、『XC』は177万6500円〜の設定。価格を比べるとその差は約16万円ほど。『XC』の方がリセール価格も強いことを考えれば、『XC』を選んだ方が購入満足度は高いだろう。

 ちなみに歴代のジムニーは、専用の内外装意匠が与えられた特別仕様車(ワイルドウインドやランドベンチャーなど)の人気が高く、販売割合の大半を占めていた。しかし、登場から3年以上経過した現行モデルは、未だレギュラーグレードのみ。納期は未だ12カ月以上とアナウンスされていることを考えれば、近々に特別仕様車が追加される可能性は低いと予測される。
 
■ジムニーシエラのグレード選び

 ジムニーシエラのグレードは『JL』と『JC』のふたつ。ジムニー『XG』に相当するグレードは設定されていない。グレードの装備差は基本的に、ジムニーの『XL』と『XC』と同じ関係になると考えていい。ツートーンカラー仕様が選べるのも上級の『JC』のみ。ジムニー『XL』のスズキセーフティサポート装着車とジムニーシエラ『JC』の価格差は約16万円ほどなので、ジムニーと同様に上級の『JC』を選ぶことをオススメする。

■ジムニー/ジムニーシエラのオススメ装備

ツートンカラー
現行ジムニーは、先代に比べてボディカラーのバリーエションが増加した。ルーフの色を塗り分けるツートンカラー仕様の中には追加費用が必要になる組み合わせもあるが、個性的なシルエットを求めるユーザーにとっては魅力的な選択だろう。

スズキ セーフティサポート
前方の車両や歩行者を検知し衝突のリスクを低減させるデュアルセンターブレーキサポートや車線逸脱警報などを含む安全パッケージ。ジムニーもジムニーシエラも上級グレード(XC、JC)は標準装備だが、その他のグレードはオプション対応となる。現代のクルマにとってマストな装備だけに、是非装着したい。

サイドデカール
ジムニーのサイドボディ面を豊かにしてくれるサイドデカールは、複数のデザインが純正オプションとして用意されている。カスタムの範疇に入る装備になるが、純正のサイドデカールは売却時にマイナス評価(プラス評価される場合も)されることもないので、好みのデザインがあるなら選んでみたい。

*写真は2021年9月の一部改良前のモデルです。
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