「アウトラップがやばい」「重い割には悪くない」いざ、譲れない混沌のタイトル争い天王山へ/第6戦GT300予選

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2021年10月23日 21:11  AUTOSPORT web

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写真2021スーパーGT第6戦オートポリス 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
2021スーパーGT第6戦オートポリス 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
 ランキングトップでサクセスウエイト(SW)100kgを背負うSUBARU BRZ R&D SPORTが予選2番手に食い込んだことで、にわかにざわつくGT300のタイトル戦線。第6戦オートポリスで予選上位に入ったタイトルコンテンダーたちに、予選日の状況と決勝日への展望を聞いた。

■「SUGOとは全然違う」BRZ
 前戦SUGOで今季初優勝を飾り、ランキングでは1ポイント差ながら首位へ。今回は100kg(計算上の累積は117kg/39ポイント)のSWでオートポリスに挑んだSUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝は、「(Q2の)アタックに入る前の最終コーナーでミスってしまったのが、すごく悔しいですね」と予選を振り返る。

 ただ、そのミスがなかったとしてもポールポジションのTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT31号車を上回ることはできなかった、という。

 今季、予選では速さを見せながらも、決勝ペースに課題を抱えていたSUBARU BRZ R&D SPORT。前戦SUGOでの完勝により、その課題は解決済みかと思いきや、「全然違うと思います。やっぱり、オートポリス特有の路面からくるものは、大きいと思います」と山内は言う。

「タイヤの落ちをどれだけ最小限にできるか。公式練習でも大きくセットを変えるトライはしました。いい部分もありましたが、まだカバーしきれていない。BS(ブリヂストン)はロングランも良さそうでしたよね、とくに65号車(LEON PYRAMID AMG)とか。もちろん、明日はポジションを死守したいと思っています」

 SUBARU BRZ R&D SPORTは持ち込んだ中でソフト側のタイヤを選択しているようで、決勝のコンディションとマッチしなければ、早めにピットインし後半にハード側のスペックを履くオプションも残しているようだ。

■「絶対に取りこぼせない」SYNTIUM LMcorsa
 同じくダンロップ勢のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(87kg/29ポイント)も、予選Q2のアタックでミスがあった車両の1台。Q2を担当し6番手となった吉本大樹は「ウォームアップで失敗してしまった」といい、それがなければQ1の河野駿佑と同じく1分42秒台、2列目も見えていたという。

 GRスープラ初走行となったオートポリスだが、「想定していたよりバランスもいいですし、ダンロップさんのタイヤも、この条件にすごくハマっていると思います」と吉本。

「ただ、公式練習で赤旗が何度も出たので、まったくロングランができてないんですよ。正直、(ロングランのペースは)見えない。ただ、今回はウエイトの重い上位勢何台かが下位に沈んでいるので、僕らとしては絶対に取りこぼせない」

「BSもロングは良さそうですけど、前回ここでレースをしたときって、彼らは結構ピックアップで苦しんでいたと思うんですよ。ちょっと他力本願になってしまいますが、そこは僕らよりも相手の方が苦しむんじゃないかと想像しています」

■「こんなに前からスタートできるとは思ってなかった」LEON
 では、そのBSタイヤを履いて予選上位に入った陣営の動向はどうか。まずは予選4番手となったLEON PYRAMID AMG(75kg/25ポイント)だが、このポジションは望外のリザルトのようだ。

「持ち込みのセットはすごく良かったです。予選も大事ですが、オートポリスは決勝のタイヤの落ち込みが大きいので、その確認を朝からやっていました。赤旗もあって完全に見るところまではできていませんが、実績のあるタイヤなのでそこまで心配していません」と蒲生尚弥は静かな自信を滲ませる。

「正直、こんなに前からスタートできるなんて思っていませんでした。ポイント取れたらラッキー、くらいに思っていたので。とにかく、Q2の(菅波)冬悟がすごい速くて、本当に1ラップにすべてを出し切ってくれた結果だと思います」

 決勝ではBS勢得意の2輪交換や無交換の可能性も気になるが、さすがにタイヤへの攻撃性が高いオートポリス、LEON PYRAMID AMGとしては実行する可能性は低いものの、蒲生はその可能性を完全には否定しなかった。

「無交換はないかなと思います。例年、2輪交換をやっていたときもありましたが、その取り分とコース上のラップタイムのバランスも、昔とは少し変わってきているので……最終的には前半スティントの(ドライバーからの)インフォメーションとタイムを見ながら、決めるような感じですかね」

■無交換は「ゼロとは言い切れない」埼玉トヨペット
 同じくBS勢の埼玉トヨペットGB GR Supra GT(66kg/22ポイント)は、決勝の戦略に対して少し違った視点を持っている模様だ。Q2のアタックを担当した吉田広樹が、まずは一日の流れを振り返る。

「朝の走り出しは寒すぎて、どっちのスペックを履いても全然グリップしなくて、タイヤ選択の判断ができませんでした。その後、路気温が上がり、ラバーが載ってきたりという状況のなかで、僕らの選んでいる2種類のタイヤがちょうど境目のところにあって、難しかったです」

「公式練習の後半はずっと(川合)孝汰が乗って、専有の時間帯で彼がいいと思ったセットで予選に臨み、いきなりニュータイヤを履く状況になったので、自分の方が(クルマとタイヤに)合わせきれないような感じでしたが、前後ともにコンマ4秒くらい離れての3番手だったので、こんなものかな、と。最低限のいい流れというか、悪くないところにはいると思います」

 決勝に向けた戦略として、無交換は「これだけ(ロングランでタイムが)落ちている状況では考えにくいのと、僕ら(チーム)の判断だけではできない部分もある」としながらも、一方では別の要因からそれを視野に入れる必要も生じているようだ。

 予選日の埼玉トヨペットGB GR Supra GTはアウトラップのウォームアップが良くなく、実際に川合は公式練習の専有走行時間帯に、ピットアウト直後の1コーナーでコースアウトを喫しているという。

「(無交換は)基本は考えていないんですけど、ゼロとは言い切れないくらいに、アウトラップがやばい。ただ、無交換でいったとして、最初の5周は速くても、6周目以降は周りと同じくらいのところまでタイムが落ちてしまう気もする。なので、無交換とアウトラップのバランス(どちらを取るか)が難しい」

 今回の戦い方について吉田は、残り2戦のタイトル争いにいい形でつなげることを最優先としているといい、ノーポイントに終わるようなリスクある戦いは避けたいとも述べている。このあたりの姿勢も、決勝の戦略決定には影響を及ぼしてきそうだ。

■変則戦略のJLOC。タイヤ戦争に対する小暮の“視点”
 今回、予選上位はBSとダンロップ勢が占める結果となったが、注目したいのがヨコハマ勢最上位となる7番手に入ったJLOC ランボルギーニ GT3(78kg/26ポイント)だ。

 今回、JLOC ランボルギーニ GT3は元嶋佑弥の予選Q1でソフト、小暮卓史のQ2ではミディアムタイヤを履いてアタックしている(決勝スタートタイヤは抽選によりQ2使用タイヤと決定)。

 小暮いわく、これは公式練習の終盤にソフトを履いた元嶋の感触が良かったため。その時点でソフトの新品タイヤは1セットしか残っていなかったことから、上記のような変則的な戦略となったという。

 ヨコハマのロングランの安定度について小暮は、「タイヤがコンディションと状況にマッチしたら、負けてないと思います。むしろ、(BS、ダンロップに対して)強さもあると思う」と語る。

「以前はBSさんの“幅”が広かった印象ですが、いまはダンロップさんも速いし、ヨコハマさんだって相当速いですよ」というのが、最近のGT300タイヤ競争に対する小暮の見立てだ。

 決勝に向けては、ミディアムでスタートし、後半スティントに対してはソフトだけでなく、ハードなコンパウンドにも振れる選択肢があるという。コンディションに対して『マッチさせる』幅は、それなりに準備できているということでもある。

「今回、ヨコハマを履くランキング上位勢はみんな重く、苦戦していますけど、ウチらは78kg積んでいる割には悪くないと思うんですよ。最近はベースセットも『このあたりにしておきましょう』と落ち着いている状態ですし、今回はなんとか上位勢との差を縮めたいと思っています」

 BS勢対ダンロップ勢の戦略を絡めた“ロングラン決戦”も見ものだが、その陰で孤軍奮闘……となりそうなJLOCの戦いぶりにも、決勝では注目したい。

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