似ているのはジミー大西さんだけではなかった! 俳優・佐藤二朗5人説を検証する

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2021年10月24日 16:00  AERA dot.

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写真俳優・脚本家の佐藤二朗さん
俳優・脚本家の佐藤二朗さん
 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、さまざまな人と似ていると言われることについて。


【写真】佐藤二朗と対面して「脇汗をかいた」女優とは
*  *  *
 コレ、前にも書いたかな。ごめんなさい覚えてない。まあしかし仮に同じテーマで書いたとしても、全然違う文章になるでしょうからとりあえず書き始めます。 


 昔からですが、僕、本当にいろんな人に似てると言われるんです。


 桜金造さん、ジミー大西さん、朝ドラ「まれ」の子役(小山春朋くん)、弁当箱、電話ボックス、あぜ道、便器、便座…。


 ちょちょちょちょ。ちょちょちょちょちょちょちょ。どうした?途中からどうした?「弁当箱」以降、急激にどうした?「あぜ道」に似た人間とは一体?そしてなんで「便器」と「便座」に分けた?


 すみません取り乱しました。自分で書いて取り乱しました。ただ、「弁当箱」以降もすべて実話です。いや実話って、僕は弁当箱や便器ではありませんが(←当たり前)、妻が実際にすべて言ったんです。「君、あぜ道に似てるね」「君ってさ、電話ボックスに似てる」「君の顔、便器だね」


 少し文字が涙で霞んできましたが、そして便器を亭主にした妻が不憫でなりませんが、まあ妻の発言は愛情表現の一環として(いいからとりあえずそういうことにしといてくれよ頼むから)、いやホント僕、昔から本当にいろんな人に似てると言われるんです。


 中学生の時、新任の先生が教室に入ってきて、僕の顔を見るなり、


「三越!三越じゃないか!」


 と、嬉しそうに叫んだことがあります。


「いや〜、偶然だなあ。三越もこの中学に転校してきたのかあ」


 新任の先生は嬉しそうに、そのあとも結構な尺を使って三越の僕に話しかけました。


 誰しも新たな環境は緊張するものです。新任の先生にしたら、自分と同じく、この中学を新たな環境としてスタートさせる三越の存在がよほど心強かったのでしょう。



 しかし残念ながら僕は転校生ではなく、何より三越ではありません。


 結構な尺を使った挙げ句、先生はおそらく


「…ん?まて。よく見たら、三越と、少し、顔が違うか」


 と気づいたのでしょう。何事もなかったかのように


「それでは、授業を始めます」


 と、教科書を開いたのです。


「それでは」ではありません。「それでは」どころではありませんし、僕を含めた、教室のクラスメイト全員が、


「三越って誰だよ」


 という至極当然の、かつ深く静かな疑問で授業どころではなかったと思います。


 この、似た人がたくさんいる現象は大人になってもとどまることを知りません。


 ネットで検索しますと、毎日のように、全国各地さまざまな場所に佐藤二朗が出没しているようです。


「ウチの大学教師、佐藤二朗に似てる」


「電気工事に来た人が、ほぼ佐藤二朗」


「満員電車に佐藤二朗」


「相撲の行司が佐藤二朗」


「健康診断の医者が佐藤二朗で話が全然頭に入ってこない」


 集中しなさいよ。大事だから。健康診断。


「横浜スタジアムのバックネットに笑顔の佐藤二朗」


 あ、ごめん、それ、俺。俺本人。


 他にも、


「僕は、木村拓哉さんと佐藤二朗さんを足して、木村拓哉さんを引いた顔です」


 それ俺じゃねえか。その算数の解、俺そのものじゃねえか。


「電車の向かいの席に、佐藤二朗と瓜ふたつの女性」


 昔、「電車男」というドラマで僕の台詞に「高見盛に似た女」という名台詞かつ迷台詞がありましたが、「あなた、佐藤二朗に似てますね」と言われたら、すべての女性が憤慨し、それを言った人はまず無事では済まないと思うので、とにかくそのことだけが心配になります。


 なぜに僕が見ず知らずの人の安否を気遣わねばならんのかはさておき、もはやここまでくると、「佐藤二朗5人説」みたいな話が出てきても不思議はありません。


 ん?


 いるのかな、俺、5人くらい。


 いやいや、そんなはずはありません。そんなはずはありませんが、自分で自分を疑いにかかってしまうほど、あらゆるところに僕に似た人がいるようです。



 しかし考えてみますと、名前だって佐藤二朗です。日本に2億人いそうな名前です。名前も顔もそこら中にいそう、つまり、どんな役にだってなれるじゃあないか、と前向きにとらえて自分を慰める、52歳の便器俳優なのです。


 ま、便器の役のオファーは断ると思いますが。


佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける。原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)が全国公開中。


このニュースに関するつぶやき

  • ムロツヨシと佐藤二朗がいれば芸能界のヨゴレ役は盤石だ・・と勝手に思ってる^^
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  • Twitter、フォローしてますが、本当に文章が巧くてかつ分かりやすく書いておられます。どうか、永続的な御活躍を願いますm(._.)m
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