DENSO中山×STANLEY山本×MOTUL松田、うれしさと悔しさが入り交じるアツい3位表彰台争い【第6戦GT500決勝】

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2021年10月24日 22:11  AUTOSPORT web

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写真レース中盤以降、3位表彰台を争ったDENSO中山雄一、MOTUL松田次生、STANLEY山本尚貴
レース中盤以降、3位表彰台を争ったDENSO中山雄一、MOTUL松田次生、STANLEY山本尚貴
 スーパーGT第6戦の決勝レースは序盤から2度のセーフティカーが入るなど波乱の展開となり、その後も予選順位から大きく異なる展開となった。トップは8号車ARTA NSX-GTが独走するなか、もっとも激しいバトルを繰り広げていたのは3番手の表彰台争いだった。

 規定周回数の3分の1を過ぎた、いわゆる『ミニマム周回数』でのピット戦略で順位をジャンプアップさせて、ルーティンピットインが一段落したところで予選8番手から2番手に上がった39号車DENSO KOBELCO SARD GRスープラ、そして予選13番手から3番手に上がったランキングトップの1号車STANLEY NSX-GT。そして、その後に2台に追いついてきた23号車MOTUL AUTECH GT-Rの3メーカー3台のマシンがワンパックとなって、表彰台を争った。

 39号車DENSOのステアリングを握るのは中山雄一。「前回ピット作業でミスしていて、今回はコンマ1秒でも削ろうとみんなで夜遅くまで頑張ってくれた。そのおかげでピットアウトしたときには2番手まで順位が上がっていて、チームがいい仕事をしてくれました」と、2番手を走行するも「前半スティントも同様だったのですけど、今日のコンディションにクルマを合わせきれずに、ドライビングでも解消できるほどのパフォーマンスがなくて防戦一方になってしまった」と苦しいペースに。

 その39号車の背後の1号車STANLEYの山本尚貴もピットタイミングで魅せて3番手に。「自分のタイムの稼ぎどころは分かっていつもりなので、アウトラップは死にものぐるいでプッシュしてタイヤが冷えていてもガンガン行った。もちろん、それをしやすいクルマをチームが作ってくれたおかげ」と、一気にポジションアップしたSTANLEY山本はDENSO中山を追う。

 しかし、STANLEY山本は110kgのサクセスウエイト(SW)で、一番キツイ3段階目の燃料リストリクター制限(通称/3リス)を受け、ストレートスピードが苦しい。

「ストレートは3リスも入っていたのでキツかったです。コーナーで追いついても、結局ストレートエンドで離されてしまう。でも、それはわかっていたことなので、どこかのコーナーでインを刺そうと思っていたのですけど、39号車も要所要所を押さえて走っていましたし、途中から僕の方で単独の走行ペースが良くなくなってしまった」と、追いつきながらも並び掛けられない。

 一方のDENSO中山も、「高速コーナーと直線は割と良かったのですけど、低速コーナーで詰められてしまった。1号車の方がコーナーは全然速かったのですけど、リストリクター分で直線でなんとか抑えきれたかなという感じです」と1号車山本との戦いを振り返る。

 そして、2台がバトルをしてペースが上がらないところで、23号車MOTUL GT-Rの松田次生が追いつき、45周目に次生は山本をオーバーテイク。次生はそのままDENSO中山に挑むが、こちらもなかなか並び掛けられず、しかもストレートではスリップストリームに入りながらも、若干、離されるような展開となり、次生のストレスが溜まっていく。

「ストレートで失速してスピードが落ちて、それが続いてしまって。それでエンジンのマッピング(燃料と空気の噴射量の調整、アンチラグの設定など)を安全な方向というか、パワーが出せない方向で走らなきゃいけなかった。ストレートが全然伸びないし、コーナーで頑張ったけど後ろに付いているとダウンフォースがかかるコーナーではフロントのグリップが抜けたりして、とにかく相手のワンミスを待つしかない状況でしたので、すごく大変でした」

 それでも一度、2コーナー先で39号車に並び掛かった。

「1回、オーバーテイクしようと頑張って並び掛けたのですが、気づいたら芝生の上で(苦笑)、スピンするかと思いました。でも、ああやって並んで行かないとインに入れないので、ホント、久々にこんなに果敢に攻めましたし、41歳でもこんなにアグレッシブに走れるんだと。15歳くらい若返った感じで、最近、そういう走りができていますね」と次生。

 59周目の第2ヘアピンで次生はインに入り、ようやく39号車を攻略することができた。

 23号車にオーバーテイクを許した39号車中山だが、それでも1号車STANLEY山本はなんとか抑え続けた。

「セットアップ的にはアグレッシブに乗れるクルマだったので、ブレーキング勝負とか、なんとか頑張って抑えていましたけど、最後の10周はだいぶタイヤもキツかったです」と中山。

 ファイナルラップでは3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rとのバトルでストレートからインベタで1コーナーに入ってインを抑えるも、「タイヤかすを拾ったのもありますけど、3号車も真後ろにいて同じようにタイヤかすに乗っている。それまで守っているときにタイヤは使っていましたのでタイヤのグリップが厳しかったですね」と、オーバーテイクを許してしまい、DENSOは5位でレースを終えることになった。

 一方の山本も「クルマのポテンシャルはもう少し上の順位でもよかったという手応えだったので、39号車にフタをされてしまって、序盤に何度かチャンスはあったのですけど、そこでもし抜き切れていたら、全然展開が変わった可能性があったでしょうし、走り始めのときに39号車を仕留めたかったなという思いはありますね。39号車のペースに付き合わされてしまって、逆に後ろから来た速いクルマに続けて仕留められてしまいました」と、6位に終わった展開を悔やむ。

 それでも、「追いついたときに一発で仕留められていればよかったというのが唯一の後悔ではないですけど、それでも着実にタイトルを獲るためのレースはできたと思いますし、(持ち込みセットがいまいちだった)土曜の走り始めのことを考えると、セットアップについては収穫のありましたし、次につながるレースができたのは間違いない。前向きに考えれば最初、13番手とか14番手を走っていたので、6位で点数を獲れて良かったなと思うところもあります」と、山本はタイトル獲得に向けてポジティブな面も多かったようだ。

 3位表彰台を獲得したMOTULの次生も「(39号車、1号車の3周後にピットに入ったが)早めのピットタイミングで39号車の前に出て、エンジンマップの問題さえなければタイヤもすごくよかったのでトップに行ける可能性はあったと思う。3位で表彰台に挙がったのはもちろんうれしいですけど、もっといいレースができたと思うので今日は悔しい気持ちの方が強い。ストレスの多い3位ですね」と話つつ、さらに続ける。

「今日みたいに勝てる可能性があったときに勝てないのは悔しい。ピットタイミングも良くなかったので、そこも反省をしないといけない。そういう部分をきちんとしていかないと、他のチームには勝てないですよね。これからちょっと、長いミーティングになりそうです」と、喜びと悔しさが入り交じったレース後の次生だった。

 2年ぶりの開催となったオートポリスは前回のSUGO同様、ほとんどのチーム、タイヤメーカーがドライでのテストの機会がなかったため、決勝ペース、ロングランが未知数のなかで走らざるを得ない展開となった。タイヤのグレイニングやささくれ、そしてピックアップ(タイヤカスが取れずに表面についてグリップダウンを招く)などさまざまな現象が起こり、SC導入2度と、多くのチームに上位進出のチャンスがあるなか、一瞬の判断がその後の戦局を大きく変える展開となった。
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